梅子と杏子のものがたり

梅子と杏子のものがたり

小説をたまに載せたいと思います

Amebaでブログを始めよう!

「セレーネさん、大丈夫でしたか?」


「えぇ、何もされてないわ。それにしてもあなた達が悪魔だったなんて...。」


その言葉にクラルテとナハトはうつむく。


「...やっぱり、悪魔なんて嫌ですよね...。」


「実はね......

 


 私の夫、悪魔なのよ。」


『 ・ ・ ・ えぇ~!!!』


「私にとって悪魔は一番身近な存在よ。まったく嫌じゃないわ。」


驚く2人を見てクスクスとセレーネは笑っている。


「良かった~。嫌われたらオレ立ち直れなかったよ。」


「そろそろ夫も帰ってくるわ。家に戻って紹介してあげる。」


先ほどお世話になったばかりの家にまた戻ることになった。


家の中にはすでに誰かの気配がする。


「ただいま、もう帰ってきていたのね。」


「おかえり、セレーネ。あれ?その子たちは...。」


30代くらいの優しそうな男性。セレーネの話だとこの人は悪魔らしい。


帰ってきたばかりなのか、まだ、スーツ姿である。


「あ!かいちょーじゃん!!」


ナハトが言う「かいちょー」とは「会長」のことだろう。


「おぉっ!ナハト君じゃないか!しばらく見ないうちに大きくなったな!」


2人は再会を喜んでいるが、初対面であるクラルテはまったくついていけない。


「知り合いか?」


「そうだよ。それに悪魔界ではそうとう有名な人だしね。」


「...もしかして、君はユーベルさんの娘さんかい?」


「お母さんを知ってるの...?」


それを聞いた男性とセレーネは一瞬驚き、嬉しそうな顔になった。


「一緒にハンターに捕まってしまったと聞いていたけど...。」


「生きてたんですね...。」


「あなた達は、お母さんとどういう関係だったの?」


数少ない母の話が聞けるとクラルテは目を輝かせていた。


「そういえば、自己紹介がまだだったね。僕は、ブルート。

 『人間と友好関係を築いてみたいなと考えている人や実際人間界で暮らしてみたけど困ったり悩んだりしてることがある人たちが集まる会』、略して『友好会』の会長をやってるよ。」


「...長いな。」


「...いっそのこと『友好会』だけでいいのにね。」


クラルテとナハトのツッコミが聞こえなかったのか、ブルートは続けて語りだす。


「この会はね、また人間と仲良くしたいという人たちが活動していて、ユーベルさんもその中の1人だった。」


「それに、私とユーベルさんってそっくりでしょ。だから、仲良くなって個人的な付き合いもあったのよ。昨日のアップルパイもユーベルさんとよく一緒に作ったから、味が似てたんじゃないかしら。」


その話を聞き、クラルテは懐かしい味だった理由に納得する。


「前は、悪魔も人間も関係なくとても仲が良かったんだ。だから、たまに人間界の物分かりの良いお偉いさんのところで会議して、今のハンター制度をなくそうと頑張っているんだよ。」


「良かったらあなた達も『友好会』に入らない?」


「...でも、人間と仲良くだなんて...。」


「大切な人を殺され人間を憎む気持ちは良く分かる。ただ、憎しみは争いしか生まない。君たちのように悲しむ人が増えていくだけだよ。...僕はそんな世界は望まない。悲しみを知っている者だからこそ出来ることがあると思うんだ。」


