税制について、私達はどこまで理解しているでしょうか。私はまったく理解していませんでした。税制に関しても違和感を感じてはいたのですが、具体的に制度を学んでみると違和感どころか、ここにも世界の構造が見えて来ました。

この動画を見て頂けたらと思います。

この動画はふるさと納税を全否定するものでは有りませんし、現在ふるさと納税をしている人を非難するものでもありません。制度としてのおかしさを指摘し、あり方を考えて頂きたいという趣旨との事です。

 

動画の概要をざっくり書いてみます。

まず初めに。ふるさと納税は税金ではなく寄付金です。
寄付に対する税金の控除ということで、特例控除対象寄付金という名称だそうです。

始まりは菅義偉(当時の総務大臣)がH19年にふるさと納税研究会をつくり制度化した。この時広島局長が地方税のあり方を歪めてしまうということで反対したが、菅氏により更迭された。

ふるさと納税に関する現況調査結果

 

ふるさと納税の額は右肩上がり。2020年には6000億円に達する勢い。

 

しかし、ふるさと納税するということは、自分の住んでいる自治体に収める地方税が他の自治体に寄付という形で振り返られるという事。どこかが増えれば、どこかは減ります。
東京23区にしても、インフラ整備など地方税は必要だし、国や都との共同事業が多く、単独では出来ない事も多い。そこで税収が減ってしまうのは辛い。
なので、大都市、東京23区などからは反対されている。

 

税収を確保するために、企画を考え地方と戦って行く構図はおかしいと思う。
そもそも、税金は取り合うものではない。補助金を確保するために頑張るには良いとしても、他から奪ってこようというのはおかしい
 

寄付と言っても、返礼品とかポータルサイトに払う費用などの経費を差し引くと、実際の額は半分程度になってしまう。ある意味、一番得をする(儲かる)のはプラットフォーマーのような「ふるさと納税ビジネス」をしている人

 

効率的なことが良しとされる政府なのに、何故かこんな非効率的なことをしている。それは、一部ビジネスに貢献している面もある。
 

税収が減ってしまった自治体は苦しい。
寄付を受けたた自治体も実際はかなりコストが掛かっている。
住んでいる住民は、住民サービスの低下が起きる。

確実に儲かっているのは、「ふるさと納税ビジネス」だけ。
いったい誰のための仕組みなのか、考えたほうが良い。

 

その地方が、話題になったり、有名になったりすると、マスコミなどにより、それが評価されるから、首長さんなども、そっちへ引っ張られてしまう。その影には本来の業務が疎かにされている可能性が有ることを忘れてはならない。

 

23区でもふるさと納税により、失っている額がすごく大きいので、議会などで責められている。そうなると区でも企画をして外に出ていかない事を考えようとするが、それは本来の行政の仕事ではない
本来の行政の仕事は採算が採れなくても、住民が必要なものは提供していく、それが行政のサービスのはず。
悪い方向に向かっているように思われる。
 

公務員にビジネス感覚は必要だろうか? 
行政は利益を得るための団体ではないし、有るべきではない。
 

ふるさと納税が出来てから、如何にそれで(または税で)儲けるかという発想になってしまい、マーケティングとか企画とか、どいうやって人を呼ぶかの話になって、何をやっているのか分からなく成っている

 

地方交付税があるから、国は予算を手当できるのに、限られたパイの中で奪い合いをさせている。それを上から高みの見物してるだけ。これは如何なものかと。

根本は地方交付税交付金を減らしてきた。緊縮財政だったから今のような状況になっている。その根本的なところには言及せず、それを改めようともしていない。さらには、奪い合いを煽っている

水道のコンセッションもそうだが、国が地方の政策費を減らして来たことが問題
それの解決方法として、なぜ奪い合いをさせるのか。減らしてきたことが間違いだったなら、それを改善するためには増やすことのハズ
 

実際のフロー(動画から転載)

10万円ふるさと納税したとして、ポータルサイトの手数料や広告宣伝費、返礼品などの費用が掛かる。

トータルマネジメント必要=コンサルタント大活躍。

行政の中にも担当部署が出来、人材が割り当てられ。それらは本来の行政の仕事とは違うもの。そんなところに注力させられ、行政が歪められていく。
 

(動画から転載)

