今回もお金についての話です。正しい貨幣観はなかなか理解し難いので、本を読んだりもしていますが、解説動画を見ることで、より理解が深まりますね。

 

税制改革の解説と共に、税金とはなにか? 税金と財源は別であること。お金とは何かについて、公認会計士で税理士の森井じゅん氏が解説されています。

以下に概要を記します。
問題点は3つ。
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①「デジタル化促進税制」
  研究開発、ソフトウエア、繰越欠損制度拡充

②「国際金融都市に向けた優遇財政」
 海外高度金融人材受け入れ税制

③「中小企業の経営資源の集約化税制」
 M&A促進・・・生産性向上? 足腰を強いくする?
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ソフトウエアの減税の拡充 ※これも経済界からの要望による。

 

*コロナ不況と言われる中。需要が足りていない状況。これでは中小企業のみならず、大企業も設備投資するのか疑問

株主資本主義。コーポレートガバナンス改革の結果、株主の権利がどんどん大きく成った。その株主に配当を廻すために、人件費と設備投資をカットせざるを得ない状況

*研究開発は長期的な視点で見るべきものを、2~3年の視点で見て、なおかつ四半期決算でみて、利益が出ていなければ切れという話になっている。となると非現実的

*研究開発を行うために、諸条件を整えてやるならまだしも、それはやらないで、税制改革だけやるというところに、IT屋さんに儲けてください。ソフトウエア屋さんに儲けてください。という話が来て、それが改革だ!とラベルを貼って出したようにしか見えない。

・改革により、IT特需が起きる。その中で個人のデータを利用していこう、それが大きなビジネスだから使っていこうという政策が見える。

企業、官、民が一緒になって、大企業に儲けさせてあげよう。という方向性
そのスタートアップ。どのようにこの政策が進んで行くか見守る必要がある

*大企業が儲けたとしても、それが従業員に廻れば、彼らが諸費をするから良いが、そっちに廻さない。しかも雇用形態として成果主義とか、ジョブ型雇用と言われる中で使えるお金は減っている。

*視点としては、ハッキリ言えば、株主、投資家、投機家の為の制度改正である。


~消費税廃止が入ってない!~

消費税=付加価値税
・なぜ消費税と呼んでいるか?それは、消費税を導入する際に、いろいろ議論があった。「売上税」とすると事業者が反対するので、最終的に落ち着いたのが、消費に掛かる税という体にすれば、みんな納得するだろうと、「消費税」という名称になった。

消費税は計算上、付加価値に掛かっている税金
体としては、預かった消費税と支払った消費税を精算するというので、消費税と言われているが、実際には付加価値に掛かっている。

付加価値とは、ザックリ言うと人件費と利益。人件費と利益の計に税金が掛かっている。それが消費税。

すると企業はどうするか。付加価値は大きくしたくない。税金が掛かるから
出来る限り人件費を下げたい。利益は上げたい。それは、株主の為にもなる。そして、大きなモチベーションとして、法人税は下げられている中で、消費税は上げているとなれば、とにかく人件費を下げて、利益を上げていくそういう方向で今まで会社は来てしまっている。

・もうひとつ大きなところに、人件費の中には社会保険料が大きく占めている。社会保険料も付加価値税を考えた時に大きくマイナスに成るので、それもどうにか削りたい。としたとき、例えば、社会保険に入らない働き方を従業員にさせるとか。そういった形の雇用形態が変わっていく。さらには、非正規というよりもフリーランスになっていくと。付加価値を邪魔しないものに成って行くので、消費税の節税にも成ってしまう

・このように経済の構造を壊して来てしまったのが、消費税。

・なので、消費税を廃止せずに、他の税制を触るのは、考えられない。日本を良くしようと思うなら、まず消費税を廃止しなければイケナイ。

*消費税は商品に掛かる税なので、上がって行くと消費をしなくなって、需要が縮小していくから、経済が冷え込んでしまう。という視点が強調され、その視点から消費是は廃止するべきとか、税率の見直しとかが中心だが、先の視点は根幹にある部分。