――わたしに出来ること...。


「お母さんが入ってたから入る。」


「決めるのはやっ!普通はもっと悩むでしょ。あんなに人を殺してきたんだから。」


「...正当防衛。」


「指名手配犯だし。」


「...どうにかなる。」


「テキトーだね...。まぁ、オレも入ろっかな。姉貴が入ってたし。」


「お前も似たようなもんじゃねぇか。」


「フフッ、2人ともこれからよろしくね。」


2人の加入の理由はおかしいが友好会に入ることが決まった。

   ・

   ・

   ・

「さて、君たちは友好会に入ったけれどこれで安全になるわけではないんだ。人間界にいれば、また命を狙われる。」


「じゃあ、悪魔界に避難してればいいの?」


ナハトがブルートに尋ねる。


「あぁ、それが一番安全だよ。」


「...わたし、悪魔界にいったことない。」


「大丈夫!不安になるようなことなんて全然ないよ。それにクラルテちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんもいるし。」


「おじいちゃん、おばあちゃん?」


首を傾げた。


「そう。オレの父ちゃんと母ちゃん。」


「分かった。行く。」


クラルテが小さくうなずいたことを確認し、ブルートが悪魔界に案内すると言って森の奥へ歩き出した。



「...分かりやすいんだな。」


森の中にポツリと扉があった。装飾の施してあるその扉にはプレートがかかっていて、『あくまかい』とだけ書かれていた。


「僕もたまに悪魔界に行くからその時に集合してくれ。」


「はい。じゃあ、また。」


「気を付けてね。」


扉を開けると普通に人の家の庭らしきところに出た。


「ここ、オレの家の庭だよ。」


どうやら、悪魔界なら好きなところにつながるらしい。ど○○○ド○のようだ。


「おぉ!ナハト、おかえり!」


「父ちゃん、ただいま!クラルテちゃんを連れてきたよ!」


おじいちゃんと呼ぶには相当若いが、クラルテのおじいちゃんである人が出てきた。


「クラルテ!ずっと会いたかったよぉ♡」


おじいちゃんはクラルテに抱き付き、頬をすりよせてきた。

――ナハトはおじいちゃんに似たんだな...。

クラルテは迷惑そうな顔をしながらも親族に会えてホッとした。


その後、おばあちゃんのいる病院にいった。体の調子があまり良くないらしいけど、クラルテに会えたことで少し元気になったようだ。

――お母さんの美しさはおばあちゃんゆずりだな。


人と関わることをしてこなかったクラルテは戸惑っていたが、それも最初だけですぐにおばあちゃんには甘えるようになった。

おじいちゃんとは話したりもするけど、ナハトと同じタイプなので少し苦手意識があったり、なかったり...。

ナハトは...相変わらずだ。お兄ちゃんポジションなのかよく分からないが、何かと世話を焼こうとしてくる。まぁ、最近は嫌いではなくなった...かも。


たまに、『人間と友好関係を築いてみたいなと考えている人や実際人間界で暮らしてみたけど困ったり悩んだりしてることがある人たちが集まる会』、略して『友好会』の集まりにも出ている。

ブルートの話だとお偉いさんがそろそろいい報告をしてくれるそうだ。


人間と悪魔の共存する世界。お母さんの望んだ世界。それがもうすぐ始まろうとしている。


お母さんを殺した人間をわたしは一生怨むだろう。


だからこそ、そんな人をこれ以上ださないようにわたし達が変えていくんだ。


幸せな未来を...最期までこの世界を愛してるといったお母さんのために...




どうか、見ていてください。お母さん。


~End~



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


さぁ、やっと終わりましたよぉ~(^∇^)


10話まで続いてしまいましたが、ここまで読んでくれた方は果たしているのでしょうか!?


最後から読んでしまったという方のために↴(いるのでしょうか?)


これはマザコンとシスコンが暴走する話です((Σ(゚д゚;)エッ‼


...嘘ではないですよ。実際そんな話です。



さて、前回の記事でもお知らせしていましたようにしばらく小説の更新はお休みさせていただきます。


高校生活が忙しいというのもあるんですが、別の理由に小説のストックがないという理由もあります。


今回の『悪魔の子』は元々出来ていたのですが、それでもこの更新のペースですよ!


