梅の里自然農園便り

梅の里自然農園便り

「自然農」の田畑の様子と、「自然農」の世界を中心にお伝えしていきたいと思っています

「清々しい姿で育っていますね」

この四半世紀の間に、川口さんが直接かけてくれた言葉の中で、

僕が記憶し、印象に残っている最初のものがこの一言だ。

1998年8月、赤目自然農塾でのこと。

当時川口さんは、午前中の実習を済ませた午後は、

塾生の田畑を観て回ることをされていた。

 

僕が借りていた棚田のそばを通られた時に、草刈りをしていた僕に

この言葉をかけてくださった。出穂を控えたトヨサトの姿を見られての言葉だった。

この時川口さんが僕を僕と認識されていたかどうかはわからない。

当時、塾生は300名を超えていたことだし。

 

それでも、その言葉を聞いた時、僕は自然農のお米作りに信が入った。

実際にお米作りを始めて5か月後ということになる。

もちろん、その前年に川口さんの著書を読んで、『自然農』のお米作りが『本物』

との感覚を得、ご縁を得て翌年2月から赤目自然農塾に参加しはじめ、

川口さんのお話を聞くにつれて、それは確信になりつつあった。

 

生まれて初めてのお米づくりは、とにかく川口さんが説明されつつ

やられる通りのやり方を徹底的にまねることに意識を置いてやっていた。

苗床づくり、お米の種おろし、苗床の草の管理、早苗の植え付け、

夏の畝間の草刈り、おかげで、初めてでも、お米はそれなりに育ってくれた。

 

でも、川口さんの実習田の田んぼや、先輩方の田んぼの稲に比べて明らかに

分げつの量が少ない。もちろん地域の慣行の田の稲に比べると雲泥の差だ。

『これでいいのだろうか? 何かまね方に不足しているところがあるのだろうか?』

少し迷いが生じていた。

 

そんな時の川口さんの「清々しい姿で育っていますね」の言葉。

『これでいいんだ!!』

自然農の意味、自然農としての在り方が腹に落ちた瞬間だった。

 

それから四半世紀、(病のためにまともに作れなかった年が1年はあったものの、)

毎年お米を作り続けて今に至っている。

毎年少しづつ違う姿を見せてくれている田んぼ。

これからも、その姿に的確に応じられ、健康なお米を作り続けられるように、

なお一層、田んぼを、その時その時のお米の姿をちゃんと観る目を高めて

いきたいと思っている。

そんな心持を持ちつつ、たぶん自分で世話ができなくなるまで、

お米作りを続けていくんだろうな(*^^*)

この写真は、地元に帰って7年後、百姓に転身して最初の3年間の棚田での

お米作りの一コマ。
赤目の田んぼよりは少し分げつの数が増えていた頃(*^^*)

 

それから26年

今では、お米もこれくらいは育てられるようになりました。


ジャンボタニシの働きで足元に草が殆どないので、清々しさという点では
いまだに川口さんちや赤目の田んぼには及びませんが(*^^*)

これは黒米、2日くらい前から出穂(しゅっすい)が始まっています(^^)/

P.S.

僕は赤目や川口さんの田んぼ、妙なる畑の会全国実践者の集いなどで、

たくさんの先輩方の田んぼを見せてもらうことで、少しずつ

健康に育っているお米はどんなものか、その時にどんな手を貸してあげたらいいのか、

が少しずつ見極められるようになってきました。

とにかく、観る見る診るの意識を持って経験を積み重ねていくことが大事

だと思っています(^^)/

写真は赤目自然農塾での一コマ



 

4年前にこの田に移植したマコモ

冬には全部刈ってしまったのですが、春に再びたくさんの芽を出してきています。


ただ、去年もたくさんのマコモダケができたのですが、

最初の年や2年目と違って小ぶりのものが多く、
また虫食いも見られるようになって、自家消費は出来ても
お届けにはちょっとという感じのものの割合が高くなってきていました。


先週、別の品種のマコモ苗をもらいに行ったときに、

マコモ栽培の大先輩から、「大きなのマコモダケを収穫するためには、
毎年新たに植え付けることが肝心」というのを伺い、
初めて田んぼを更新してみることにしました。

 
しっかり出てきている芽を刈り取ってしまい、耕耘してしまうのは、

正直ちょっと気が引けたんですけどね。


それでも、生産者としては、せっかくならやっぱりいいものを
お客様方にお届けしたいという気持ちの方が勝ったので、
とにかく一度確かめてみようという気になりました。

(ちなみに、最初の2枚の写真の真ん中に畝を立てているのは、
マコモを植え付ける前に作っていた里芋用の畝です。

3年前からサトイモは別の田んぼで作るようになったこともあり、
ここの畝は耕耘して平畝に戻しました(*^^*))


2日後、耕耘した後 雨でしっかりぬかるんだ田んぼをレイキで平らにならし、
先週もらってきて置いていた2種類のマコモ苗を植え付けました。


耕耘した残りの部分には刈らずに残している苗をとって、
ボチボチ植え付けていこうと思っています。


今年は大きくて虫食いのないマコモダケがたくさん収穫できるといいなぁ(*^^*)

