ヒア アフター (2010年) | 大手町映画館

大手町映画館

どんなにつまらぬ映画にも 必ず光る何かがある
その光こそが 日本の映画界には無い
ハリウッドの映画づくりに対する情熱
ハリウッドの情熱に触れるコトができれば 心が自然と豊かになる

監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ
主演:マット・デイモン

津波で死を免れたフランス人女性ジャーナリスト
事故で双子の兄を亡くしたイギリスの少年
自らの能力を呪いと称するアメリカ人霊能者

『死』という境遇に直面する3人の群像劇。環境の変化が生活に支障をきたしてきた3人が、ロンドンで顔を合わす。


冒頭10分、あまりにもリアルな描写の津波映像があるので、鑑賞には注意を。
日本公開は2011年2月だが、一ヶ月後に公開が中止になった。


イーストウッド作品によく見られる静かな演出と出演陣の好演もあって、難しいテーマであろうの内容が、終盤までは飽きずに観られた。
特殊な人間が普通に生活していく難しさを淡々とみせる表現力の巧さ、これは光ってた。


この映画にいるのかいらないのかは別として、料理教室のシーンはイーストウッドには珍しい、ラブシーンと言ってもいいほどエロティック。
「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」をBGMにする目隠しプレイは、そのシーンだけで映画が一本撮れそうな感じさえする。(あとで気づいたが、ここで出てきた女優さんは、【ヴィレッジ】の主役の女優さんだったのね。ずいぶんとシャープになられて…。)
ちょっと人に熱弁したくなるような、とても美しいシーンだった。


それにしてもクリント爺さん(80)、ついに『死』をテーマにするという、一種の悟りをひらいたか。





以降、ネタバレ。未見の人は要注意。



ロンドンからちょっとおかしくなったような気がする。
まずブックフェアが弱い。有名なジャーナリストのサイン会ならもっと規模が大きいだろうし、朗読会(実在の朗読者らしい)で悦に入ってたマット・デイモンに伏線がなかったし、子供ちょっと自由すぎ。
それと最後、エンドロールが始まったとき、頭の中に コンッ という音と共にでっかい『?』が出てきてしまった。それまでは100点満点に近いデキだったのに…。
終わってしばらく想いをめぐらしてみても、やっぱり『?』の意味が出てこない。
手紙の内容は、女優さんの演技でだいたいわかる。余計な台詞を入れず、表情だけの演出、これは正解だと思う。素直に感動できた。
マット・デイモンは予知ができるようになったの?
もう死者とつながることができなくなったの?
能力を吸い取られちゃったの?
最後の最後、数分だけのシーンで取り残されてしまった…。