○水中ロボットが求められる時代

 2015年7月,日本政府は約2000人だった海洋技術者を2030年までに1万人に増やすという目標を掲げました.また,世界に目を向けるとSDGs(国連開発目標)の第14項目には「豊かな海を守る」ことが明記されるなど,現在,海洋で活躍する技術者が世界的に求められています.日本では一足先に海洋・水産高校が水中機器の取り扱いに関する授業を学習指導要領に取り入れ,令和4年度から新しいカリキュラムがスタートしました.

 

 水中機器やロボットは,本学に限らず日本全国の大学を例に見ても,その取り扱い方法を教える授業がほとんどないため,初めて扱うことに不安を覚える人もいるかと思います.しかし,しっかり技術を身に付けることで世界から求められる人材になると言えます.

 

○どんな研究室?

 当研究室ではロボットを「造る」だけではなく,ニーズやシーズを基に実調査に使用可能な調査機器の研究開発に取り組んでいます.そのターゲットは広く,深海や極地から近年では宇宙にまで及ぶ,日本でも珍しい研究室です.

 

 「ロボット=モノ造り」のイメージが強いと思いますが,当研究室のテーマの多くは地球惑星科学や水産・生命科学などとの結びつきが強いのが特色です.

 

 本学では水中ロボットの開発や運用などの授業が3年後期まで学ぶ機会がないため,初めて学ぶことに不安を感じる学生も多いかと思います.しかし,ゼミの中では卒研を通して水中機器の基礎から開発,運用までを体系的に学習していきます.

 

 詳細について知りたい人はWEBにて研究室相談を実施しますのでメールにて連絡をしてください.深海や水中ロボットに興味のある人はぜひお越しください!

 

 

○研究事例

(現在実施中の研究や過去の研究の事例を紹介します)

・南極湖沼調査用ROV

 (国立極地研究所 共同研究)

 

 

 

 

・大深度型 南極湖沼調査システムの開発

 (学長裁量経費事業)

・ROV 用航法デバイス

 (カシオ計算機 共同開発)

 

 

・有索式水中機器用メタル線通信装置

 (特許申請中)

・海洋大船舶を活用した海洋調査システムの構築

 (学長裁量経費事業)

 ※本学(品川)の海洋資源環境学部(山中研究室)などとの共同事業

 

 

 

・水中音響環境モニタリング装置

 (NHK 共同研究)

・トップ・プレデーター調査用 バイオプシー装置

 (JAMSTEC 共同研究)

・スタンドアローン型 深海生物モニタリング装置

 (JAMSTEC 共同研究)

・水中光無線通信装置

 (JAMSTEC・島津製作所 共同研究)

 

 

 

 

・深海生物モニタリング保圧装置

 (かごしま水族館 共同研究)

・琵琶湖における地震断層調査

 (滋賀県大ほか 共同研究)

・深海設置型コンクリート材料モニタリング装置

 (港湾空港技術研ほか 共同研究)

・海洋教育用水中ロボット開発

 (文部科学省ほか 共同開発)

 

 

 

 

 

・災害対応用 航路啓開水中ロボットシステムの開発

 (鹿児島水産高校 共同開発)

・水中光無線通信用LEDレー認識装置

 (JAMSTECほか 共同研究)

・薩摩硫黄島周辺の変色海域における光無線通信実験

 (JAMSTECほか 共同研究)

 

 

 

 

 

 

○主な共同研究機関,および協力機関

国立極地研究所(NiPR),海洋研究開発機構(JAMSTEC),港湾空港技術研究所(PARI),日本放送協会(NHK),NHKエンタープライズ(NEP),カシオ計算機(CASIO),京セラ(KYOCERA),岡野電線(OKANO),いおワールド・かごしま水族館,大分マリーンパレス水族館 うみたまご,日本電気(NEC),NECソリューションイノベータ(NEC-SI),三井造船特機エンジニアリング(MTE),島津製作所,宇部興産,テレビ朝日映像(Vivia)など

  

○過去の取材・番組協力など

・テレビ,ラジオ

 NHK/TBSテレビ/TBSラジオ/bayfm/MBCテレビ/OBSラジオ/BS朝日 など

 

・新聞

 毎日新聞/読売新聞/産経新聞/科学新聞/みなと水産新聞/中日新聞 など

 

・雑誌,ネットメディア

 マイナビニュース/産業と教育/水産界/O Plus E/トランジスタ技術(Jr.)など

 

○経歴・その他

2015年~2018年 :JAMSTEC 在外研究員

2016年~2023年:東海大学 非常勤講師

2017年~2018年 :第59次 南極地域観測隊

2018年~現在  :文部科学省SPH運営指導委員

2019年~2020年 :文部科学省初等中等教育課教科書編集委員

2022年~2023年 :JAMSTEC 招聘研究員

2023年~2024年 :第65次 南極地域観測隊 左矢印NEW!!