南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。
先日、国土交通省からプレス発表のあった「海の次世代モビリティの利活用に関する実証事業」について、
当研究室でも微力ながら?お手伝いさせて頂くことになりました。
では、海の次世代モビリティとはなんぞや?というお話しですが、これは当ブログでもお馴染みの水中ロボットや洋上ロボットなどで、これとIoT技術により「海」の全体的な活用を模索しようと言うものです。
つまり、超簡単に言うと・・・
こんなのや↓
こんなのや↓
こんなの↓
を使って、海をもっと使いやすくしよう!というのが狙いです。
(かなり掻い摘んでいます。。。)
当ブログでもときどき話題に出しますが、海の調査はとても大掛かりでお金が掛かります。
さらに法令や地域との調整なども必要なため、なかなか利用が広がらないのが現状です。
しかし、以前にも書きましたが、日本の沿岸線は35000kmあり、まさに沿岸大国!です。
遠浅の海もあれば深海もある面白い沿岸を有している珍しい地形です。
そのため、日本各地の沿岸では地域ごとに色んな課題があります。
その中の1つに「磯焼け」と言う、実は世界的な課題も含まれています。
これは、ウニやガンガゼなどがコンブやワカメを食べつくすことで起こる現象で、海藻に生物が棲めなくなることから「海の砂漠化」とも呼ばれています。
↑ 海洋環境の変化でサンゴが死滅した海底
こういった課題を解決するのが、海の次世代モビリティの役割と言えます。
そこで、今回、当研究室でお手伝いするのは、「ROV搭載型ベントス回収装置の実証実験」です。
「ベントス」というのは聞きなれない言葉だと思いますが、みなさんご存知の「プランクトン」(または「ネクトン」)が浮遊する生物なのに対して、底生生物を「ベントス」と言います。
つまり、ウニやガンガゼなどを含む底生生物を回収する装置の開発です。
この実験には三重県志摩市や三重県立三重水産高校も共同研究者として参加して頂いており、秋頃からは実海域での実証実験も始まります。
三重県立水産高校とはこれまでにも海洋調査でタッグを組んできました。
ぜひ、今後の成果にご期待ください!