ひとりぽっちの妖怪暮らし20240421春の不安 | ソラトスレスレノウミ

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朝は起きるとひんやりしてるから、
トレーナーとか着るけど、
昼になると20°C以上になって暑くなる。
 
着替えて部屋を出ると、
不安な春が覗いていた。
 

 
1階に下りてリビングに入ろうとすると、
玄関で、おみくじネコが私に会釈をして
帰っていくところだった。
 
忘れていたけど、そもそも元興寺と輪入道は、
「ペットシッター(有)百鬼夜行」の従業員なのだが、
ウチに入り浸ってしまっている。
 
そしておみくじネコの伯母が
そのペットシッターを経営しているのだという。
 
「なに?なに言われたの?」
 
私は元興寺と輪入道が並んで立っている間に
割り込んだ。
 
元興寺が輪入道に見せていた紙を覗き込む。
 
そこには細い毛筆のつながり文字が書かれていた。
 
一つ、人前に出せる料理が作れるようになること。
一つ、家の中をいつもきれいにしておくこと。
一つ、外国語を勉強しておくこと。
一つ、ファイナンシャルプランナーの勉強をすること。
 
「げーなにこれ?がごぜとわにゅがやるの?
大変だね!」
 
私は抱えていたこころんを絨毯におろして、
冷蔵庫からトマトとレタスと卵を取り出して、
パンを焼き、朝食を作り始めた。
 
フライパンを手にしたとき、
ふと振り返り2人を見ると、
 
 
2人とも私を指さしていた。
 
え?私?
 
やるわけないじゃんばかじゃないの。
 
 
私が表情でそう返すと、
元興寺と輪入道はさきほどの窓辺と
同じような不安な表情をしていた。
 
あの窓辺は、元興寺と輪入道の
不安な気持ちを吸い取っていたんだな。
 
てかなんで私がやるんだよ。
留学生をこの家に迎えるわけでもないんだし。