おとつい
夜中に母から弱々しい
か細い声で電話がかかってきました
ふゆ 「どうしたのお母さん?また転倒した?」
母 「ふゆー どうしよう
補聴器なくしたの・・・」
ふゆ 「あらら・・・」
(内心ほっ)
(転倒じゃなくて良かった・・・)
続けて母
「どうしよう あれ30万円もするんだって」
ふゆ 「えっ!」
(全然良くない!)
母はこの数年で耳が遠くなり
大声で耳元で話さないと聞こえません
特にコロナ禍の自粛生活を経て
一人暮らしの母は
沈黙の生活を送って
難聴が悪化したのかもしれません
お試し期間があり
2-3か月かけて音量調整をし
一番合うタイプを購入できる
とても良心的な補聴器店を見つけ
トライアルでお借りしていた中
外出中
片側を気づかぬ間に
どこかに落としてしまったようです
母は泣きそうな声で
「どうしよう
一日中あちこち探したけど
見つからなかったの
通ったところは全部みたし
色んなお店にも聞いてみたけど
どこにもなかったの・・」
すっかりしょげています
母の不安そうな弱い声を聞くと
胸がつまりそうになりました
お母さん だいじょうぶよ
きっと見つかるよ
明日まで待ってみよう
もしでてこなくても
お金で済むことなら
なんとかなるから
だいじょうぶ
心配しないで
だいじょぶだいじょぶ
天に向かって補聴器が見つかりますようにって
お願いして
今日はもう心配しないで
ゆっくり寝てね
と
わたしは老いた母を気遣いながら
内心、ヒー!30万円!
と雄たけびをあげながら
明るく電話を切りました
翌日です
元気な張りのある声で
母から電話がかかってきました
(わかりやすぅw)
「ふゆぅ!見つかったの!
モールの落とし物に届けられてたって!
うそみたい!
うれしい
良かったあー」
めちゃくちゃ喜んでいました
「届けてくれる親切なひとがいたんだねぇ!
どんなひとが届けてくれたんやろぅ
善いひとがいてくれてよかったぁ~」
歓喜にあふれた母のはしゃぐ声は
昨日の自信喪失したしょんぼりした声とは
大違いです
でもこれからは
もうこんな怖いものつけて
お母さん外出れないよ
もうこの補聴器返すー!
と言い出しました
え?でも必要じゃない?
チェーンとか紐でくくりつけて
耳から外れても失くさないように
できないのかな?
こういう時近くにいれば
ダイソーで小道具を買いすぐ
DIYしてあげられるのに・・
ね、次回補聴器店にいくとき
わたしに電話して店員さんと話させて
なにか解決策がないか相談してみよう
と、なだめて電話を切りました
色んなことがありますね
でも落とした補聴器が戻ってきて
天空がぱぁっと開けたような感じがしました
拾ってくださった方
本当に本当に有難うございました
やっぱり日本はすごい