残念なことに、日本一の品質を誇る『南高梅』も生産過剰と消費減少の影響か、
一昨年あたりからかなりだぶつき始めている模様。
生産過剰の一番の原因は、20年位前から多く見られるようになった
田んぼから転作した平野部の梅畑と大規模なパイロット事業。
写真のように、既に八丁田んぼの半分近くはもともと水田だった所が
埋め立てられて梅畑になっています。
(ちなみに、僕がお米を作っている2か所の田んぼの周りも、すべて梅畑(≧∇≦))
そして、平野部の田んぼを梅畑に転換する状況はいまだに続いているようで・・・。
でも、その一方、もともと作られていた山の急傾斜地の梅畑の耕作放棄が
目立つようになってきています
日本一の梅の里を誇るわが町も、高齢化と後継者不足の課題は
日本全国の地方同様、今後さらに深刻になってくると思われ、
労力を考えると今の状況が理解できないわけではないですが・・・。
でも、過去の成功の上に漫然と生産拡大を続けていくだけでなく、
時代の流れを見極め、なにか抜本的な対策を考えないと、
かつて有田ミカンが経験してきた状況を繰り返すことが目に見えるようで悲しいです。
先人の皆さまが育んでくれた地域の特産物としての南高梅の品質の良さは継承しつつ、
南高梅だけに頼らない、この地域に適した新たな農産物も見出して取り入れたり、
さらに南高梅の副産物を活用したような農家経営を本格的に考えて
取り組んでいく必要性をヒシヒシと感じています。
もちろん、一部の梅屋さんや農家さん、『梅ボーイズ』に代表されるような
若者の間では既に新しい取り組みを始められていて、
『梅鶏・梅卵』や『ムクナ豆』や『梅収穫ワーケーション』、
それから『有機栽培』の導入など、確実に、そして徐々に成果をあげられて
いる例も見られるので、僕も色々と刺激をいただいています。
ただ、うちのような小作農家単独の試行錯誤だと、
『自然農』という特異性はあっても、規模がかぎられていることもあり、
他人にインスピレーションを与えられるようにまでは至っていない
のがもどかしいところです。
果樹栽培は結果が出るまでそれなりの年数がかかりますしねー(*^^*)
ま、現状を嘆いているだけでは仕方ないので、うちも、
もうしばらく模索とチャレンジの日々を続けます!(^^)!