電子メールが届く仕組みを、下図を使って説明します。

  1. Aさんが Bさん宛のメールを送信します
  2. そのメールは Aさんのメールサーバに送られ
  3. Aさんのメールサーバはメールに記載される宛先から Bさんのメールサーバを特定し
  4. Bさんのメールサーバにメールを転送します
  5. Bさんのメールサーバは転送された Bさん宛のメールを Bさんのメールボックスに保管します
  6. 一方、Bさんは自分宛のメールがあるか Bさんのメールサーバに問合せします
  7. メールがあれば Bさんは自分宛のメールをメールボックスから取得して読みます

さて、Aさんがパソコンからメールを送信して、Aさんのメールサーバにメールが届き、さらに Bさんのメールサーバに転送する部分の送信プロトコルは「SMTP」(Simple Mail Transfer Protocol)と呼ばれ、メールの世界の標準的な方式です。

 

そして、Bさんが 自分宛のメールを Bさんのメールサーバから取得する受信プロトコルは「POP3」(Post Office Protocol version 3)と、「IMAP4」(Internet Message Access Protocol version 4)とがあり、メールサーバーや Bさんのメールソフトによっていずれかが選択設定されます。

 

「POP3」は、基本的には Bさんがメールサーバーに「自分宛の新着メールある?」と問いかけ、「XX通あるから、どうぞ」と言われて「それでは持って行きます」という具合にメールを受信します。
実際には、Bさんがメールソフトを起動したときに自動的に一連の取得動作をしますので、Bさんは特に意識せずにメールを受信できています。

 

一方「IMAP4」は、受信動作でダウンロードするのはメールのリストまたはメールのコピーで、メール本体はメールサーバーに残ったままです。
「POP3」では Bさんがメールを受信すると、基本的にサーバーには残しません。
(設定により、何日間は残すという設定もできます。)

 

パソコンなどにメールの設定をするとき、送信サーバーとして「SMTPサーバー」、受信サーバーとして「POPサーバー」または「IMAPサーバー」のアドレスを入力して行ったと思いますが、上記のような仕組みで送受信させるためだったんですね。

 

さぁ、それでは、もうひとつのメール配信の方法「Webメール」はどのような仕組みでしょう?
 

「Webメール」はメールソフトで行うメール作成や送信・受信を Webブラウザでできるようにしたメールシステムです。
メールソフトを使うメールシステムでは、上述のように SMTP、POP・IMAPなどのプロトコルにしたがって送受信していますが、Webメールでは HTTPなど Web通信用のプロトコルが使われて送受信します。

 

ただし、違うのは Webブラウザを使用することと、メールサーバーに相当する Webメールサーバーがメールと Webページとの相互変換処理も行うことだけです。
また、メールも Webメールサーバー上に保管され、既読管理や削除なども Webメールサーバー側で行われます。

 

このため、Webブラウザが使えるパソコンやモバイル端末があれば、どこからでもアクセスできるという特徴があります。

 

ユーザーは Webブラウザ上で「ユーザーID」や「パスワード」を入力してログインすれば使え、メールサーバーの IPアドレスなどを意識することはありません。
そのため「クラウドサービス」のひとつとして扱われています。

 

混乱するかもしれませんが、Gmailは WebメールとSMTP、POP3・IMAP4に対応します。
ここでは簡単のため、Gmailは Webメールのひとつであるとして先へ進めましょう。
(機会をみて POPや IMAPのメールクライアントを使用して Gmailを使用することに触れるようにします。)
 

次回から Gmailの使い方をご紹介していきます。