こういう凡人が口をはさむ余地のないピンポンパンゲームのような会議をこなすたびに、私は思うようになるんです。

 

 

 

「親が子供に下駄をはかせることが本当に子供のためになるのだろうか」ということをちょっと不満


法律に携わる業界っていうのはわりに特殊です。

私などはそちらが自分の性分に合ったのでここの事務所以降ずっとそっち業界に生息しているわけですが、自分自身で足を突っ込んでみるまでは業界自体に馴染みがなくピンときておりませんでした。

ということで、読んでくださる方にとっても馴染みがないはずだろうとあえて説明させていただくんですけれど、士業っていうのは子をエリート層に仕立てたいタイプの親にとってはけっこう好みの職種なんですよよね。

 

聞いたことありませんか?

「理系出るなら医師、文系出るなら弁護士くらいにはならないと」とかいうようなどこぞの親の台詞真顔

 

法律事務所ってのはパラリーガルとして実務に携わる勤務をしつつ士業を目指して勉強している方ってのがそこそこいらっしゃる場所なのですが、なんやかんやで職員と交流して話を聞いているとなかにはご本人は意識していらっしゃらなくても客観的に「親に導線引かれてこの業界に入ったんだなあ」と窺える方も少なくなかったりするのですね。

 

法律事務所に勤務していくうちに親が子に〔こういう職業〕をと求めるご家庭ってのが世には意外に多いんだなと知るに至るサラマであんぐり

「健康に、楽しく、他人に優しく」としか親に求められたことがなかった地方出身者の私としては親が子の職業までアレコレ口を出していくなどという事態を聞いた当時は驚いたものでしたちょっと不満

メーカー勤務時代も「親が望むのでここに就職しました」なんて言ってる同期は周りにいませんでしたし、自分の友達などをみても、なんていうか、こう、20歳過ぎたら自分の選択に責任を持つのは当たり前だと自然と思うに至っておりましたもん。

 

事務所も500人もいればいろんな人がいるので全員がそうだと言うつもりはありませんが、法律事務所では「なんで弁護士資格取ろうとおもったんですか?」と尋ねた時に「親が望んでいたので」と返す弁護士さん、「なんでアメリカの大学出たんですか?」と尋ねた時に「父親に言われて」と返す職員さんなんかがフツーにいらっしゃいました。

どちらも30代の男性で、当たり前のようにお答えになったことが衝撃でしたあんぐり

たとえそれが事実だとしても「親に言われて」だなんて自分ならば恥ずかしくて堂々と言えないだろう、と、当時20代の私でしたが胸中複雑で切り返しに困ったものです。

 

ちなみに、近年で一番有名になったパラリーガルはコムケイさんですよね。

私はこの法律事務所で海外窓口的な役割ののち、パラに転身したクチですが、小室圭さんが世に取り上げられるまでは職業を聞かれて「パラリーガルです」とか言ってもほとんど通じませんでした。コムケイさん登場によりようやく市民権を得た単語かなあという印象です。

 

小室圭さんのバックグラウンドというのは、典型的とまでは言いませんが、法律業界ではべつに珍しくない感じだなという印象を抱く私です。

小室さんというとお母様が強烈な印象ですが、お子様の行く先に口出しされるお母様って大なり小なり強烈ですから、さすがに彼女は濃いなと思えども、私にはそこまで響きませんでした泣き笑い

小学校に私立音大付属小、そこから中高一貫インター、ICU。

小室圭さんのお宅は資金繰りの面でトラブルがあったようですが首都圏にはトラブルなく私立小から私大まで出せるご家庭っていくらでもありますしね。

首都圏に限らずとも、学校にあがるタイミングで都度課金して、道を敷いて、弁護士資格(医師免許)とるまで並走してあげるという愛情は当たり前に存在するのだなあ、ということを、私は、パラをやりながら学んでいくのでした。

 

ただ、そういうふうに親が主導して、子供の能力を開発したり、あれこれあれこれ揃えて履歴書の体裁を整えてもらった子供が本当に幸せなのかというと、私は、ある程度法律業界にいながらそれを見ていて「どうなのかな」と懐疑的だったりします。

だって頭脳明晰な人間の上位層が集うそういう業界こそ、本当の意味でシビアに実力主義なんですもん不安

 

 

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