南極と超深海の両極地で、実際に自分の手で水中ロボットを潜らせてきた研究者による「実話」をご紹介するブログ。

 

今回は、「卒業研究ってどんなことするの? その2」と、言うお話です。

 

超深海や南極などの極地を研究フィールドにする日本でも珍しい部類の当研究室ですが、普通の大学の研究室と同じく、毎年、卒業研究のゼミ学生が配属になり、一人一人異なった研究テーマに取り組みます。

 

今年度は2名の4年生が在籍しており、1名は先日ご紹介した水中の光無線通信に関する研究。

 

今回はもう1名が取り組んでいる調査機器の通信に関する研究をご紹介します。

 

この学生が取り組んでいるのは、光ファイバーに頼らない新しい長距離通信技術の研究で、先日、その技術を組み込んだ機器を実際のフィールドで実験しました。

 

場所はいつもお馴染みの琵琶湖

↑ 滋賀県立大の「はっさか2」でお世話になります

 

船上では学生が主体となって機器の操作を行います。

 

船の現場でテキパキキラキラ動ける辺りは当研究室の学生の強みで頼もしい限りです。

↑ 航行中に研究機材のセッティングを行う学生

 

現場水域に着いたら、早速、機材を水中に投入。目指すは琵琶湖の最深部

↑ 湖心部を目指して、潜航開始!

 

湖底に着いたらみんなで湖心部の様子を観察します。

この機材の良いところはリアルタイムで湖底の映像が見れるところです。

↑ 映像はリアルタイムでパソコンに映し出される

 

1時間ほど観察およびデータ取りをして機器を船上に引き揚げます。

 

すると、機器のフレームにヨコエビが付いていました。

↑ 機体に付いてきたヨコエビ(体長5mmほど)

 

大きさは全然違いますが、マリアナ海溝のカイコウオオソコエビと似ています。

 

実際の海やフィールドでの研究は学生も学ぶことが多いので、まさに実学と言えます。

 

今回の結果がどんな研究成果に仕上がるのか楽しみです。