2018年の春にupした毒母⑧のその後の話
大学を卒業した翌日、アパートを解約してボストンバッグひとつで大阪を出た
アルバイトで稼いだお金がある程度あったので金銭的不安はなかったが、とにかく大阪から離れないとまた追いかけて来られたら嫌だ…
そう思ってまずは和歌山に向かった
隣県とはいえ和歌山には知り合いもいないし土地勘もない
とにかく疲れていたので海でも見たい、ぐらいの軽い気持ち
和歌山駅に着いて駅前のマクドナルドで腹ごしらえをして…もう少し人の少ないところに行こうと
また興信所だの使われて居場所を突き止められてはたまらない
もうちょい南へ
もうちょっとだけ移動
…と眺めの良い場所に出た
三段壁だった
ちらほら観光客もいた
初めて来る場所だったのでとりあえずの散策
眩しい太陽と青い海
それでもいつまでもここにいる訳にも行かず、とりあえずどこか宿を取ろうと
公衆電話に置いてある電話帳で調べると近くに観光ホテルがあったので予約電話をしてそこへ向かった
1泊素泊まりの旨を伝えると客室は埋まっていて大部屋なら用意出来るという(確か客室のほとんどを改修工事中とか云っていた)
どんな部屋かと行ってみるとただの広いスペース
畳敷きの部分に布団を敷いてはくれたが、目の前に何故かステージがあったw
催しで使うホールなのだな、と思った
壁際の灯りをひとつつけただけの薄暗くてだだっ広いホール
間仕切り無し
そして従業員と思しき人達が結構頻繁にホールを横切ってこちらをチラチラ見て行く
途中の売店で買ったパンを齧りながら私はようやく気が付いた
警戒されてる……
当日予約、
ひとり客、
三段壁の近く(自◯の名所)、
嗚呼、自◯志願者だと思われているのか
俯きがちで暗かったのかも知れないw
ほとんど眠れずに朝を迎え、早朝にチェックアウトした
フロントのナイト勤務のお兄さんが云った
『色々あるけど頑張って行きましょう』
www
その日のうちに伊勢へ移動して神宮を参拝
1泊してからまた和歌山駅周辺に戻った
行き当たりばったりの短い旅だった
この後、堺東に入って住み込みの仕事を探すことになる