バーティカル・リミット (2000年) | 大手町映画館

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ハリウッドの映画づくりに対する情熱
ハリウッドの情熱に触れるコトができれば 心が自然と豊かになる

山岳アクションと謳っているが、あえてパニック映画と位置づける。


身勝手な兄による、K2で遭難した妹を救出しに行く物語。


この手の映画(【アルマゲドン】とか【デイ・アフター・トゥモロー】とか)がどうも嫌いなので、これからコキおろしますので悪しからず。


この映画は、原案・脚本・製作が同一人物なので、たぶんその人物が言いだしっぺなのだろう。名前以外調べる気にもならないが。

設定と脚本が酷すぎる。

遭難者(妹)救出のために、
『世界一登頂が難しいとさせれるK2に(実際にも300人程度しか登頂者がいない)、ニトロを背負って登る。』
この策を打ち出したのが、たまたま通りがかったブランクのある若者(兄)。

救出のために人数をかけ登るのはいいが、ニトロがいただけない。
ニトロを素人が持ってあるくこと自体、K2登頂よりはるかに危険なはず。
しかも、それらしい容器に収納されてるのに、液漏れしちゃってるし。その時点でその辺一帯立ち入り禁止でしょ。
軍人の付き添いもなしに、というか、軍人がニトロなんかを素人に渡すはずがない。素人が強奪しようとするだけで射殺ものでしょう。
そもそもなぜあんなところに軍事施設があり、ニトロをたった一人で管理しているのか。
軍事施設なら、ダイナマイトかグレネードがあるでしょう。

それと、主人公(兄)が身勝手極まりない。確かに妹を助けたい気持ちは誰にでもわかるし、昔ちょっとかじってたんだから登山にも自信があるのでしょう。
それでも、そこのキャンプにはK2経験者が何人もいるのに、その人たちの意見を全く聞き入れず、無線を一人占めし、勝手に計画をたて、近道を知ってる一番の熟練者に無理やり頼んできてもらったのに途中で帰れだの言い出し、言うことは聞かない。

遭難側。
そのチームのリーダー的な存在であるはずの妹が、まったく自分の意見で動いてない。
K2経験者のアドバイザーは、自分が足手まといになってるのにも関わらず命乞い。

実は、この登山の発案者である社長が一番まとも。
自らが経営する航空会社の第一便を、K2山頂から手を振る…なんてロマンなのだろうか。
それで自らが投資したスペシャルチームが打ち出した、「80%嵐が来ない」というのをしっかり信じ、カルネアデスの板を主張している。
俳優はビル・パクストン。幅の広い俳優だと感心した。そしてエンドクレジット一番。
それだけだな、この映画。


ハリウッド映画の物の考え方は大好きだが、この手の映画だけは大嫌い。
たくさんの尊い犠牲が出て、主役だけがただのラッキーで生き残り、最後はキスしてハグして笑顔でハッピーエンド。
ハリウッドで唯一欠けてるのは、『安堵の演出』だと思う。
自国領土が危険にさらされたことのない国だから、安堵することを知らないのでしょう。