消費税上がれば、買える物が少なくなる。購買力を落とす。それ以上に経済の構造を壊して来てしまった。日本の雇用をダメにして、所得をダメにして来てしまった

・デフレの根幹を痛めつけてきたのが消費税であり、これを変えて行かない限り、良い循環は生まれないし、財政出動しても上手く行かない。

株主優先が進み、四半期会計にも成り、近視眼的に成っていき、今だけ金だけ自分だけ。という形に成って行っている。

*このような話はメディアでは出てこない。

・社会保障の財源は消費税と言うが、もともと社会保障の財源として導入されたわけではない。


問題点②
「国際金融都市に向けた優遇財政」
 海外高度金融人材受け入れ税制

海外から金融人材を引っ張ってきたい思いがあり、ファンドマネージャーの所得に関して、
一定の要件を満たし、認められれば、所得税を金融所得として一律で20%の率で良いのではないかと。それはかなりの優遇と思える。

所得に応じた累進課税ではなく、一律の課税であればかなり変わってくる。
非常に大きな減税となる。

要件はこれから詰めて行くと思われるが、政府、国が国際金融歳へ向いているので、甘くなる可能性はあると思われる。

外国から移住して、10年以上経つと相続税も掛かるように成るが、年数に関わらず、免除
の話もある。

外国人様来てください。の政策と思える。
 

高度金融人材

 

彼らが来てくれれば良くなるのではないかと言うが、外資もベンチャーも沢山きているが、GDPが上がっているかと言えば、上がっていない。実際彼らはGDPには貢献していない

国際金融は、投資家、投機家、自分たちの懐を暖めるためのビジネス活動をしているだけで、国民経済とか、自分たちが活動している国に対する還元は殆どしない。強いて言えば、高級レストランで食事するくらい。

国際金融都市を作って、そこで富裕層がお金を使うからといっても、一部のサービス業にはお金が廻るかもしれないが、イギリスなどで問題になったのは、産業が空洞化していく恐れがあって、製造業より金融の方が儲かれば、そちらに流れる。あとはみんなサービス業に就く。形になってきて、国が自ら需要を満たす力、供給能力が失われてゆく。

産業を育てることは国力に繋がるのに。

イギリスでは、短期主義や外資の国内企業の買収とかに対し過度にオープンにしてしまった結果、モノ作りの現場の株主が外資になってしまい、賃金が下げられてしまう。のと国内向けの、国のためのモノ作りを行う企業がなくなってしまっている


所得の格差が2極化している。金融関連業とサービス業(低賃金)に二極化している。
そこにさらに移民が入って来て、おかしくなっている。

そんな状態だったからブレグジット賛成多数になった。
日本もそんな方向に向かっているので、立ち止まって考えて欲しい。

経済の底上げが最重要。
みんなが使えるお金が増えて、みんなが消費出来る事が大切。

*インバウンド政策=富裕層がお金を落としてくれる。という発想で、進められてきた。
これは物乞いビジネスなので、地域の経済を破壊していく。実際、破壊されてきた。

菅政権はM&Aを進めようとしていた。


問題点③
「中小企業の経営資源の集約化税制」
 M&A促進・・・生産性向上? 足腰を強いくする?

消費税導入前の日本は、中小企業、個人事業主は増えていた。経済も伸びていった時期だった。消費税が導入されたあと、雇用というものが変わっていき、中小に勤めたり、個人でやるよりも大企業に務めるほうが有利な形になっていき、雇用も形態も変わっていった

中小企業が少なくなったり、個人事業主は少なくなっている。その中で経済は衰退してきた。それをM&Aで、中小を統合して、生産性は上がるのか?疑問。

みんなが、それぞれが儲かる事ができて、それぞれがお金を廻していかれる状態が経済成長だと思うし、それが生産性。生産性を何で測るかと言えば、付加価値。

付加価値は消費税の課税対象に成っている。そこを底上げしていかなければ成らないのに、
生産性という、ザックリしたものを求めて、それのツールとして、中小の統合というのは繋がらないと思う。ふわっと、生産性を高めて、利益を出して、そうすれば賃金も上がると言うが、疑問である。

