先の「Word マクロを作って実行(1)」「Word マクロを作って実行(2)」記事で簡単なマクロの作り方をご紹介しました。
VBA(Visual Basic for Applications)を使わずに簡単に作れるのですが、「マクロの記録」操作時に図形や画像に対する操作は記録できないのが欠点でした。

そこで、今回は図形に対して施す処理をマクロ化する方法をご紹介します。
(VBAコードを書ける方は、直接コードを作成すればよいので、この記事はスキップしてください。)

Excelに用意される「マクロの記録」では図形や画像に対する操作も記録できるので、まず Excelでそのマクロを記録します。
Excelを開いて、図形(ここでは、四角形:角を丸くする)を挿入し、その図形を選択した状態で [表示]-[マクロ]-[マクロの記録]をクリックします。
「マクロの記録」ダイアログが現れ、「マクロ名」に適当な名前(ここでは「赤い枠線」)と名付けます。(下図)

 

「OK」ボタンを押して記録を開始します。
ダイアログが消えるので、図形に対する操作を通常通りしていきます。
[図形の書式]タブを開き、[図形のスタイル]-[図形の塗りつぶし]-[塗りつぶしなし]をクリックします。
同じく [図形の枠線]で「赤」を選択、さらに「太さ」を 2.25 pt に設定します。

今回は簡単のため、図形に対する操作はこれだけとします。
[表示]-[マクロ]-[記録終了]をクリックします。

改めて [表示]-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックし、「マクロ」ダイアログで「赤い枠線」を選択し、「編集」ボタンをクリックします。(下図)

 

VBA画面が現れ、「赤い枠線」マクロのコードが表示されます。(下図)

 

細かな説明は省略しますが、このコードが上記のように記録された手順を表しています。

さて、これらの Excel画面、VBA画面をそのままにして、次に Wordを起動します。
[表示]-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックします。
「マクロ」ダイアログが現れ、「マクロ名」に適当な名前(ここでは「赤い枠線」)と名付け、「作成」ボタンを押します。(下図)

 

「マクロ名」は、Excelのマクロで付けた名前と同じでもよいし別の名前でもよいです。

VBA画面が現れ、「赤い枠線」マクロのコードが表示されます。(下図)

 

まだ、何もコードがありません。
ここで、先ほど表示させておいた Excelの VBA画面を開き、その「Sub 赤い枠線()」内のコードをコピーし、Wordの VBA画面の「Sub 赤い枠線()」内に貼り付けます。(下図)

 

貼り付けたら、VBA画面のメニューバーにある「上書き保存」をクリックして、VBA画面を閉じます。

それでは、Word書類に何かしらの図形を挿入し、それを選択した状態で [表示]-[マクロ]-[マクロの表示]をクリックします。
マクロ「赤い枠線」を選択して「実行」ボタンを押すと、1アクションで図形に対する操作ができました。(下図)

 

このあと、「Word マクロを作って実行(2)」でご紹介したように、マクロボタンを設定したり、リボンにメニューを置いたりすることも出来ます。

VBAのコマンドを覚えずとも、図形などに対するマクロも簡単に作れますので、繰り返し行うような操作ならとても有効に使えると思います。