アナザー プラネット (2011年) | 大手町映画館

大手町映画館

どんなにつまらぬ映画にも 必ず光る何かがある
その光こそが 日本の映画界には無い
ハリウッドの映画づくりに対する情熱
ハリウッドの情熱に触れるコトができれば 心が自然と豊かになる

何年かに一度、お目見えできる傑作。
ただし、日本での評価が上がるのは、もう少し経ってから。

ブリット・マーリング監督(共同)、脚本(共同)、出演。


青く光る、新しい惑星が発見された夜、MIT(マサチューセッチュ…、マサツー…、マサチューセッツ工科大学)に合格して浮かれていた女子高生が、パーティの帰り道に脇見運転をして正面衝突の事故を起こす。
衝突した向こうの車には、親子3人、息も絶え絶えになっていた。
4年後、交通刑務所を出所した彼女の、贖罪物語。


日本ではブリット・マーリングが無名のためにか、ビデオスルー。
しかも、予告編だけ見て売り出したのか、邦題とカテゴライズが意味不明。
原題は、【Another Earth】で、SFサスペンスとしていたが、ミステリーに近いヒューマンドラマ。


抑え込まれた映像と、中盤までの展開がややチープで、テンポも若干悪いとこが低予算映画の象徴なのだが、終盤からのたたみかける展開が、この映画を傑作まで伸し上げた。

出所した少女は、才女であるのに人と喋りたくないからと言って清掃員の仕事を選ぶ。
毎日が憂鬱、自殺未遂までしちゃう、自分の事故を調べる、父親だけ生きていると知る、謝りに行く、言えない、無料キャンペーンっつって掃除してあげちゃう、毎週行っちゃう、恋しちゃう、なんじゃそりゃ。
この映画のいいところは、ここから。
事故の告白シーン、彼女の立てた仮説、落としどころ、ラストカット。どれを取っても一級品。

一貫してブリット・マーリングの演技もいい。
最初は暗い顔つきばかりで、月日を重ねていくうちに表情に変化が出てくる。
事故の告白シーンのセリフ「あなたを幸せにできてると思う。私も幸せ。」と言ってるときの表情が抜群にいい。
どちらかというと監督業をやりたい人らしいので、日本で劇場公開をするようになってきたら、この映画は話題になってくると思う。


物語の肝の『惑星』については、結末が鑑賞者によって解釈がかわってくるはず。
惑星との交信シーンは、夢がたっぷり詰まってる。
作中ではふれてないが、惑星がだんだん近づいてきている映像も美しい。
ハッピーエンドでもバッドエンドでも、どちらでも傑作という評価は変わらない。

こんな映画を観終わったあと、あーだこーだをダイニング(キッチンでもレストランでも)で言い合うのが面白いんだよなぁ。