凡スペックのサラマがひょんなことから頭脳明晰集団に籍をおくことになった経緯の話です指差し

 


私が在籍することになったその事務所の〔企業法務部〕というのがですね、所長が他企業の上澄み層からお金で引き抜いてきた精鋭がそろう部署だったんですね。

なかには引き抜かれてきたわけではなく、サラマのように自分から志願して面接を経て入ってきた人たちもいるのですが、優秀な方々が多いその部署のなかでも3割程度は、大企業にいたところをヘッドハントされてきた方々でした。

その3割は当時の自分より10歳ほど上だったと記憶しているので、当時全員30代後半から40代前半って感じですね。

入って間もなく「〇〇さんはあそこの企業であれを開発したチームにいた人らしい」「△▽さんはここでやってるけど別で自分の会社を経営しているらしい」「××さんは上祐さんの生まれ変わりらしい(失礼なww上祐氏ご存命やん)」などと噂を聞きましたあんぐり

 

一般企業出身者のサラマにとっては、当時、この事務所の企業法務部という場に不自然な偏り方を感じたものです。

私の最初の就職は古くから日本にある上場メーカーの営業職だったんですけれども、そこは、当たり前に新卒から人材を採用をして、会社がお金をかけていろんな部署をたらいましてジェネラリストを育て、ある年齢には役職をつけるといった “一般的な” 日本企業だったんですよね。

新入社員として私が出会った同期というのは、自分も含め、基本的に知り合った時にはなんの功績もなく何者でもない大学を卒業したばかりの若僧でした。 

 

そこから3年、5年と仕事をしていくうちに成果に差がついていくわけですが、当然、誰しもが仕事において持てる能力を発揮できるわけではありません。

というわけで、サラマは、メーカー時代の自分の経験において理解していたんです。

「会社って組織の中にはできる人もできない人もいるものだ」と。

 

ユルく働きたい人もいれば、趣味に情熱をかけるべく仕事は最小限に留めたい方もいる。

鬼のように成果を出す先輩や天才と呼び声の高い先輩ってのが何歳か上にいる一方、大きいことを言うだけでサボってばかりの先輩や休職中で出勤できないの先輩もいる。

「あの部署の上司って責任取りたがらないよね」だとか「なにも決まらない体裁だけの会議なんか開きやがって」などという愚痴のひとつやふたつうまれる軋轢もありつつ、しかし基本的にはある種の多様性が保障されているのが会社という組織である、と。

それまでのサラマはそう思っていたんですよね。

 

対して、私が入った法律事務所の企業法務部は、条件が中途のジョブ型雇用で〔どこかで実績を叩き出した人材〕であることが求められるがゆえに、自然発生的には生まれ得ない集団で、なんというか、その不自然さを異様にも魅力的にも感じた自分がいました。

口を開かせれば全員が華々しい経歴の持ち主で凡な私からしたら「すごいですね不安以外にコメントしようがないんですがね。

面白がりの頭のおかしい所長セレクションだけに「え!?どこからそんな人材ひっぱってきたの?」っていう人もいました。

 

私は、その部署には籍を置いていただけなので、普段は朝礼(という名の伝達事項とかね)が終わると所内を走り回っているわけですが、時にオブザーバーとして会議に参加する機会があったんですよね。

そういった会議なんかも、ヘッドハント組のなかでも頂点にたつリーダー格の方がいらっしゃったのですが、リーダーがパパパッとその場で名指しで呼びかけて、呼ばれたメンツは、作業を中断してサササッと会議室に入るわけです。

まず、全員がモタつかずに瞬時に作業を中断できるのがすごいあんぐり

 

で、時折サラマにもお呼びがかかるんです。

「次、アメリカからくるクライアントににはこのタイミングから会議に混じってもらうからそれまでの流れを把握しておいて!」だなんて不安

 

リーダー、常に早歩きで、常にしゃべってるんですけれども、情報処理のスピードが尋常じゃないんですよね不安

それまでも生きてきて出会う人のなかに「この人頭いいな」と思う方ってたくさんいましたが、リーダーのような方はみたことありません。

 

オブザーバーとして会議参加しているサラマには発言は求められないのですが、会議は基本的にピンポンパンゲームのスピードです不安

考える隙は秒も与えられないままみんなの会話がワイワイ進行していきます。

言い換えれば、それは全員が秒かからずに当たり前に意味のあるアウトプットできて当たり前の状態にあるということです。

 

これは大変な事態だぞ、と率直に私は思いました。

 

うまく言えないのですが、周りと自分とのスペックの差を感じました。

その会議の時だけ、普段私が所属しているこの世界とは別の違う次元にひょいっと連れ去られた感じとでも申しましょうか。

そのくらい、もう、自分と彼らとのデキの違いを、はっきり言うとアタマの構造の違いを、ヒシヒシと突きつけられる機会でありました。

 

そういう会議に出席していて、サラマには、気づいたことがあったのです。

 

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