マット・デイモン主演【ボーン・アイデンティティー】の第2弾
前作の監督ダグ・リーマンが製作総指揮にまわり、ポース・グリーングラスがメガホンを執る。
前作から2年、パメラ・ランディ率いるCIAのひとつのチームが作戦実行中に諜報員が殺害される。殺害犯は犯行をジェイソン・ボーンの仕業に仕立て、パメラはボーンを追う。
時を同じくして、インドで身を隠していたボーンとマリーのもとに刺客が現れ、マリーを殺害されてしまう。
カタをつけようとボーンも旅立ち、再びCIAとボーンの戦いが始まる…
シリーズの中では一番好きな作品。
前作よりスタイリッシュ、よりソリッドになり、ドキュメンタリー作品で名を馳せた新鋭監督の手によって、よりリアリティになっている。
前作を踏まえた素手での格闘、カーチェイスも健在で、新たなアイデアもプラスされている。
包丁vs丸めた雑誌の格闘シーンなって、なんでこんなこと思いつくんだろうと感心してしまう。
製作費も増えたことにより、カーチェイスシーンも増量されている。ベンツのSELやゲレンデがボコボコになっていくとこは、見ていて気持ちがいい。
電車に乗ったと思いきやすぐ降り、ぐるっとまわってまた同じとこから電車に乗るシーンなんて、演出力が光ってる。
公開当時、冒頭でマリーが殺されてしまったのに度肝を抜かれて、ショックを隠せなかった。約10年経つ今も、その気持ちは変わらない。
前作、最後の最後でやっとマリーの心意気を見せてもらって、新たな二人を期待していたのに…。
制作サイドにぜひインタビューしてみたい。
変わって入ったパメラ役のジョアン・アレンが、もの凄い演技をしている。
マリーとは立場も歳も違うからロマンスにはなり得ないけど、捜査していくにつれボーンを理解していくさま、CIAの強行手段を不審に思っていくさまを巧く演じている。
佇まい姿が美しくて、金髪・とっくり・ロングコートのコントラストが絶妙。
作戦をミスしたときやCIAに不審を抱いたときの、ちょっとした参った顔しているところは、チョコレートでもスッと差しだしてあげたい気にさせる。
こんな上司だったら、全てを捧げてもいい。
2度ある窓ごしの携帯電話のシーンは、シリーズ全シーンの中で一番好き。全身に鳥肌が立ちまくる。
前作も登場しているニッキー役のジュリア・スタイルズの演技が、格段に巧くなっているのに驚き。
なかば拉致気味に取れ去られるときの諦めの表情、取り調べを受けているときの毅然とした態度、ボーンに捕えられて感情を露わに恐怖に慄く表情、巧い。
マリーを殺し、ボーンを手負いにしてしまう暗殺者も、憎たらしいほどに強い。
CIA側のダニーも、いい味出してる。
マット・デイモンは無表情は変わらないが安定の演技で、いよいよボーンを自分のものにした。
足引きずって歩く姿は、ボーンの代名詞になりうるかも。
ロシアの政治家の娘に会う温情シーンは、ストーリーの性質上いらない感じがする。
その娘が、出たての後藤真希みたいで瑞々しくて可愛らしいんだけれども…。
相変わらず、『Extreme Ways』の挿入の仕方が絶妙。
もう何年も、携帯電話の着信音である。