海物語 令和に死す | 結絵無絶徒の渡世日記

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今日はいつものパチンコ収支報告ではない。
また真面目な話をしよう。

 

私が予言したとおり、いやこの程度の予想などド素人でもできたことだろうが本年4月導入の「Pスーパー海物語JAPAN2」は見事なまでに惨状を呈した。
その理由はもはや説明の必要もあるまい。

 

「15R(16R)なくして海は生きられない」

 

これは当の三洋自身が一番よく知っているだろう。だからある程度の不振は覚悟していたと思われる。
それは「沖縄」「大海」といったものを選ばず「JAPAN」などというモチーフの時点で半分は失敗するものを敢えて採用していることが、その証拠と言えるだろう。
とはいえ「せいぜいカリブと同程度だろう」「伝統の左右対称ゲージ+ミドルタイプ+ループ確変+最低1箱(劣化版だが)は踏襲しているからカリブほどの惨状にはならん」と甘く見積もっていたに違いない。
そうだ、これまで本家の海物語で他社の粗製乱造のような機種と同等の惨状を呈した最悪の海といえば「CR海物語3R」「CRスーパー海物語(ハワイ)」の復刻版と新規則での「当て馬」である「P沖海2」ぐらいだ。新顔ではカリブが最低クラスだった。
2015年末の前作が海としては今一つな結果に終った冴えないものの続編とはいえ一応は本家海物語の新顔なので、まあそんな程度と甘っちょろく予測したのも頷ける。

 

さて次の当て馬は「ドラム海物語沖縄桜バージョン」だ。
てっきり次は「カリブ」や「地中海」あたりを半年から1年後に出すものと思ったが、意外にも早い時期に出したものだ。
液晶の海は出したばかりだから、またすぐ出しては迷走を晒すようなものだから、こんなものを出すのはまあ無難な選択だろう。
いくら本家ではないとはいえ今までを考えれば新顔を出すのは半年でも早すぎだが、今は新規則に於ける海の王道型を探るため多くの「当て馬」が必要な時期だから多少頻度が増すのだ。
恐らく半年ほどは温存する予定だったのだろうが、JAPAN2が予想以上の惨状を呈したこともあって前倒したのだろう。
しかし、いずれにせよこれまた「失敗が許されるもの」を出してきたことには違いない。
そうだ「沖縄桜バージョン」は失敗が許されないが「ドラム」ならば失敗が許されるのだ。
そしてその通り、それ以上の惨状を呈した。

 

最初のドラム海物語(2017)は「市場の看板機種である海物語がドラムという形で出てくる」そんなただの物珍しさが偶然興味をそそっただけというラッキーな突発事故にすぎないのだ。
それが証拠に、以後ドラム海BLACKなどが出てきたがいずれも大スカに終っている。
当り前だ。最初ただの物珍しさだけで動いたならば、それが2つ目、3つ目ともなれば、もはやそれもないのだから。
いくら「65%規制撤廃で誰もが求めた高継続スペック」になったとはいえ焼け石に水だろう。そもそも高継続ならば他にいくらでも出ている。わざわざ魅力ゼロのドラム機に縋る必要などかけらほどもない。
「桜バージョン」という1つの花形ができたこともあって、それに縋ったのだろうが所詮それも15R(16R)あってのものだったのだ。

 

そして、この沖海桜のドラムでまた1つ海物語の未来が見えた。この台は右打ち仕様になっているのだ。
もはや旧来通りのスタイルではやっていけないことを認めた何よりの証だ。
思えば2000年頃は海のみならず「セブン機」は大体「左右対称」のゲージだった。
それがやがて「右側つぶし」が主流となり、そして「特賞右打ち仕様」となった。
そんな中、海物語はあくまでも「左打ち」「左右対称ゲージ」を貫いた。「ハイパー海カリブ」や「プレミアム海物語」のように「右側つぶし」も一部取り入れてきたが、それらはいずれもスカだった。
右打ちと言えば「海物語アクア(2014)」ぐらいだが、これもスカに終った。それを引き継いだ「アクア吉木」も多少はマシだったとはいえ甘海の歴史の中ではスカに近い。

 

もはや言うまでもないが今度の「Pスーパー海物語JAPAN2」の甘デジも見るも無惨な姿を晒すことだろう。

「太鼓の達人」とのコラボなんぞ屁の役にも立たんのだ。いや、それこそ前作が海物語の世界観もロクに考えず全くマッチしない「桃鉄」を安直にくっつけたのと同じで、自分で自分の首を絞める結果になるだろう。