*今、需要は縮小している。そうする物を買わない。買ってもらうために安くする。安くするためにどうするか。といえば、人件費と社会保障費を削る。あとは余計な投資をしない。ことに成ってしまう。

*そういう意味で、経済全体がどんどん収縮している。これを変えるには需要を作るしか無い。そうしないと生産性向上の為の投資とは、物を沢山作って、需要に対応できるようにする。もしくは、質を上げて行きましょうということ。

*それをやるようなインセンティブでは今はない。
 これは中小に限らず、大企業も同じ。

消費税は構造上、中小企業に小さいところに掛かるようになっている。
交渉力が消費税を動かしているから。


・中小がしっかり足腰強くするためには、消費税のような経済を壊すシステムは止める。しっかりお金を廻す。そこからスタートだと思う。だからここで、中小を統合するのは、逆の発想。

中小を統合することは、供給力を小さくすること。それが将来的に良いかと言えば、良いわけがない。

お金が無くて何も出来ない状態を、政府は解決出来るのでして欲しい。


M&Aビジネスを日本で興隆させたい。国際金融都市と同じカテゴリーで、外資系金融の人たちが、M&Aビジネスで儲ける仕組み金融とかM&A専門のコンサル会社とか、そいうところが結局儲けるだけ。しかも、それが短期的に儲かっておしまいなので、これも日本の国民経済にはメリットを与えない

・そこで雇用が生まれるとかいうが、実際雇用しようと思ったら、低賃金で人を雇いたいし、そのために移民というものいを、移民とは認めて無いけど、いろんなかたちで外国人の方を受け入れてきて、今後もそれを広げようとしている。ので、国民不在の税制になってきている

M&Aで付加価値を上げるためには、どうするか、人件費削減。そにためには移民を使う。という、邪悪な発想で進められている。

財政改革大綱


       
税金とは

税金は税源ではない。

財源がないから、いろいろ出来ないという理由付けになっている。

税金(税収)と財源は分けて考える。実際に分かれているもの。
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家計のお財布と国の財政は全く違う。
 ・政府は収入の前に支出している
 ・使うためにお金を集めてくるわけではない

 ※税収は単なる結果⇛税は「政策調整」の手段
     3原則:公平・中立・簡素
 ※財源は供給能力
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国は通貨を発行できる。家庭はもちろん出来ない。
    ↓
税収が無いと何かが出来ない理由はない。


税収は単なる結果。みんなにお金が廻り過ぎたり、あるところにお金が貯まり過ぎたら、それを吸収する形で、お金の量を調節したり、それはインフレの調整だったりする。

税金として回収したり、政府が支出したりすることで、お金は流れる。お金を流すシステムとして、税金であったり、財政支出がある。

たばことか、アルコールとか、公害になるものだったり、そういうものを抑制したり、政策的にも少しグリーンに持っていこうとか。ある程度方向付けが出来る。調整の手段。

だから、税収を得るために何かするのでは無い。政策調整の結果、税収がこれだけありました。以上これだけ。

予算の方は、予算を立てます。それを執行します。以上これだけ。

だから、財源が集まらない、だから消費税を上げなくちゃではない。その思考は間違っている。

*予算と税収は別であるということ。

財源として何かを持ってくるのではなく、予算は執行できます。


財源とはなにか。

財源はいくらでも国債も発行出来るし、いくらでも予算を立てられる。お金も使えるじゃないか。じゃぁ、財源は無限なの?となるけど、それは違う。

財源は日本の供給能力である。

お金はいくらでも発行出来る。肩たたき券とか整理券のような物。

肩たたき券で例えると、肩たたきたい人が沢山居る。方を叩かれたい人も沢山居る。
その中で肩たたき券が足りないから、もっと増やしたほうが良いということ。

整理券で例えると、品物は沢山ある。でも整理券が足りない。欲しい人も沢山居る。ではm整理券を何枚発行できるかと言えば、品物の数だけ発行出来る。
整理券の数=提供出来る品物数。発行しすぎてはイケナイ。

