なんとなくSさんのことが心配になってちょくちょく気にするようになってしまったお節介サラマ
あることに気づくんです。
それは、
Sさんお子さんの発達に不安を抱く部分があるのではないかな?ということ。
メリッサではなくて弟さんの方。
詳細は省きますが、
気になってSさんを注意深く観察していたからこそ(だって万が一Sさんが東南アジアの件のような展開を辿ってしまったら、私、自分が彼女が病んでいるかもしれないことに気づきながらなにも行動を起こさなかったことを一生引きずると思ったんですよ…)彼女がもしかしたらそこにとらわれているかもしれないと気づけたのでした。
もしもSさんに、そこから気持ちを切り離すことが難しいような悩みがあるとしたら、ハタからみてチグハグというかアンバランスに取れてしまう彼女の行動も一元的に説明つくな、とサラマは思いました。
「ああSさん。もし悩んでいるとしたらしんどいだろうに…」
発達系の悩み、異国に住むアメリカ人ママには響くに決まっている。
サラマは幾人かの日本人の友人に重ねながらしみじみ思ったのでした。
なぜアメリカ人"には"?
それは、アメリカが、小児の発達に不安がある場合かなり早くから介入する国だからです。
アメリカ、州によって違うかもですが、そこらへんの分野すごく進んでるらしいですよね。
ケニアにいるときにアメリカ人小児科医の知り合いがいたのですが、
アメリカは自分の子供の発達に少しでも気になることがあった場合、担当する小児科医にすぐ相談できると聞きました。
療育へのアクセスもものすごくスムーズみたいです。
そのアメリカ人小児科医「サポートが不要になったらその段階でやめればいいんだし、早く開始して損はなしじゃん」とあっけらかん。
なるほど、
CDCのLearn the signs, Act Earlyプログラム(↓)とか覗いてみましたが、
月齢ごとにできることの進捗など親がチェックできるようになっていたり合理的に整理された情報量にビビり
「ここまで情報が共有されていたらそらact earlyできるわな」って思う反面、
この発達の進捗を異国からチェックしたりしていたら病むな。
とも思いました。
我が子が順調に進捗を満たしていないと知った時にこたえる。
こんなんずっとチェックしてたら身が持たん。
だって、前提として、
異国で、アメリカほど、act earlyできないんだもん。
行政の在り方も、サポートの在り方も、非定型的な特性を備えた人についてどれだけの知識が浸透しているかなども国や地域によって全然違う。
全然違うし、たぶんどこもアメリカという国の充実っぷりには敵わない。
デンマークについては、当事者でないので言い切れないのですが、ある程度の特性は個性の範疇としてとらえる傾向にあるという印象です。その方がいいとする価値観があることも理解できます。てかヨーロッパは全体的にみるとそういう傾向が強い気がします。
まあ、でも、フツーのアメリカ育ちのアメリカ人ママはさ、act early したいと思うよね。
母国で子育てしている友達もみんなact early しているだろうしさ。
サポートの得られない国(デンマークではありません)で、自分の子に発語がないことを気にしながら子育てしていた日本人の友人を何人か持つサラマです。
日本も基本的には(2005年以降は)特性があるお子様についてなるべくはやくサポートしていこうという方針。
まあ、いうたらact early を是とする傾向ですよね。
ご家庭によってはサポート機関につながることに逡巡や葛藤があることは想像に難くありませんが、
私の周りには合理的な人間が多いのか「我が子になにか苦手なところがあるならば、早めに始めて補ってあげたい」と考える友人も少なくありません。
そういうふうに考えることもできるというのは、つまり日本に、そう欲したときに速やかに選び取れるという選択肢が存在するからなんですよね。
非定型的な人材にあまり理解のない国に居住していた私の友人の場合は、
居住国の小児科医はアテにならず「個性の範囲かもしれないから様子を見よう」としか言わないまま時は過ぎていくし、
仮に(日本でいうところの) <ことばの教室> なるものがあっても扱われる言語は現地語だし、
母子のみで帰国しようにも上の子たちはインターで勉強もすすんでいるし父親と離れて暮らしたくないと切々と訴えるし、
下の子も発語がないだけでなにか診断がついているわけでもないから帰国覚悟も決めきれず、
と、いろいろな条件でがんじがらめになりつつ悩んでおりました。
駐在開始時点ですでに診断書を携えているのと、
自分の子にサポートは必要なのかどうなのかも判断されず、居住国にてどういうサポートが得られるのか情報自体も公開されておらず、
「どうなのどうなの」と考えながら精神的に留め置かれて過ごすのでは負荷の種類も違う気がします。
なんだか自分の友達にSさんを重ねて既視感を持ってみていたサラマは、
ボスママと不仲であったこの期間が終わってしばらくしたのちに、
息子さんについての不安がSさんのなかで確実に払しょくされているのを確信して、
Sさんの悩みが晴れたであろうことを嬉しく思いました。
最終回です↓↓