春の星座かんむり座には、T星という約80年ごとに爆発して2等級までに明るくなる変光星があります。
そのかんむり座T星の爆発が、2024年頃、そろそろだと予想されているのです。
そんなわけで、今はどうなんだ、そもそもかんむり座T星はどこにあるのか、というのをチェックしていました。
こちらが、かんむり座の全体です。T星は、ε星の近くにあります。
T星は、普段は10等星なので、なかなか写る条件も厳しくて。
このカメラの設定&空の様子(相模原市、満月の翌晩、なんか湿気っぽい)では写っていません。
かんむり座自体は、一度形を覚えると、わかりやすいんじゃないかな、と思います。素直にかんむりの形をしているというかw
一番明るいアルフェッカ以外は少々暗めですが、視点を動かさなくても視界に収まるくらい、小さくてかわいらしい星座です。
見つかるとうれしい。
ε星めがけてズームして撮ってみました。
そうしたら、何とか、この日のかんむり座T星が写りました! まだまだ暗かったです。
暗いうちの様子も収めておきたいときの、場所のヒントになれば幸いです。
今回の写真は西南西に来たときという、ちょっと遅めの時間帯なので、適宜脳内で回してみてください。
この写真のように見える時刻は、約半月後なら約一時間前です。
そして、かんむり座が空全体のどこにあるかと言いますと。
5~6月なら日が沈む前くらいに昇ってきて、20時ごろには東のわりと見やすい高さまできます。
うしかい座の隣でして、うしかい座の赤い1等星アークトゥルスがとても分かりやすいので、そこを目印にするのが良いです。
で…うちは東の空は山や屋根で見えないので、南に来たときを載せます。
南中すると、天頂に近いくらい高く昇るので、結構見るのに首が痛いw
これより早い東にいる頃だと、かんむりのカーブ部分が右側を向きます。
(というか、この写真アークトゥルスが載ってない…おおう…次の写真にいます)
アークトゥルスとの位置関係は、こんな感じで。
こちらは西南西に来たときの見え方です。西側に来ると、かんむりのカーブ部分が左側になります。
まだこの頃も、かんむり座はうちからだと高度70~80度くらいの高い位置にいます。
この写真を撮った日は満月の翌晩で明るくて、ちょっと写りが悪いんですが、逆に言うとそんな中でも目安にしやすい星たちです。
(数字は等級です)
アークトゥルスだけだと目安にするにはちょっと離れているので、アークトゥルス→イザール→アルフェッカと探すのがいいかも。
ただ経験上、白っぽいアルフェッカのほうがイザールより先に見つかるかな。
イザールもアルフェッカも2等星なので、どちらも見えないと、かんむり座も爆発した新星も結局見えないことになっちゃいますしね。
さて、このかんむり座T星、広域写真で写っているものがないかと過去写真を掘っていたら、ありました!
(ちょっとブレてて写りがいまいちですが)
自宅からの写真には全く写っていなくて、静岡県南伊豆町で撮ったものに写っておりました。
アップにしてトリミングすると、こんな感じで。
ちなみにこの写真の全体は、こうです。
上の写真のピンクの枠は、こんなにキュッとつまった範囲なのです。
かんむり座T星が爆発したら、かんむりに宝石が追加されたように見えるかもしれませんね
今回の記事を書くにあたって、かんむり座T星の位置確認には、こちらを参考にさせていただきました。ありがとうございます。
(こちら2か所の鮮明な星空写真と、自分の限界写真を何度も見比べておりました)
月刊天文ガイド2024年6月号(雑誌)
ライフパーク倉敷科学センター かんむり座T星の観測ガイド
この記事、「書いている間に爆発したらどうしよう」と思いながら書いておりましたが、たぶんまだ爆発してないはず…
今現在の様子も、上のライフパーク倉敷科学センター様のサイトで見られます。
Web記事だと、今の段階ではこちらが最新でしょうか。
かんむり座T星のような星は、再帰新星と呼ばれています。用語として詳しくはこちらをどうぞ。
予想されている新星爆発がこのタイミングで来るなんて、やっぱり星空から目が離せない、楽しみ!
とか言いつつなんだかまた曇り空が多くてドキドキですが…
ほんと星関係は一生に一度(かもしれない)が多すぎるんだよな、行けるところまで行きたい!
ぜひぜひ、チェックしてみてください~
アップした1時間後くらいに追記
この記事を書いているときは雨~曇りだったんですが、書き終えたら雨がやんでて、とてもきれいな星空が!
かんむり座もバッチリ見えていて、きれいでした! なおいつものかんむり座でした。
雨上がりの空は良いですね~ 写真も撮ったので、またあとで確認してまとめられたらいいな。
追記ここまで
天体観測や星空の話題を、同人誌にもまとめています。こちらもよろしくね!
どうでもいい雑談
雑誌は天文ガイド派なんだけど、Web記事は星ナビのほうに圧倒的に軍配が上がるんだよなあ…