完成してないのに更新を始めたら何年かかることになるのでしょう...。


一応、書きかけだったり設定の思い付きはいくつかあるのでどれを優先にすればいいのか、意見があったらお願いします(;^_^A


・暴力少女の観察日記

・他人の考えていることが分かってしまう少年の話

・がくえもん(学園もの)

・地球防衛軍

・自分は神の使いだと言う危ない少女と出会ってしまった話

・転生

・王子が逃げ出したので姫が王子になる話

などなど


他にもあるんですが、何しろ思い出すのが面倒くさくて...


いくつか恋愛要素があるのもあるっちゃーあるんですが、ファンタジーに少し加えられた程度ですね。塩ひとつまみ程度ですね。




では,サヨナラ~:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

お久しぶりです(^_^)ノ

さて、ただいまかいております『悪魔の子』なんですがあと1話で終わります。

しかし!意外と高校生とは忙しいものなんですね。更新する暇がありません。
とりあえず近いうちに終わらせて、しばらく更新をお休みしたいと思います。
(次のも考えますんで...)

コメントは毎日見ておきます!

3時に寝るのはきついよ…(睡眠時間3時間)

クラルテは本部に着いた。門番が2人いる。


「キミ!この先は関係者以外立ち入り禁止だよ!」


「...開けろ。上の奴に話がある。」


「じゃあ確認してくるから...って、ちょっと!」


クラルテは門番を無視し、4mもの壁を飛び越え本部に侵入した。


本部の中はたくさんの部屋があったが、人の気配が全くない。


不思議に思いながらも、セレーネの匂いがする奥の


部屋の扉の前まで足を進めた。


何があってもすぐに対処できるように


神経を研ぎ澄ませる。


部屋の中の気配は1人。


確認してから、ゆっくり扉を開ける。


中には男が1人、クラルテを待っていたかのように立っていた。


「久しぶりだね。何年か前の“あの時”以来だ。」


男のいう“あの時”とは母が処刑された時のことだろう。


クラルテは暴走し、そこにいたハンター達は全員殺したはずだが


奇跡的に生き延びたのだろうか。


「...セレーネさんはどこだ。」


クラルテが言った言葉に男は笑みを浮かべる。


「お前を捕まえるための囮として大事に扱ってるよ。」


――やはり、わたしが目的だったか。


「私は隊長として、一番危険なお前を殺さないといけないんだ。」


クラルテ自身も自分が危険な存在なのは分かっているし、


危険な存在は殺さないといけないというのは理解できる。


でも、ここで簡単に殺される訳にはいかない。


自分の利益のためだけに何の罪もない母を殺した人間を許せない。


「人間なんかにやられるものか。」


「それはどうかな?連れてこい!」


隊員はセレーネを連れてきた。


口をふさがれているが、何もされていないようだ。


「本当にお前の母さんに似てるよなぁ。...こいつに何かしたらお前はどうする?」


男はクラルテを見ながら、セレーネに銃を向ける。


クラルテは殺気を放ち、男に切りかかろうと飛び出した。


「お前は母さんの目の前で人を殺せるか?」


「!!!」


クラルテは攻撃をやめて、セレーネを見てしまった。


「母さんは人間が好きだったんだろぉ?」


セレーネは何をされるか分からず、怯えていた。


――わたしがお母さんの仇のために今まで


やってたことは、お母さんは望んでなかったの?


――お母さん...そんな顔しないで...悲しまないで...


