みなさんこんにちは。
ユニフォームコンサルタント福島です。
今日のテーマは「寒さを防ぐ中綿のメカニズム」
中綿が入っているとどうして暖かいのか?
ズバリ申し上げますと暖かさの理由は「空気」なのです。
え?と思われた方も多いのではないでしょうか。
なぜ暖かさの理由が空気なのか?
今日はそのあたりをできるだけわかりやすくお伝えします。
■そもそも綿(わた)ってなあに?
綿(わた)とはその字が示す通り、綿(めん)繊維が
複雑に絡み合ってできるかたまりのこと。
他にも絹でできた綿を(わた)を真綿(まわた)
羊の毛でできたものを羊毛綿(ようもうわた)
そして、防寒衣料に使用されることの多い
合繊綿(ごうせんわた)などがあります。
このポリエステル綿(わた)とも呼ばれる「合繊綿」は
他の綿(わた)に比べポリエステルが入っている分
軽くできており、また糸を細くして細かく絡み合って
いるのが特徴です。
実はこの「細い糸が細かく絡み合っている」ことこそが
防寒衣料の暖かさの理由の秘密なのです。
■空気は最高の断熱材
防寒の方法は大きく分けて2つあります。
【1.防風】風が直接肌に触れぬようにして
冷たい風に体温が奪われるのを防止しする。
【2.遮熱(断熱)】外気と衣服内の熱を遮断し衣服内の暖かい空気に
冷たい外の空気の温度を伝わらなくする。
具体的に説明すると防風がウインドブレーカーやレインスーツ。
遮熱、断熱が中綿入りのジャンパーや裏アルミのコートなど
そうそう、断熱と言えばダウンジャケットも忘れてはいけません。
このうち今日の主役「中綿」は後者に利用されていることは
みなさん、もうおわかりですね。
では、その中綿はなぜ暖かいのか?
実は正確に言うと中綿が暖かいのではないのです。
中綿が細い繊維が複雑に絡み合ったかたまりであることは
先にご説明しましたが、本当に断熱効果を生み出しているのは
その絡み合ってできた空隙に閉じ込められる空気だったのです。
■羊毛より低い空気の熱伝導率
細かく複雑に絡み合った防寒衣料の「中綿」
この中綿に閉じ込められた空気のことを「デッドエア」
つまり動かない空気と呼びます。
このデッドエアが断熱材となり外気と衣服内を断熱
することで暖かさが得られるわけですが、ここで注目
すべきなのがこの空気(デットエア)の熱伝導率。
熱伝導率とは熱の伝わりやすさをあらわす数値で
厚さ1mの板の両端に1℃の温度差がある時、
その板の1㎡を通して、1秒間に流れる熱量のこと。
以下は主な繊維の熱伝導率。
・空気 0.0241
・羊毛 0.37
・ナイロン 0.38
・絹 0.44
・綿 0.54
・レーヨン 0.58
・麻 0.63
代表的な繊維と比べるとその差は歴然!
なんと空気(デッドエア)は暖かさの代表選手
羊毛よりも熱伝導率が低いのです。
つまりこの空気(デッドエア)をたくさん含めば含む程
断熱効果が増すわけで、綿よりも空気を含みやすい
ダウン(羽毛)を使ったダウンジャケットが暖かいのには
こういった理由があったのです。
しかし、最近は人工の合繊綿にも羽毛に匹敵するほど
デッドエアを含むことができるものも開発され
よりダウンに近く、またダウンよりも動きやすい
防寒衣料が数多く生産されています。
そんな優れた防寒衣料はまた次回ご紹介します。
それでは今日はこのへんで♪
ユニフォームコンサルタント福島でした。
企業様向けにサンプル商品の貸出も行っております。ぜひご利用下さい。