南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。

 

今回は、「三重県立水産高校が取り組む海洋調査!」と、言うお話しです。

 

さまざまな水産高校さんで海洋技術者育成に向けたお手伝いをしており、三重県立水産高校にも毎年のようにお伺いさせて頂いております。

(今年はコロナの影響で中止となりました・・・)

 

こちらの水産高校は、伊勢志摩サミットも行われた英虞湾を望む志摩市にあり、機関系コースの他に食品を扱うコースや水族館や研究機関を目指すコースもあり、さまざまな海洋関連業界で活躍する若者を育てています。

 

そんな三重県立水産高校は2隻の実習船を保有しており、「しろちどり」という大型実習船と、「はまゆう」という小型実習船を用いた授業が行われています。

↑ 小型実習船「はまゆう」 小型と言っても大型クルーザー級!

 

↑「はまゆう」船内 最新の操舵機器が学べるのはスゴイ!

 

数年前から、機関コースの先生が中心となって、水中ロボット(ROV)を使った実習を授業に取り入れる試みが行われており、そのお手伝いとして当研究室も携わらせて頂いております。

 

校内には水深3mのプールがあり、そこでは小型の水中ロボットを使った操縦練習を行ったり、実習場では実際にロボットを組み立てる授業をするなど、さまざまなカリキュラムに取り組んでいます。

 

実習船を使った授業では、実際の海洋調査機器を使って英虞湾を調査する実習を行うなど、即、実践で活躍できる「ホンモノの海洋技術者」の育成を目指し、先生方が一丸となって取り組んでいます。

 

こちらの高校では機関コース以外のコースでも技術者育成に力を入れており、アクアフードコースでは地元企業と協力した製品づくりや、アクアデザインコースでは一人1つの水槽を管理して生物の命ついて学ぶなど、魅力的なカリキュラムが目白押しです。

↑ 生徒が管理する水槽を展示した施設

↑ 専門的な大型の調理設備が並ぶ実習施設には缶詰加工機まで!

 

数年前に行った出前授業では、ある国の大使館の方が自国の海洋教育の参考に見学に来るなど、外国から見ても魅力的な高校です。

 

今年はコロナの影響で出前授業が無くなってしまいましたが、来年は生徒さんと一緒に、また海に出ていろいろな実習ができれることを願っています。