(日本養殖新聞ブログより)
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うなぎの話(7/3付) 「丑商戦控え、活鰻供給懸念も!?」
7月に突入、夏の土用丑の日(7月29日)まで残すところ3週間余りとなった。気になる活鰻市況は先月半ばの父の日を前後して、加工品の荷動きが好調だった事から、現在、需給バランスも合い、落ち着いている。
前述した加工品の好調さから、先月半ばよりスーパー・量販店のメーカーに対する追加注文は増加、「メーカー同士で原料活鰻を奪いあっている感じだ」(某加工メーカー筋)といった声も聞かれている。当初、今月10~15日頃までとされていた加工期間も最近では「15~20日までに延びそう」(関係者)と、土用丑前までごたごたしそう。
なお、主要産地の一つである愛知三河では、これまでの“5P余剰感”“相場続落”といった目立った変化はなく、現在4P主体に日に40トン前後の新仔池揚げが続き、相場も横ばい。一方、愛知に次ぐ産地である宮崎での新仔成育が遅れていることで、活鰻マーケットにおいて供給懸念の声が一部、挙がり始めている。
地元関係者は丑に向けた供給面について「当初、各地で新仔、ヒネ仔の細出しが目立った事、宮崎での新仔の伸びが悪い事、加工メーカーの受注残がある事などを要因に、不足感は完全に拭えないのではないか」と述べている。
また、最大産地の鹿児島大隅エリア(※周年養殖エリア[シラスを遅く池入れ、ゆっくり出す])では大手養鰻業者いわく、「今月18日に新仔を初揚げ、数量は5~6トン、サイズは4.5P中心で、丑前にもう一度、池揚げする程度。いずれにしても、まとまり始めるのは9月以降、本格化するのは11月からと見ている。餌の入りが弱く、成育は遅れている感じだ」としている。
丑商戦を控え、まさかの“供給”懸念。はたして杞憂に終わるのか、梅雨明けの時期も含めて動向が注目される。