でも、今、私達が恐れなければイケナイのは、この整理券が足りないことで、その整理券が使われなく成ること。それがどんどん供給量がなくなっていくと、それに応じてお金が発行出来なくなる

お金はただの媒体であって、お金そのものに価値がある訳ではなくて、その裏の供給能力
その製品とかモノ、サービスが非常に重要。

私達が生産するのも、モノとかサービス。労働力。私達が消費するのも、モノやサービス。その間にあるのがお金。なので、お金だけに囚われていると、何も見えなく成ってしまう。

それが、民営化や私物化に繋がってきている面もある。

お金とは何か?を考えなければイケナイ。


信用創造

銀行の預金=銀行の負債
A氏が銀行に100万円借りました。通帳に100万円と書かれる(預金)。
                   ↓ 
               銀行にとって預金は負債

  ※貸し出す時にお金が発生している。

 *日本銀行の貸借対照表でも、日本銀行券の発行は負債になっている。

貸すことでお金が発生するということは、いろんなところで言われていて、例えば、イングランド銀行も、もともとはお金が有ったわけだはなくて、貸すことによってお金が発生している。日本の全国銀行協会のなかでも、わが国の銀行の中でも、銀行がお金を貸す時に、現金を渡すのでは無くて、預金残高に入金する記帳をする

お金を産み出す仕組みというのは、銀行がお金を貸す。誰かがお金を借りる。という事。

銀行は預金されたお金を借している訳では無い。簿記としても違うし、オペレーションとして、実際の形としても違う。銀行は100万円貸す時に100万円無くても、記帳すれば良いだけなので貸せる。日銀の口座に準備金は必要だが、金額に比べたら些細なもの。

お金は貸したり借りたりしないと増えない。

*では、何で銀行は預金を集めたり、口座をつくるとその営業マンの点数になるのか。

例えば誰かが引き出したい時に、預金の需要はある。そういった時に対応するためとか、日々の業務。貸し出したり、銀行同士でやり取りもする。そのとき自分のところで持っている事が大事。日々のオペレーションのニーズのための側面がとても大きい。

*日常的に、手銭を持っていないとイザというとき困るので、集めているだけであって、基本的に銀行は、集めた預金で借している訳ではない。同じことが国の財政にも言える。


銀行が信用創造出来ることは、経済を支えている。だから、地方に銀行が有るということは、とても大事なこと。

地銀を再編しろと言われているが、これは地方の経済にとっては大ダメージになる。
大きくすれば良いという訳ではない。



税に関する考え方貨幣観通貨観いろんなモノが間違っていて、それが、永田町、霞が関、メディアの世界で罷り通っている。これは極めて深刻な状況だと思える。

・お金をどうやって廻そうか考えたとき、財源有りきで考えてしまうから、話が進まない。


まとめ

地方銀行も普通の銀行も、日銀も同じようにお金を作っている。
銀行に制約は無いのかというと、そうではない。
銀行は返済能力を調査してお金を貸す。

国にとっての制約は、供給する能力。
日本がしっかりモノを作って、中で廻して行かれるかが制約であって。財源がどうこうと言う訳ではない。
だから私達が、モノであったり、サービスに重きを置かなければイケナイ。
お金という媒体だけに執着して、その先が見えない事は無いようにしないとイケナイ。

*先のイギリスの例では、まさに物作りの現場がイギリスから無くなってしまったことでおかしくなった。というまさにその話です。

*ハイパーインフレは滅多に起きないが、起きたときはどの様な時に起きたかというと。戦争で国内の供給能力が著しく毀損されてしまったりだとか、内戦でも同様。
あとは、そもそも土地柄その中でいろんなモノが作れないので、外からの輸入に頼らざるを得ない時に、外債を発行して、外貨でそのモノを買っていた。とかそういう時だけ。

財政破綻論が蔓延していて、そこから思考停止に成っていることが大きいと思うので、間違った認識を直さなければイケナ

 

 

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