源氏物語11 葵② | テルミドール革命!

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六条御息所 29


前皇太子の未亡人


誰を恨むでもなく、 ただただ 惨めな自分を嘆いていた。

苦しくて 苦しくて 魂がぬけたような 煩悶の日々・・・


やがて 体から消えない芥子の香り


かの人の正妻、葵のもとで行われている、

悪霊退散の祈祷の 芥子の香り



もしや自分は 知らず知らずのうちに

生霊になって かの人の正妻のもとへ

行っているのではないか・・・・?


光源氏 22


妻・葵は酷い難産で 

光源氏は 普段冷たくしていた自分を反省する。



妻にいたわりの言葉をかけ 抱き起こすと

妻の口から出た言葉はー・・・



葵 26


顔は妻の顔なのに

その声 その仕草 それは六条御息所


彼女は艶麗に哂う

「泣き苦しんで 空にただよう私の魂を 

つなぎとめてください



私の腰の紐を結んで・・・」と


男の子を産んだ後、葵は死んだ



源氏物語きっての 怖いシーン。



姿を見れば妻なのに 声は 中身は別のひと!

視覚ではなく 聴覚や雰囲気で恐怖を感じさせるとは

作者の技に脱帽です


そして 身に覚えもないのに

身体から消えない、芥子の香りってのも怖いです

じわじわと恐怖が襲ってきますね!


ここで大事なのは 

生霊になったのは御息所の意思ではない ということ。


抑圧された感情が 知らず知らずのうちに生霊となる。

恐ろしくも 悲しい女性です。



Launenhaft QUEEN



美しく恐ろしく 私を愛する年上のひと




私は見てしまった



恐らくは 見てはならぬものを


彼女の心の澱を



私に執着し 私を恋うる その情念を


自由にならぬ恋心と

 

車よりも傷ついた 御息所の魂は


彼女の知らぬうちに さまよい出て

はじめて自由になる

  







挿絵:「写真集 窯変源氏物語」より抜粋


この記事は 源氏物語を私風に意訳したものです。

簡潔編集を心がけておりますので、どうか大きな気持ちで 

お読みいただければと思います。 


感想などいただけると めっちゃ喜びます。

長文おつきあい頂いて ありがとうございました!