こころん(トイプー)18歳を過ぎて、みんなから日々応援を受けている。
まだ歩けるのだが、転倒する回数も増えた。
こころんが転ぶたびに、輪入道がぐるんぐるん車輪を回し、起こしに駆け寄るのだが、
自分で起き上がろうと、もがき、足の皮膚が擦れて出血してしまう場合もある。
体重が既に1.2kgを切っている。
皮膚の下はすぐ骨、というガリガリの状態だ。
日差しが強くなったGWの日の午後、こころんのセーターを脱がせると、
ぬらり、百々爺、朱の盤などが集まり、妖怪たちの作戦会議が始まった。
元興寺が立ち上がり、「車椅子を作るえー!よ?」と勢い込んだので、
私は言われるがままに、キャン★ドゥで作り棚の部品と車輪を買ってきた。
一生懸命こころんの身体に合わせて、手作り車椅子を作ったのだが…
なにしろこころんがちびっ子過ぎるので、安定しない。
「やっぱ無理があるよな」
私が元興寺たちに聞こえないように石妖に小声で囁くと、
彼女も小さく溜め息を吐いた。
そこに「アラヨ」とカワソが廊下からテケテケとリビングに入ってきた。
両手に丸めた大きなシートを抱えている。
背中に背負っていた、これまた大きなリュックを置き、
中からぬいぐるみをいくつも取り出した。
ぬいぐるみはウサさん、、キーウィ、おうどんの中身、
ラーメン(小)、エビフライ、クロワッサン、
ステゴサウルス、パインちゃん、キリン丸の9つ。
いつの間にかリビングにいた一つ目小僧と一緒に、柵を作り、
その中にぬいぐるみと、ソファに置いてあるクッション6つを勝手に柵の中に並べていく。
一つ目小僧は相変わらず仏頂面をして、ふてぶてしい。
すぐにこころんの部屋が出来上がった。
敷いてあるシートはクッション製で柔らかく、
これなら転倒してもがいても、皮膚を傷つけない。
ぬいぐるみやクッションのおかげで、転んでも自分でなんとか起き上がっているので、
少しの間なら目を離すこともできる。
18歳になってからは、2,3歩歩くと転倒していたので、みんなでヒヤヒヤしていたのだ。
「これ、いいんじゃない?サンキューみんな
」
私は柵を囲んでこころんを眺めている異形の奴らに、
お礼を言った。
私の声が合図だったかのように、カワソがリュックの中から
日本酒の入った小瓶を何本か取り出した。
あのリュック、どんだけモノが入ってるんだ。
青い猫が持ってるポケットみたいだな。
私は酒のあてでも作ってやろうと、キッチンに向かった。
小松菜を茹で、すり鉢に絹ごし豆腐と醤油、砂糖を入れてすりこぎで混ぜ始めた。