10万円寄付された自治体の取り分は実質40,000円

ポータルサイト、広告代理店、コンサルは、そのまま売上となる。

返礼品を採用してもらった業者は良いけど、地域の中で採用されなかった業者と差が出る。
業者を選択することは、癒着、仲介、などのも問題も生じる。


これなら補助金のほうが良いのではないか。

寄付の集まる自治体とそうでない自治体とで差ができる。

国がやらずに寄付に頼る政策の問題
 

各地域の特産品を知り、知らなかった地域をしることによる。都会と地方を結ぶキッカケになっていることは良いことだと思うが、その方法としては如何か

 

寄付は良いイメージ。
地方活性化も良いイメージ。
良いところだけ見ると良いイメージ。

 

地域の良さを上げるには、人を呼ぶには。
利便性を上げることが重要。
インフラの整備。

 

ふるさと納税も目の前しか見ていない。根本的な解決ではない。
なぜなら、ふるさと納税でインフラ整備は出来ない。

もっと長期的な視点でみなければイケナイ。
 

発想の根本にあるのは、税は財源であるという誤解。
税収と予算は別物であることを分かっていないとい事。

だから緊縮の発想になってしまっている。

 

※税は財源ではない。今回の動画配信元の「新」経世済民新聞 三橋貴明 公式チャンネル室伏謙一『霞が関リークス』公式チャンネルに解説動画があります。

 

地方はもっと国からお金を出させる努力をすべき。
国としても国がやるべきことをもっと考えるべき。
 

税と寄付は分けるべきで、一緒にしないほうが良い。税は世の中からお金を消すためのもの。それが何かをすることにより、お得になるのはなにかおかしい。お得と税金は切り離さないとイケナイ
 

※ここからがもっとも理解しないとイケナイ事とかと思います。

住民による自治が成り立っているハズ。それは公のお金で住民サービスをしているから。

国がやるべきことを、お金を持っている人の寄付で行うとなるとなにが問題か。

資本家がお金を出して自治をしていく、それは自治ではなく統治になる。

寄付をするのは良いと思う。みんなで助け合うことも良いこと。それは、国が責任を果たしていることが前提。

寄付で賄われているからと、それに任せて国は見ているだけの状況だと、それは資本家の統治になってしまう。寄付に頼る社会は一瞬美しく見えるが、それは国が責任を果たしてからの話

寄付有りきというのは、国が弱いからそうなってしまうもので、目指すものではない。
それを国が促すのは、国の責任放棄。国の基盤を無くすもの

アメリカでも、寄付をする資本家が発言力を持ち過ぎている。というのは現実としてある。それは日本でも、資本家がお金を持っている人が、力を発言権を持つ時代がすぐそこにあります。

資本家が統治すると何がイケナイか。
資本家が統治をすると格差が開いていったり、一部の人達が特権階級で、という世界に成っていってしまう。

本来税制というのは、そのような片寄りがあると資本家が力を持ち過ぎてしまうから、そこから力を奪うための役割もある。

今の選挙制度では、なかなか影響しにくい。選挙制度だったり、議員さんを育てて議会へ送り、政治を変えていく、私達の政治をしてもらう形があって、それを良い方向に進めなければイケナイのにそういう方向にはいっていません。

資本家は誰に寄付するかと言えば、自分たちの言うことを聞いてくれる人資本家に媚びていかなければイケナくなってしまう。かもしれない。お金を出してくれる人の顔色を見るようになる。ということを考えて欲しい。

 

以下は私の感想です。

いかがでしょうか。小さな政府。お金ありき。支配者がその他を支配する構造。世界の構造そのままでは無いでしょうか。

グローバリズム=新自由主義化が進めば進むほど、全てに於いてこの様な構図になって行ってしまいます。岸田総理は新自由主義からの転換を挙げています。ふるさと納税に限らず、おかしな政策は改善されるべきですので、今度の選挙後はどんな形の政府であっても、政策は注目したいと思います。

私達一人一人の認識が日本を変えると思います。

 

 

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