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(ŎᴗŎ)  前回の投稿に続きジェティゲンの復元の資料まとめについての投稿です。
今回は新疆で確認された古いジェティゲンと、資料まとめの為に目安とするzitherのパーツ名の仮呼びについての投稿です。


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(6∀6)シカタケル
Wikipediaのジェティゲン記事カザフ語版をまとめるその前に、先に見ておいてほしい記事がある。

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(ŎᴗŎ)シカハタビ
КОД КЫРГЫЗОВ
40 элементов кыргызской культуры: 17. Жетиген
こちらはキルギスにもジェティゲンの呼ばれるzitherがかつて存在していたのでカザフスタンに続いてその復元の取り組みをおこなったという記事ですが、その中に新疆ウイグル自治区のウルムチの博物館でジェティゲンが展示されているのが見つかったとの報告がありました。
ページを開いて2枚目の写真がそのジェティゲンです。

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(6∀6)シカタケル
ということは、古いジェティゲンがカザフスタンやキルギスで行われたジェティゲン復元活動とは関係なく存在するということになる。
たぶん新疆に住んでいるカザフ人もしくはキルギス人が博物館に寄贈したんだろう。

⊂O–O⊃あしべ
新疆に古いジェティゲンが残っていたんですか!
Wikipediaのジェティゲン記事カザフ語版とかそれについてのYouTube動画だと、復元の際に古いジェティゲンの実物を参考にした、という記述がなかったんです。
疑問その1
カザフスタンには古いジェティゲンが全く残っていなかったのか?
カザフスタンには文字資料その他の僅かな資料のみしか無くて、それを元に復元が行われたのか?
疑問その2
それとも古いジェティゲンの現物を確保しているが古拙すぎて現代音楽に互するとは思われず、一方で復元すれば現代音楽に耐えられる楽器になると予想される資料は文字資料その他しかなかったということなのか?

/)ЧЧ/)
(6∀6)シカタケル
疑問その1への答えはこれだ。
新疆のジェティゲンの発見は、古拙なジェティゲン、つまり現代音楽への対応はムリでも民俗資料としては十分に価値のあるジェティゲンが、カザフスタンその他にも残存している可能性があるということだ。

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(ŎᴗŎ)シカハタビ
疑問その2の答えはこのYouTube動画にありますね。

8 бөлім Жетіген
これは1985年に撮影された動画ですが、後半部にさらに古いモノクロの動画のジェティゲンのソロ演奏があります。
この動画の概要欄に、復元を指導した研究者のБолат Сарыбаевは、1968年に古代カザフの弦楽器の最初のアンサンブルを組織したとあります。
そういう経過がありましたので、Болат Сарыбаевは復元するならば、おそらく現代の他の楽器と合奏できるレベルの資料を選んで注力しただろうと推測するのが答えになります。

⊂O–O⊃あしべ
そういうことでしたか。
もしも民俗資料としてのジェティゲンが残っていたなら、ぜひ見てみたいですね。
疑問が解決したところで…

/)ЧЧ/)
(6∀6)シカタケル
まだあるぞ、予習だ予習!

⊂O–O⊃あしべ
予習?

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(6∀6)シカタケル
古いジェティゲンの資料にはその形状が記録されている。
zitherのパーツ名を予習しておかないと記録の要約ができないだろ。

⊂O–O⊃あしべ
確かに、zither全体のパーツの仮呼びを決めておいたがよさそうですね。
ジェティゲンは奏者右手側にチューニングペグがあって、カザフ語で「құлақ(耳)」。
奏者左手側にストリングホルダーがあって、カザフ語で「түиме(ボタン)」といいます。
ドンブラも同じパーツ名を使いますが、位置が逆になります。
ギターのような他のluteと同様に、奏者左手側にチューニングペグがあって、カザフ語で「құлақ(耳)」。
奏者右手側にストリングホルダーがあって、カザフ語で「түиме(ボタン)」です。

Wikipediaのジェティゲン記事カザフ語版にはジェティゲンとドンブラが構造的に似ているという記述がありました。

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(ŎᴗŎ)シカハタビ
zitherとluteの構造が同じだと考えている向きは他にもあるようですよ?
このWikipediaは日本の箏の記事の英語版で箏のパーツ名も英訳されているのですが、一部にギターのパーツ名が使われているのです。

Koto (instrument)

これはあしべさんが浜松市楽器博物館で撮影した楽箏の全体写真です。
楽箏は日本における最も古い種類の箏です。



↓こちらは楽箏の奏者右手側の接写で、Koto (instrument)の記事では、この部分のブリッジである「竜角(龍角)」には、ギターの奏者右手側のブリッジに「the saddle of the bridge」の英訳の名があてがわれています。



↓こちらは楽箏の奏者左手側の接写で、Koto (instrument)の記事では、この部分のブリッジである「雲角」には、ギターの奏者左手側のブリッジ「the string nut」の英訳があてがわれています。



⊂O–O⊃あしべ
箏は弦を本体の胴部の内側から取り付けるから、チューニングペグは使わないんでしたっけ、一部例外があるけど。
だから胴の左右のブリッジを、ギターと同じ位置のブリッジの名前をあてがったわけですか。

/")/") 
(ŎᴗŎ)シカハタビ
チューニングペグのある側のブリッジを「the string nut」と呼ぶならば、ジェティゲンの場合は奏者右手側のブリッジを「the string nut」と仮呼びするべきでしょうね。
ジェティゲンの奏者左手側のブリッジは「the saddle of the bridge」と仮呼びしましょう。

/)ЧЧ/)
(6∀6)シカタケル
弦の途中にある方のブリッジはどうする?

⊂O–O⊃あしべ
ドンブラもジェティゲンも弦の途中にあるブリッジは「тиек」とよびます。
この「тиек」はgoogle翻訳で英訳すると「latch」と返してきます。この意味が掛け金という意味なのか、それとも編み物のラッチの意味なのかはわかりません。

/")/") 
(ŎᴗŎ)シカハタビ
このWikipediaの英語の記事には、日本の箏のブリッジである「柱(じ)」をこのように英語で説明しています。

Bridge (instrument)
https://simple.m.wikipedia.org/wiki/Bridge_(instrument)

>There are even instruments with moveable bridges such as the Japanese koto which has a separate bridge for each string.

ですので、弦の途中にあるブリッジは「separate bridge」と仮呼びしましょう。

⊂O–O⊃あしべ
それでは、今回の資料読み込みのためのzitherのパーツ名の仮呼びを以下のように決めます。

zitherの胴部→body

奏者右手側
ブリッジ→the string nut
弦の留め具→tuning peg

弦の途中のブリッジ→separate bridge

奏者左手側
弦の留め具→string pin
ブリッジ→the saddle of the bridge

ちなみにギターの「the string nut」に対応するドンブラのパーツ名は「түиме(ボタン)」です。

/)ЧЧ/)
(6∀6)シカタケル
よしあしべ、それではWikipediaのジェティゲン記事カザフ語版から、古いジェティゲンの資料を…
また長くなってしまったので、キリのいいところで一旦終わらせよう。続きは次回の投稿へ。

⊂O–O⊃あしべ
はいはい、次が本番ですね


/")/")    次回の投稿は