セレーネと母の顔がかぶってしまい、


クラルテは集中力が欠けてしまった。


そのせいで、隠れていた銃が一斉に撃ってきたことに


気付くのが遅れてしまう。


どうにか急所には当たらないように避けたが、


ほとんどの弾が当たってしまい出血がひどい。


「これだけ当たればさすがのお前も自己回復に時間がかかるだろ?ここで殺すことにするか。」


「ぐっ.....お前...なんか...」


次々と血が流れていき、口の中にたまった血を吐き出す。


呼吸がうまく出来ず、ヒューヒューと嫌な音がする。


目がかすんできた。


「じゃあな、悪魔のクラルテ。」


男は銃口をクラルテの頭に向けた。


――ここまでなのか...。


銃声を聞きながら、最後まで男を睨みつけた。


バンッ‼‼


男が撃った弾が狙い通りクラルテに当たると誰もが思った瞬間


いきなり飛んできた何かが弾をはじき飛ばした。


飛んでいった方向を見ると、落ちていたのは手裏剣。


「ごめんね、王子様の登場が遅れちゃった☆」


セレーネの後ろに立っていた隊員が隊服を脱ぐ。


現れたのはチャラチャラした服を着たいつものナハトだった。


しかし目は笑っておらず、初めて会った時以上の殺気を放っている。


セレーネはいつの間にか安全な場所へ避難させていた。


クラルテの所へきたナハトは、クラルテのマントを破り


簡単な止血をする。


はっきり言ってクラルテはナハトの存在を忘れていた。


これほどありがたい存在だったとは...。


「クラルテちゃん、大丈夫!?」


「お前は何でここに?」


「だって、約束したじゃん。...でも、また迷子になっちゃって遅くなっちゃった...ハハハ☆」


来るならもうちょっとはやくに来てほしかった...。


そう思って頭突きをしてやった。


ケガをしているのであまり強くできないが。


「強くできないが。じゃないでしょ!めっちゃ痛いよ!」


「チッ...。」


「今、舌打ちしたよね!ひどい...助けにきたのに...。」


「...おい、お前ら...。」


「もういいもん!オレ、セレーネさんだけ連れて帰るもんね!」


「はっ?!セレーネさんはわたしが連れて帰るんだ!」


「...もしも~し...。」


「どうせ、傷口ふさがってきてるんでしょ。」


「うん、まぁ。だから、お前のことを...。」


「ギャアアア!殺さないでぇ~!」


「ごちゃごちゃしゃべってるんじゃねぇー!!」


『あ...。』


「あ...。じゃねぇ!何でずっと待ってないといけないんだよ!さっきまでの雰囲気はどこに行ったんだ!」


「まぁまぁ怒んないでよ、おっさん☆」


「コノヤロ~💢...しかし、ちょうどいい。お前も悪魔なのだろう?悪魔を2人殺せば...。」


男はナハトも一緒に殺すつもりなのか。


本部は悪魔を捕まえる道具がたくさんある。


クラルテもまだあまり動けない。


戦いに不利だとクラルテは思った。だが、ナハトは笑っていた。


「クラルテちゃんもだいぶ強いけど、ハーフだからね。オレの方が強いかもよ?」


ナハトはクラルテにウインクして男に向き直った。


「オレの可愛いクラルテちゃんにケガさせて...タダで済むと思うなよ。」


正直、「オレの」とか「可愛い」って言葉に寒気がしたが


何も言わないでおいた。


男はまだ銃を持っている。弾も残っているはずだ。


隠れている敵もいるかもしれない。ナハトはどうするつもりだろう?


