突然、子どもの体調が急変?親が知っておきたい「急性腎不全」のサインと原因
こんにちは!今日はお母さん、お父さんにぜひ知っておいてほしい、子どもの健康に関わる少し専門的な話、「急性腎不全」についてお届けします。
「腎臓?大人になってから気にする病気じゃないの?」そう思うかもしれません。
でも、実は、身近な風邪や怪我、そしてちょっとした不注意から、お子さんの腎臓が急にダウンしてしまうことがあるんです。
1. 急性腎不全ってどんな病気?—「おしっこの工場」がストップ!
急性腎不全(AKI)とは、文字通り腎臓の機能が急に(数時間〜数日)悪くなる状態のことです。
腎臓の役割を一言でいうと、
「体内の老廃物と余分な水分をろ過して、おしっこを作る工場」
です。
この工場が急にストップしてしまうと、体に毒素(老廃物)や水分が溜まり始め、様々な不調を引き起こします。
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素人にもわかるサインは?
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おしっこの量が急に減る、または全く出なくなる
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顔や手足がパンパンにむくむ(特に朝、まぶたが腫れぼったい)
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体がだるい、食欲がない、吐き気がある
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特に子どもは症状の進行が早いことがあるので、「いつもよりおしっこが出てないな」「なんだかむくんでいるな」と感じたら、注意が必要です。
2. 子どもに関わるプロセス別!急性腎不全の「犯人」たち
急性腎不全の原因はさまざまですが、子育て世代の私たちが特に知っておきたい「犯人」を、これまでの話も踏まえてピックアップします。
① 最も身近な敵!溶連菌感染の後(腎性)
「喉が痛い」でおなじみの溶連菌感染。
これが治りかけの頃、免疫の暴走で腎臓が攻撃されてしまうことがあります。
これが急性糸球体腎炎です。
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ポイント: 溶連菌は抗生剤で治る病気ですが、腎炎は免疫反応で起こるため、**「溶連菌を治すための抗生剤を、先生の指示通り最後まで飲み切る」**ことが腎炎の重症化を防ぐ大切な予防策になります。
② 遊びや不注意から起こる怪我(腎前性・腎性)
子どもの日常に潜む危険です。
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椅子の背もたれ、ドアノブへの激突: 腎臓は背中の比較的低い位置にあります。ふざけて椅子を引いたり、急いでドアノブに強くぶつかったりすると、**腎臓を打撲(挫傷)**し、ひどい場合は血尿が出たり、機能が低下したりすることがあります。「ちょっとした怪我」と侮ってはいけません。
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脱水や大怪我: 嘔吐や下痢が続いたときの重度の脱水、または交通事故などによる大量出血は、腎臓に届く血液量が激減し、工場が機能停止する原因になります(腎前性)。
③ 薬の飲み間違い(腎性)
風邪薬や痛み止めの中には、腎臓に負担をかける成分が含まれているものがあります。自己判断で量を増やしたり、大人用の薬を子どもに与えたりするのは絶対にNGです。
3. もしもの時の注意事項と検査
「おかしいな」と思ったら、ためらわずに小児科を受診してください。病院では主に次の検査で腎機能のチェックをします。
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血液検査: クレアチニンや尿素窒素といった老廃物の数値が急に上がっていないかを見ます。
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尿検査: おしっこにタンパクや**潜血(血液)**が混ざっていないか、おしっこの濃さをチェックします。
腎臓の機能は一度低下すると元に戻すのが大変なため、「早期発見・早期治療」が何よりも大切です。
4. 今どきの治療はどうなっている?
原因を取り除くことが最優先です。
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脱水が原因なら: 点滴で水分と電解質を補給し、腎臓に届く血液を増やします。
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溶連菌が原因の腎炎なら: 症状に応じて、安静や食事制限などを行います。
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重症化してしまったら: 薬や点滴では間に合わないほど体内に老廃物が溜まってしまった場合、一時的に血液透析や**持続的腎代替療法(CRRT)**という方法で、人工的に血液をきれいにする治療を行います。現代の医療技術は進歩しており、一時的な急性腎不全であれば、多くの場合、腎機能は回復します。
5. まとめ:予防が最大の治療です
子どもの急性腎不全は、予期せぬ形で忍び寄ってきます。
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風邪や感染症にかかったら、薬は必ず最後まで飲み切ること。
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遊びの中の危険な行動はしっかり注意すること。
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発熱や下痢でぐったりしているときは、水分補給をいつも以上に気を付けること。
元気でいるのが当たり前の子どもだからこそ、異変に気づいたときの親の迅速な行動が、大きな差を生みます。「もしかして?」と思ったら、迷わず専門家の力を借りましょうね!


