ソラトスレスレノウミ -2ページ目

ソラトスレスレノウミ

だいたい0時前に更新、かな?

FPの勉強をしていたら、こころんが呼びにきた。
 
 
「がごちゃんとあずちゃんが、ケンカちてる」
 
一度パソコンから離れたら、
今日は二度と勉強に戻ることのない自分を知ってるので、
このままテキストを進めよう。
 
そう思ったけど、16歳を半年過ぎて、
もうあまり見えないであろう目をキラキラさせながら
こころんが呼びにきたので、仕方なく立ち上がった。
 
 
キッチンで、元興寺と小豆とぎが言い争っている。
 
元興寺は鬼のくせに穏やかなので、
ぎゃあぎゃあ言ってる小豆とぎの前で、
背中を丸めながら「でもえ~、よ?」とか
「それはえ~、よ?」とか言っている。
 
片や、小豆とぎは「とごうか!とごうか!」と、
拳を振り上げて、元興寺の抱えているご飯釜を
奪おうとしている。
 
 
「なんだ、どうした」
 
私が溜め息を吐きながら、元興寺から聞いた話によると、
買ったお米が無洗米か、普通のお米か分からなくなった
のだという。
 
元興寺は「無洗米を買ったえ~、よ?」と言い張り、
どこからともなく現れた小豆とぎは、「とぐ!」と言って
きかない。
 
ああめんどい。
 
「あのね、一回といでみなさい。
それで白く濁ったら、その水は取っておいてね。
私があとで、それで顔洗うからね。
濁らなかったら無洗米でしょ」
 
私は言い残し、なんとかパソコンの前に再度座った。
 
背後で、「おお!」という2人分の声が聞こえた。