南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。

 

今回は、「海底火山を調査する!?」というお話です。

 

日本の近海には海底から高温の熱水が湧き出す海域がたくさんあり、我々の生活圏に近い場所にも存在しています。

以前ご紹介した薩摩硫黄島や錦江湾などもその内の1つです。

下矢印薩摩硫黄島の調査

下矢印鹿児島・錦江湾の調査
関東周辺では伊豆・小笠原海溝沿いに海底火山が多く点在し、最近では西ノ島や福徳岡ノ場などの記事を目にされた人も少なくないと思います。
 
そんな関東からほど近いとある海底火山に水中ロボット(ROV)を潜航させ、カルデラ内部の温度を計測する研究に数年前から参加しています。
過去2回ほど潜航のチャンスがあり、本学の練習船「青鷹丸」で調査に赴きました。
↑ 練習船・青鷹丸
 
青鷹丸は旧水産大時代から運用されている高齢の船ですが、Aフレームクレーンや観測ウインチなどを搭載した海洋調査に適した船です。
しかし、建造当時は大きなROVを搭載・運用することを想定していなかったため、ROVの運用には少々課題がありました。
↑ 当研究室で運用している中型のROV
↑ ROVの操縦装置は電子機器室に無理矢理置かせて貰うスタイル
 
しかし、そんな課題は百戦錬磨の船長と乗組員さんの手に掛かればお手のもの。
初めて運用する水中ロボットでも難なく着水・揚収をしてくださいます。
↑ ROVの着水手順を確認する船員さん
 
そんな皆さんのお陰もあり、海底火山に到着するとホウボウがお出迎えしてくれました。
↑ 海底火山のカルデラ内にいたホウボウ
 
この時は機器の調子が悪くあまり詳細な調査を行うことができず翌年以降にリベンジすることに。
 
しかし、そんな青鷹丸は2021年10月で廃船になることが決定。
今年10月以降に新しく完成する船でリベンジすることになります。
 
 
果たして新造船どんな船になるのか?!はたまた海底火山にトライすることは出来るのか!?
乞うご期待!