安倍元首相が「日銀は政府の子会社」だと発言した事に対し、なぜか批判的な報道ばかりが目に付きます。

 

報道されている内容は大枠同じことなので、数ある報道の中から詳細に書かれていると思えた下記の記事を取り上げ、思うことを書いてみます。

安倍晋三元首相が大分市内で開かれた会合で「日銀は政府の子会社だ」とぶち上げ、騒ぎになっている。しかし、今回の騒ぎに一番面食らっているのは安倍氏本人かもしれない。

 

そうだと思います。安倍氏はなにも間違ったことを言っていません。

確かに日銀のホームページには、「日本銀行はわが国唯一の中央銀行です。日本銀行は、日本銀行法によりそのあり方が定められている認可法人であり、政府機関や株式会社ではありません。」と書かれています。

 

財政を拡大していくとき、その財源となる国債の金利が上昇しては困る。財政拡大派から見れば、長期金利をほぼ0%に抑制している日銀の金融緩和政策はぜひとも続けてもらう必要がある。「日銀子会社論」は、政府が財政拡大の財源として国債を増発する場合、日銀は引き続きこれを引き受けてくれよという政治的なメッセージとなり得る。

 

日銀は政府機関ではないので、政府の意向を押し付けられては困るとでも言いたいのでしょうか? 日銀=中央銀行は日本銀行法で独立した機関と定められているのだから、政策は政府ではなく日銀が行うので、それに対して、「子会社」化して、政府の良いようにされるのはおかしい。ということのようで、他の批判的な報道もい同じ様な事を報じています。

 

 現在の新日銀法は1997年に成立した。それまでの旧日銀法は42年成立の戦時立法。「日本銀行ハ国家経済総力ノ適切ナル発揮ヲ図ル為」から始まる法律の中には「日本銀行ハ専ラ国家目的ノ達成ヲ使命トシテ運営セラルベシ」などという露骨な文言も並んでいた。これ以外にも「総裁ら日銀首脳の解任権」や「一般的業務指揮権」などが認められ、中央銀行との関係では圧倒的な政府優位だった。

 この法律の下で太平洋戦争の戦費調達に迫られた政府は日銀に膨大な額の国債を直接引き受けさせて、それが戦後のインフレの一因になったというのが通説だ。また、80年代のバブル形成などは明らかに大蔵省(財務省の前身)などによる圧力があり、低金利が過度に続いたことに原因があるとされる。新日銀法で独立性(法律の文言は「自主性」。法第3条1項「日本銀行の通貨及び金融の調節における自主性は、尊重されなければならない」)が確保された背景にはそういう政策的過ちの反省があるのだ。

 

戦後インフレになったのは、生産物の大半が戦争で消費され、国民には回らなかったこと。戦後すぐには生産性を向上出来ず、物不足だったことが主因であり、日銀が国債を引き受けたことは関係ありません。これが通説だとすることは、インチキ経済学とインチキ経済学者によるマヤカシです。

 

日銀が円建て国債を買い取ったところで、日本は財政破綻しません。それは、過去記事でも取り上げた、西田昌司参議院議員が、国会で日銀と財務省に確認しています。そして、安倍元首相がおっしゃった通り、償還期限が来たら借り換えれば良いだけで、それも同時に西田氏が確認しています。

 

さらにその後再確認もされています。

【拡散希望】財務省の呪縛を断ち切れるか?!鈴木財務大臣が重大発言!(参議院決算委員会質問 令和4年4月11日)

 

お金の仕組みについては、現状どうすることも出来ないので仕方ないとして、ここまで読んでいただいて、不思議というか、違和感というか、何か感じませんか?

 

日本国のお金を発行する機関が、政府機関では無いのです。

しかも、独立機関だから貨幣発行や金融政策に政府は口を出すなと。

 

では、誰が誰の為に金融政策や貨幣発行を行っているのか?

 

本来であれば、このことこそ話題になるべきだと思いますし、国民はなぜその様な事に成っているのかを追求するべきだと思います。

 

ちなみに日銀の株式は日本政府が55%所有し、残り45%は民間が所有しています。アメリカは100%民間銀行なので、それよりはいくらかマシではあると思いますが、なんで、国の金融とお金を民間銀行が担っているの?と思いませんか?

 

誰が=国際金融資本が、誰のために=当然彼らの為に。政策を行っているということです。

 

日本は55%政府が株を持っているので、事実上子会社のようなものです。また、国=政府であるわけですし、日本は民主主義の国です。

 

お金の仕組みについては、絶対におかしいと思っています。

お金は信用創造で作り出され、すなわち借金すると作られ、返済すると消えるんです。銀行は「無」からお金を創出しています。日銀も同じ。

誰かの負債は誰かの資産となります。

だから政府の借金は国民の資産と言えるのです。はまぁ、良いとして。

いや、良くない。けど・・・。

 

政府がそのまま貨幣発行すれば、借金といわれる国債は不要です。現在の仕組みは無駄な利息を発生させ、余計な手間ひま=無駄なことをしているだけです。

 

なぜ、貨幣は借金により作られるのか?

この仕組みがおかしい。

というと、お金自体に価値があるとする商品貨幣ではなく、信用貨幣なのです。と言われるのですが、そうではなくて、お金についてもっと根本的なことを、経済学抜きで、常識的に考えてみて欲しいと思っています。

 

お金は信用創造で作られる。これは事実です。だからお金とはそういうモノ(借用証書)なのです。と経済学者は言います。私はその仕組みがおかしいと思っています。

 

お金に商品価値(モノとしての価値)がなく、信用に基づくことぐらい分かります。

1万円札は、紙代と印刷代合わせても、製造コストは22から25円くらいです。そこに日本銀行=日本という国が1万円の価値を担保しているから、1万円札で1万円相当の商品が買える(取り替えられる)わけです。

 

この動画を見てみてください。

 

ヤップのストーンマネーと西洋人が呼んでいる丸い石はお金では無いといいます。では何なのか? それは絆であり、信用であると言っています。

その石の価値は形や大きさではなく、運搬時の苦労やどの様な人達に渡っていったかという、歴史やストーリーで決まるそうです。

 

現地の人達は現在も丸い石(お金)を使っていますが、もちろんそれは島内のコミュニティ内に限られます。

 

昔は島内だけで経済が完結していたが、現在は外国から様々な輸入品が入って来ており、通常使う通貨は米ドルを使っているそうです。

 

外国との取引もあるので、一概には言えませんが、この動画で取り上げている貨幣の概念は、日本の未来を考える上でとても参考になると思いました。

 

現在はマネー主義です。お金が全てでは無いにしても、お金有りきの世界と言えると思います。このお金主義から脱却することが、必要なのではないかと思います。

 

そうは言ってもお金は便利であり、必要であることは確かだと思います。お金主義からの脱却とは、現在のシステムからの脱却を指します。

 

現在の日本の国力では出来そうにありませんが、ブレトンウッズⅢへの移行はその契機であり、新しいカタチの金融システムが構築される可能性はあるかと思われます。

 

 

過去記事もご覧ください。

お金って何?貨幣発行とは?その事を考えてみました。

世界経済秩序の変革「ブレトンウッズⅢ」に対する反論

ロシアが主導する新しい世界経済秩序について思うこと

食糧やエネルギー(ガス・石油・等々)が新しい金融価値を生む

ロシアへの経済制裁は、国際金融資本の思惑通りかもしれない

ウクライナ問題を契機に金融システムは変わるのか

ウクライナ問題から始まる金融懸念