量子力学は本当は量子の話ではない フィリップ・ポール/松井信彦訳
本書が書いていることを大まかにまとめると
次の2点のような気がする。
(1)波と粒子の二重性、不確定性原理、シュレディンガーの猫、量子テレポーテーションなどの、
(従来の)量子力学の説明は、間違っているわけではないが、あんまり正しくもない
(2)量子力学はその根源において微粒子や波の理論ではなく
情報とその因果的影響に関する理論だ
(2)が邦題の意味するところなんだけど、ネット上の書誌情報が
量子力学は科学なのになぜ解釈がひとつに決まらないのか?(仮題)
のままになっているよー(決定書名の方がたしかにいいな)。
「のような気がする」と書いたのは、
もちろん、読んでいてもよくわからないこと
(とくに、後半“デコヒーレント”が出てくるところ以降)が多すぎたからだ。
(眠くなって2ページずつしか読めなかった)
なぜ本書が書かれたかというと、
量子力学という理論が、初期段階から1世紀近く経っても
まだモヤモヤっとしていて、さらにモヤモヤが進展しているから(のようだ)。
だから、「量子力学とは何か」の説明もそれを受けて
ブラッシュアップしないといけない、ということだ。
その結果の一つが本書なんだろうけど、
最後は「情報とはなにか」みたいな話になって
なにがどうなっているのか、余計にわからなくなった。
そんななかでも得られた知見としては
量子力学は“なぜそうなっているか”には答えていない、ということだな。
量子力学世界の説明を聞く(読む)と“なぜ!?”とつい思ってしまうが
それに対する答えはない(または、まだ見つかっていない)ということだ。
いまさらな話かもしれないが。