「そういえば、他にいた奴とか武器さっき使えなくしてきたから、残るはお前1人だね。殺してやるよ。」


さっき、迷子になって遅れたというのは嘘だったのだ。


少しの時間でいくつもあった武器を壊し、隊員を倒し、セレーネを助けていた。


「何を言っている。お前は武器を所持していないじゃないか。素手で戦うつもりか。」


男は馬鹿にしたように笑うが、ナハトは余裕のままだ。


「あぁ、おっさんには武器がなくても簡単に勝てるよ。」


「馬鹿な奴には話しても無駄だな。お前もそこにいる女と同じようにしてやる。」


バンッ‼‼


ナハトは避けるでもなく、向かってくる弾を見ていた。


クラルテは走って向かおうとするが体が痛む。


ナハトが右手を持ち上げた――と思ったら飛んでいたはずの弾が消えた。


『え!?』


「こんな遅い弾、掴むのなんて簡単だよ。」


ナハトの手にはさっきの弾。そして、それを男に向かって投げる。


「ナハト!殺すなっ!!」


投げる直前クラルテは叫んだ。弾は男のすぐ横を通り壁に刺さる。


青ざめ、固まってしまった男にデコピンをすると気絶してしまった。


「クラルテちゃ~ん、ホントに殺さなくていいの?」


「あぁ...。」


「別に、オレは殺してもいいんだけどクラルテちゃんがそういうなら止めとくよ。」


「...お母さんが喜んでない気がした。それとセレーネさんを助けに来ただけだからな。色々と助かった。...ありがとう。」


何年ぶりの笑顔だろう。ずっと無表情だったが、自然と笑みがあふれた。


「く、クラルテちゃんが笑った!!しかも、さっきオレの名前を初めて呼んでくれたよね!もっかい呼んで!クラルテちゃん大好きぃい――ゴフッ」


「調子にのるな、叔父さん。」


クラルテに抱き付こうとしたナハトは殴られ、壁にぶつかった。


また、無表情になってしまったクラルテだが、少し穏やかな表情をしている。


「セレーネさんを家まで送ろう。」




▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


今回は一番長いのではないでしょうか?


次回はついに最後です。


 