つまり同じ過ちをみすみす繰返したという結果になるだろう。

そうだ「JAPAN」となら「桃鉄」ならば合うかもしれないが、そもそも「海物語」に「JAPAN」を安直にくっつけた時点で既にそれは松阪牛のビーフステーキにイチゴジャムやメープルシロップをかけているようなものなのだ。

 

これで海物語の未来は読めた。
そうだ、ミドルタイプならばメインの「大当りが15(16)ラウンドでなければ」甘タイプならば「15(16)ラウンドを搭載していなければ」所詮見向きもされないのが海物語なのだ。まあ、そんなことは三洋自身が百も承知だ。
よって新規則での海物語は「サブラウンド機」になるだろう。
或いは海物語は今のスタイルを貫きつつ「ギンパラ」を「サブラウンド機」として、以降三洋の主力看板機となり、海物語がそのスピンオフのような位置付けになるだろう。

 

こうなることはもはや改めて説明の必要もないだろうが、流れとしては

① 規則改正でラウンドは全てゴミとなる。
② 市場はそんなゴミなんぞに用はない。メーカーもホールも4号機末期のようにギリギリまで旧規則機(CR)にしがみつこうとする。
③ メーカー側の条件「新規則拡大のために確変65%撤廃させろ」と要求。
④ 警察庁もシブシブその要求を飲まざるを得ない。飲まなければパチスロ5号機初期と同様に旧規則にばかりしがみつき一向に新規則機が普及しない。
⑤ 15(16)ラウンドがない以上ラウンドはゴミにならざるを得ないため、ガンガン継続率一本に特化。
⑥ 15(16)ラウンドが必須ではない他の機種は継続率で盛り上がり、15(16)ラウンドあってこその海物語だけが何の魅力もないゴミに成り下がる。
⑦ 高継続の応用版であり、同時にバカなラウンドしかできない欠点を克服した「サブラウンド機」が登場する。
⑧ 「サブラウンド機」の使い勝手の良さに気付き王道な形として爆発的に普及。海物語は更に落ちぶれて魅力ゼロの屁のカッパとなる。

 

⑨A 海物語が「サブラウンド機」という変則スペックになる。
⑨B 海物語が地に堕ちて導入数が激減しバラエティの1台扱いとなり「サブラウンド機」ばかりになる。

※⑨はAかBのどちらかになる

 

さて④までは既に終ったこと。
今⑤が現実のものとなった。
そして⑥が現実になりつつある。
だが、現在次々と出てくる高継続のセブン機は未だ大した活躍は見せていない。
そんなわけで、行き着く先は「パチンコの主流はサブラウンド機になる」ということになるのだ。

 

あの時、私の言ったとおり、警察庁もまったく浅はかな考えで規則改正をしたもんだとつくづく思う。
言うまでもなく、警察庁の理想とするスペックは「海物語のような大人しい機種で、しかも1回の出玉も抑えた劣化版」であるはずなのだが、その「1回の出玉を抑える」やり方を最大ラウンド数を16から10に下げるという安直な方法を取ったのだ。
これは間違いなく「同じ出玉ならば15(16)ラウンドの方が人気が高い」という当時の市場の上っ面だけを見て決めたことだろう。

 

改めて言おう。
警察庁は海物語のような「大当り=1箱(しかも劣化版)+突確」のような機種をスタンダードとして根付かせたいならば、ラウンドの最大を元通り16(或いは15)にするべきだ。
2000発だとか2400発を封じたいならば「アタッカー賞球×カウント数×ラウンド数≦1500」という条件は付けることで簡単に封じられるのだから、10ラウンドなんぞに縛る意味などないだろう。
だが警察庁たるや「人気あるものを片っ端から潰す」という安直なモグラ叩きじみた思考しかできない石頭だ。このことに気付くには数年を要することは間違いなかろう。

 

最後に、事態は私の予想よりもはるかに深刻だったようだ。
そうだ15(16)ラウンドのできない時代では海物語は生き残れまい。警察にしてみれば「一番生かしたい海物語だけが殺される」という皮肉な結果になると予想した。
これは当然の如く的中した。見ての通りだ。

 

