ソラトスレスレノウミ -3ページ目

ソラトスレスレノウミ

だいたい0時前に更新、かな?

亡くなった母の押し入れの中にあったもの。
 
小型の金庫。
 
「げ、暗証番号分かんないぞムキー
 
ああ面倒臭い。
金目のものが入ってないのは分かってるけど。
入ってたら、熊ぷ(母)は必ず私に言っただろうから。
 
 
と思いつつ、正直、「それでも何か入っているかも」と
期待してしまう。
 
 
「鍵あったえ~、よ?」
 
腕を組んで金庫の前に座り込み、下世話な欲に浸っていると、
元興寺が熊ぷのタンスから鍵を探し出して、
開けた。
(暗唱番号、必要なかった)。
 
いつの間にか輪入道やぬらり、百々爺まで集まってきて、
我先にとみんなで顔を寄せて金庫の中を覗き込んだ。
 
 
 

 
やっぱ空だった。
 
一瞬で妖怪たちは興味を失い、散っていった。
 
そうだよな。
まあ私なんか大金を手にしたら、絶対人生狂うな。
カツカツでも日々食べていければ(でもお酒は欲しい)、
それでいいよな。
 
つか、ウチに大金あるわけないじゃん。
 
開かない金庫ってすごいんだな。
宝くじ並みに夢が見られるんだな。
 
 
さて、次の面倒臭いことは、
金庫は粗大ゴミでは引き取ってもらえず、
金庫専門の会社に廃棄を頼まなければならないということだ。
 
 
やれやれと思って会社に写真を送って問い合わせたら、
 
「この金庫、耐火性は無いですね。
金庫の背面に穴開いてますよ」
 
よく見たら、確かに二つの穴が空いていた。
その場合は粗大ゴミとして出せるらしい。
 
 
今度は役所に問い合わせた。
 
役所の方「重さ10kgとのことですが、これ、
土が入ってませんかね?」
 
…確かにスチール製でこのサイズで10kgは重過ぎる。
土って粗大ゴミで出せないんだよな(熊ぷのいろんなものを
処分したので、少し知識がついている)。
 
私「うーん、確かにスチールにしては重いんですが、
材質に’スチール製’とは書かれてますが、’土’ってのは
書かれてないんですよねえ」
 
私は金庫についていた冊子を見ながら言った。
この冊子を見ると、この金庫は35年くらい前に
購入したらしい。
そして多分、この金庫は購入以来、使用されてないことが
だんだん分かってきた。
 
いろいろ相談したあげく、粗大ゴミとして引き取って
もらえることになった。
 
ふう。
 
次の処分対象は、
五段飾りのひな人形と、五月人形だ。
 
がんばれ私。