では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

森の出口に着き、セレーネと別れることになった。


「お世話になりました。色々と面倒みてもらっちゃって...。」


「いえ、とても楽しかったです。また、いつか会えるといいですね。」


「じゃあ、いこっか!」


クラルテはうなずき、フードを深くかぶった。


「お気をつけて。さようなら。」


ナハトは思いっきり手を振り、クラルテも小さくだが手を振った。




街へ来てみた。まだ、朝だからか人は歩いていない。


「人間は優しい人もいるもんだね。オレ、知らなかったよ。」


ナハトは思い出して、楽しそうにしている。


「...わたし達の正体を知れば、みんな態度が変わる。

 怯えて逃げるか、捕まえるかのどっちかだ。」


「...そうなるかもね。」


「こっちに向かってくる男もそうだ。」


そうクラルテが言った瞬間、男達が建物の陰から出てきた。


武器がしっかりとしていて、同じ制服をきたハンター達である。


「チッ...森での気配はあいつらだったのか。逃げるぞ。」


「なんでぇ?倒さないのぉ?」


「お前は知らないと思うが、あいつらは一般人と違って

 悪魔用に作られた武器を持っている。

 森にいたことがばれてるから大人数で攻めてくるぞ。

 そうなると不利だ。」


「あんな奴ら、大したことないじゃん。」


「...あいつらのせいで何人もの悪魔が死んでるんだ。

 油断はするな。」


「はぁーい!」


「そのイラッとする話し方やめろ。」


屋根にのぼって逃げたので、追っ手をまくことは出来た。


そして今、街の中心部である広い公園にいる。


朝の散歩やジョギング、市場もやっていて賑わっていた。


「はぁ~疲れた。オレ、見た目ほど若くないんだから

 クラルテちゃん考えてよぉ。」


「黙れ。このくらいで悪魔はへばらないだろう。」


「あ、ばれた?いやぁ、さっき朝食食べすぎちゃって

 体が重いんだよね。」


「食った分の肉、削いでやろうか?」


「ごめんなさい。冗談です。」


こんな状況で冗談を言ってくるナハトにクラルテは呆れてしまった。


――こいつ、こんなんで本当に大丈夫だろうか...。


クラルテは深いため息をついた。



公園で集まって喋っている人たちがいた。


いわゆる噂好きの奥さんたちだ。


遠くにいるが、耳がいいクラルテとナハトにはよく聞こえる。


「最近、この街にも悪魔ハンターが増えたわねぇ。」


「嫌ねぇ。悪魔って人を不幸にするんでしょ。」


奥さんたちは好き勝手言っている。


「ひどいね。不幸にするなんて、ただの作り話なのに...。

 人間が何もしてこなければ、悪魔だって何もしないさ。」


ナハトは頬を膨らませ怒っていた。その間にも会話が進んでいる。


「そういえば、森に住んでる夫婦が悪魔の可能性があるって、

 ハンターが奥さんを連れていく所を見たのよ。」


「それなら私も知ってるわよ。指名手配中の悪魔と一緒にいる

 所を見た人がいるって。」


「悪魔がそんなに近くにいたなんて怖いわ~。私が昨日

 火傷したのも、そいつが不幸を持ってきたからに違いないわ。」


「私なんて先週...――」


クラルテはすぐに気付いた。


自分と関わったせいでセレーネが連れていかれたことに。


連れていかれると事情聴取という名の拷問を受ける。


実際、悪魔か人間かなんて関係ない。


可能性があった時点で殺されるのだ。


「クラルテちゃん今の話って...あ!クラルテちゃんどこいくの!?」


ナハトのことなんて無視して、クラルテは走り出した。


場所は分かっている。ハンターの本部。少し遠いが走ればすぐ着く。


――人間を助けるために走るなんて...。


そんなことを思いながらクラルテはとにかく走った。




「隊長!何者かがここへすごい速さでやってきます!

 あまりの速さに映像でもなかなか確認出来ません!」


「...来たか。」


隊長と呼ばれた人はニヤリと口元を歪めマイクのスイッチをいれた。


「全隊員、聞こえるか。今から“あいつ”が来る。

 作戦を実行しろ。」




▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


続けて更新しましたよ(・∀・)/


あと2,3話ぐらいかな。


頑張ろう。うん。



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

窓から差し込む光でナハトは目が覚めた。


リビングへ行ってみると、


セレーネとクラルテは先に朝食をとっている。


「おはようございます。」


「おはよう...。昨日は迷惑をかけた。すまない。」


「きのう...?あぁ、大丈夫だよ。」


セレーネがナハトの分の朝食を持ってきた。


「はい、どうぞ。ゆっくり休めましたか?」


「めっちゃぐっすり眠れましたよ。いただきます。」


ナハトが食べ始めると同時にクラルテは食べ終わった。


「こいつが食べ終わるまで、少し散歩をしてくる...。」


「気を付けてねぇ~。」



家を出たクラルテはブラブラと森を歩く。


不意に立ち止まって短剣を取り出した。


何度も人を斬ってきた愛刀。それを丁寧に磨く。


他の武器も丁寧に確認し、しっかり装備した。


――わたしは悪魔なんだ。


己を再確認して、クラルテは歩き出す。


「...!」


ふと、人間の気配がした。


「クラルテさぁーん。そろそろ行きますよぉー。」


遠くでセレーネが呼んでいる。


さっきの気配はセレーネだったのか。


その声に安心するとともに不安になる。


――人間の気配に気付くのが遅くなっている...。


不安を胸にしたまま2人のところに向かうクラルテは


もう1つの気配に気付けなかった。




▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


次からクライマックスになっていくのかな?


自分でもあまり把握できておりません。


その前にちゃんと終わらせることができるのか?


できるだけ頑張りますけどね...。



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

「...ねぇ、クラルテちゃん。やっぱりセレーネさんって

 めっちゃ似てるよね。」


「...うん。」


「セレーネさんは人間だけど、殺せないなぁ。

 オレ達が悪魔だって気付いて嫌われたくないよねぇ...。」


話の内容的に聞こえるとまずいので小声で話している。


キッチンからおいしそうな匂いがしてきた。


「それにしても姉貴に似ているからセレーネさん

 美人だし、優しいねぇ~♡」


「......。」


クラルテもそう思うが、ナハトが異常な気がしたので返事を返さない。


(...コイツ、頭大丈夫か?)