だが15(16)ラウンドを失ったことで嘗ての栄華を失い、哀れな姿に変わり果てるのは海だけでなく、どうやら牙狼も北斗も同じということがよくわかった。
そうだ最新の牙狼に早くも翳りが見え始めたのだ。
考えてみれば無理もないことだ。セブン機とならざるを得なかった牙狼は2009~2011年の3年間苦しんで、そして見つけた王道の型は「魔戒戦騎鋼」で開眼した「2000発(初当りでも1箱以上)+高継続」なのだ。
ジジババばかりに占められた海と違って対象の年齢層が若いとはいえ、どうやらこれもまた2000発あっての牙狼だったようだ。
今までを振り返れば鋼以降の牙狼は本家のマックススペック以外まるでダメだった。本家の兄弟機たる牙狼FINAL(「FINAL」は結果的に大嘘だが)の199や金色の甘(ザルバ)はことごとく惨状を呈した。
一方で外伝ながら本家の牙狼と同じ特徴を持ったガロゼロ(マックス)はまずまず健闘したのだ。

 

そして思い返せば北斗の拳も「2400発を搭載したバトルスペック」だからこそだったとも言える。
ただ、こちらは甘系もそこそこ稼動し、2011年の「百裂ケンシロウ」等もいい結果を残した。
しかし北斗の拳のメインであるマックス(1/399や現行の1/319)は2400発でなければならないようだ。
思い出せば昨年、小当りRUSHタイプの「百裂乱舞」というのが登場したものの、北斗ながらあの無残な結果は記憶に新しいだろう。
あれはもはや保通試験を一発で通さなければならない状況に追い込まれているからこそ、とことん安全パイなスペックに設計されたのだ。
そのためには「2400発搭載」を捨てて最低限、いや本来ならば下限妥協レベルすら大きく劣る「16R搭載」と「北斗で小当りRUSH」のみを維持するだけがやっとだったのだ。
結果としては、案の定だった。
つまり、海のみならず北斗や牙狼でさえ同じ運命を辿る。

 

もはやエヴァは地に堕ち、北斗も牙狼もそして海物語さえも地に堕ちる。
すなわち世代交代が起きようとしているのだ。新時代を牽引するまさに風雲児たる存在は間もなく現れる。
それこそが「サブラウンド機」なのだ。

 

上述の通り、警察庁が本来一番生かしたい海物語を復活させるためにラウンドの規則を緩和することも考えられる。しかし、それも上述の通り数年は先の話だ。
メーカー開発もプロなのだから、それだけ長い間に「サブラウンド機」を開眼できないはずはないのだ。
数年後15R(16R)が復活し、海物語が息を吹き返すことも考えられる。だが、それには時間がかかると考えられ、その間に「サブラウンド機」は大成し海物語を双璧をなす存在となることは間違いない。

 

令和となって間もなく5ヶ月。
つまり、私が令和新時代を予言してから5ヶ月。
残念ながら新たに登場した「高継続のセブン機」は予想よりはるかに苦戦している。
それもそのはずだ。いくら解禁されたとはいえ、旧来機との差別化が図れて持ち味を発揮できるのは90%以上のみなのだ。
然るに復活した高継続セブン機はどいつもこいつも80%台ばかりだ。その程度ならば65%に縛られた時期でも「CRシンフォギア」「CRドラム麻雀物語」「CR戦国恋姫」といった混合機で実現できていたのだ。
決定的な差別化になる90%超クラスの高継続となると少なすぎるせいもあるだろうが、それだけに私はこう思う。
これでメーカーは「単に高継続なだけではダメなのかも知れない」という考え方をするようになる。
そうなると尚の事、行き着く先は「サブラウンド」になるのだ。
そうだ間違いなく「サブラウンド以外、新規則でのパチンコ黄金時代への道を切り拓けるものはない」と今ここに断言する。

 

恐らく今は私の予言を大多数がバカにするだろうが見ているがいい。
そして、その時が来たら私を見直せだとか尊敬しろだとかケチなことは言わん。
たっぷりと「サブラウンド」を楽しむがいい。

 

しかし不安もある。

もはや説明の必要もないだろうが警察庁は「とりあえず人気のあるものを潰す」というモグラ叩きのような短絡的思考しかできない石頭だ。
それによって「サブラウンド」を禁止するような規則に改正したり、内規を作るよう命令を下すことは言うまでもない。
いつか禁止されるのは仕方のないことだが、いつかの「超速ギガマックス」こと初代牙狼のようにアッという間に禁止されることだけはあってくれるなと願おう。

 

         - 完 -