ジョセフ・ゴードン=レヴィット リン・コリンズ主演
ニューヨークのブルックリンとマンハッタンを挟む橋の中央、ひと組のカップルが行く先をコイントスで決め、お互いが別方向へ走りだす。
彼が走った先はブルックリン。車を運転して待っていたのは、いま反対方向マンハッタンへ向かった彼女。
彼女が走った先はマンハッタン。タクシーで待っていたのは、いま反対方向ブルックリンへ向かった彼。
ブルックリンをグリーン・ヴァージョンとし、マンハッタンをイエロー・ヴァージョンとして、不思議な二通りの一日が始まる…。
演出は絶品。冒頭から小気味いいテンポで不思議な感覚にとらわれ引き込まれていく。二つのストーリーを数分のカット割で交互に見せるが、混乱することなく観ていくことができる。緑の車(ボイジャー)、黄色いTシャツ、見て明らかな部分が大いに助かる。
サスペンスチックな音楽が、まったく違うシーンのカット割でも変わりなく流れ続けているのには感服した。色目、テンポ、展開、よほど入念に作り込まないと、しっくりはまらないだろう。
二つの映画を、同時に観ている感覚。
それにはやっぱり、出演陣の好演が光る。
ジョセフ・ゴードン=レヴィットは安定の存在感。
ちょっと抑揚が足りないかな。でも落ち着いた演技をしている映画が多いから、それはそれでファンにとってはいいのかも。
その抑揚は、リン・コリンズが担っていた。
喜怒哀楽、すべての表情を彼女が担当していた印象。とっても魅力的。
アルツハイマーの叔父さん。
ほかの登場人物の中では一番際立っていたんじゃなかろうか。
妹が叔父さんに不満を言うシーンは、この映画のベストシーン。聞いている目がいい。真剣に聞いて、真剣にアドバイスして、次のシーンでは忘れてる。実にいいシーン。
車の中で彼女が秘密を打ち明けるシーンもいい。
犬。
雑種老犬。
PCに撮り込んだ写真の顔は、なんともまあ…。
驚愕のサスペンスや、華やかなハッピーエンドを好む人にはちょっと向かない映画かもしれない。
だから、冒頭の「あれ」はいらなかったのでは…。
いや、なかったらこの映画は成立しないのか…。
考えさせてくれる映画である。