なお、うちでは今までずっと元の栽培地はそのままで、

周囲に苗を植え付けて広げてきていましたが、
今回初めて一部を残して耕耘してみました。

耕さないことを基本とするのが『自然農』ですから、

これはもはや自然農とは言えなくて、
『自然栽培』に分類した方がいいのだと思っています。


ちなみに、お米は、一部していた『自然栽培』を
全て『自然農』に戻してしまいましたが、
逆にマコモ以外にもサトイモやジャガイモなど
『自然栽培』の方に変わってきているお野菜が出てきています。

この畝にはカボチャやスイカを植えようと思っています(*^^*)

今年から新しく借りた田んぼ、去年まで慣行栽培でお米を作られて
いたところなので、土は締まっていますが、レンゲやスズメのテッポウ
などもちゃんと生えてきました。


16m幅の1反の田んぼで、2月に農業委員会から貸借の通知が届いたので、
さっそく排水のための溝を4本切りました。


本当は、その時に一気に鞍付き畝を作っておいた方が、
今の植え付け時期の環境的にはベストなのですが、
かなり湿っていたこともあり、作業の労力を考えると、
先に溝切りをしてしっかり乾いている今の時期の方が
楽にできたように思いました。

今回は、その真ん中の4m幅の広畝を鞍付き畝にする作業をしました。

手順は、

① 全面の草を刈り、左右の畝によける。

② スコップを使って、両側の溝を、それぞれ40㎝ぐらいの幅を広げる感じで、

畝の中央に掘り上げる。(ここまでで下の写真)


③ 平ぐわを使って溝に残った土を畝の上にあげ、

レイキを使って中央に寄せる。

④ 中央に載せた土を細かく砕き、レイキを使って鞍付き畝の形に整える。

もちろん、この作業も鍬を使った手作業でできますが、
今回はこの部分はトラクターを使いました
(畝の中央に掘り上げた土が砕ければいいため浅耕としたので、
畝そのものは殆ど耕してない状態ですが(*^^*))


なお、畝の中央の高くなった部分に、カボチャ苗を植え付けたら、
左右に除けていた草でマルチをして仕上げる予定です。


今日は雨の予報でしたが、対して降らなそうなので、
一気に植え付けといきますかね!(^^)!


ちなみに、周りの田んぼでは、荒起こしのために、
トラクターが何台も走り回っていました(*^^*)

普通の苗床を作ろうとすると、なかなか手間がかかる湿田。

どうしても耕した土がお団子になりやすいですし、

覆土する土の確保もままなりません。

 

ということで、ここの田んぼではレイキで土をならした後、

鎮圧もしないで種籾を蒔きました。

土の凸凹が残っているところに蒔いたうえ、土も湿っているし、

籾の並び替えも容易ではありません。

ということで、1m幅の苗床から左右に飛び出てしまった籾を

苗床に戻す作業はしたものの、かなりバラツキがある種籾の並べ替えも

殆どしませんでした。

 

さらには、覆土用の真砂土をどこかで確保して持ってくるのが最善ですが、

なかなか条件に合うようなところを見つけられていないので、

今回は市販のトレイ育苗の覆土に使う用の焼土(無肥料)を使いました。

 (写真は左側半分が覆土した状態)

また、モグラもいないし、オケラもあまり見かけない田んぼなので、

モグラ除け用の溝を掘ることもしてないです。

 

この後、草マルチをして防鳥糸を張る作業は、いつもの苗床づくりと同じですが、

昨夜の雨でもしかしたら水没しているかもしれません。

それでもしっかりした苗に育ってくれたらいいなぁと思っています(^^)/

 

(追伸)
案の定、昨夜の雨で水没してました。


週末までお天気が続く予報なので、いずれ水は引くと思いますが、

ジャンボタニシが出てきているので、水が落ちるように溝を作るか思案中。

 


昔の水苗代のような感じなので、もちろんお米にとっては

悪くない状態だとは思いますが、水没してると、

芽が出てきたときにジャンボタニシに食べられてしまうので、

やっぱり水を落とすための溝を作りました。

去年は排水しなかったところ、苗床の発芽してきた緑米を三分の二程度

ジャンボタニシに食べられてしまった苦い経験もあることですし(*^^*)

 → 

去年初めてこのやり方を知った時は、正直『エッ!?』と思った。

 

でも、あの三浦先生が雑誌に載せている方法だし、

よく考えてみれば土寄せの極端な方法だとも思えるし、

とにかく一度やってみようと思った。

そして、夏・秋と実際にやってみると、

やっぱり今までに増してジャガイモの出来が良かった(*^^*)

 

ということで、今期も『ジャガイモの土かけ栽培』をやってます(^^)/

『面白そう』と思ったことは、実際に一度自分でやってみること

が大事だと思っています!(^^)!

 

みなさんも一度試されてみては(^^)/
 

実際のやり方は↓


 題して『驚きのジャガイモ栽培』