「はい。出来ましたよ。」


セレーネは鍋を持ってきた。


「ポトフです。野菜が多めに入ってるけど、

 嫌いなものはあったかしら?」


「ないです!いただきます!」


「いただきます...。」


ポトフはとてもおいしかった。久しぶりのしっかりとした温かい食事に


顔には出ないがクラルテは満足していた。


「おいしかったかしら?あと、作ってあったアップルパイが

 あるんだけど、食べます?」


「アップル...パイ...。」


「はい!食べたいです‼」


テーブルの上に出されたアップルパイは1人分以上の大きさ。


「りんごがあったから暇つぶしに作ってたんだけど、私1人では

 こんなに食べられないから好きなだけ食べてください。」


ナハトはアップルパイを切って自分とクラルテの皿にのせた。


クラルテは小さい頃に2回だけアップルパイを食べたことがあった。


1つはお母さんの手作りで、クラルテはその時の味を忘れられず


アップルパイが好きになったが、2回目に食べたお店のアップルパイは


何か違うような気がしてそれ以来アップルパイは食べてこなかった。


ある日、クラルテは聞いた。


『ねぇ、お母さん。何で有名なケーキ屋さんより

 お母さんが作る方がおいしいの?』


『あら、本当?うーん...アノ材料を使っているからかしら?』


『アノ材料?』


『そう。秘密の場所にある秘密の材料なのよ。

 お店では絶対に手に入らないわ。』


『わたしも秘密の場所行きたい!』


『クラルテが大きくなったらね。お父さんには内緒よ。』


『うん!!』


そんな話をした数日後にそれは叶わない約束となってしまった。


アップルパイをひとくち食べる。


これは小さい頃に食べた・・・――


「お母さんの...味...」(ボソッ)


「クラルテちゃん、泣いてるの...?」


「え...?」


クラルテは言われて自分が涙を流していたことに気が付いた。


ナハトは察してくれたらしい。


「セレーネさん、クラルテちゃん長旅で疲れちゃったらしいので

 先に休ませてもらってもいいですか?」


「あ、ハイ。すぐ、寝る場所用意しますね。」


セレーネは奥の部屋へと走っていき、


再びナハトとクラルテの2人だけとなった。


クラルテは俯いて、次々に流れてくる涙を止めようとしている。


ナハトは何も言わず、クラルテの背中をさすりながら


セレーネが戻ってくるのを待った。


「クラルテさん用意できましたよ。お休みになってください。」


「ありがとう...。」


ナハトが付き添いながら、クラルテは布団の中に入り壁側を向いた。


ナハトはベッドの近くに置いてあったイスに座っている。


「クラルテちゃん、ゆっくり休みな。」


ナハトはクラルテの頭をなでている。


クラルテは抵抗せずに静かにしていた。


「...これからはオレもついてる。

 もう、1人で背負いすぎなくていいんだよ...。

 辛くなったらいつでも助けてあげるから。」


クラルテに背を向けおやすみという言葉を残して部屋を出た。

   ・

   ・

   ・

「クラルテさん大丈夫でしたか?」


「大丈夫ですよ。クラルテちゃんは強いですし。

 ただ、まだ若いから不安になっちゃうことが多いんです。」


「お2人とも大変ですね...。」


「オレはそうでもないですよ。

 クラルテちゃんほとんど無表情か、嫌がってる顔ぐらいしか

 してないけど、話はちゃんと聞いてくれて会話もしてくれるし

 楽しいですよ。」


「ナハトさんはクラルテさんが大事なんですね。」


「もちろん!会えて良かったと思っています。

 ...ごちそうさまでした。とても、おいしかったです。」


「お口にあってよかったです。明日、森の出口まで案内しますので

 今日はナハトさんもゆっくり休んで下さい。」


「ありがとうございます。それでは、おやすみなさい。」


「おやすみなさい。」




▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


今回は途中で回想が入ったり


最後はナハトとセレーネの会話文だけだったりで


とても読みにくかったと思います。


会話文の時にクラルテがすでに寝ていたか、


それとも起きていて話を聞いていたかは


個人で考えてくれてかまいません。


この6話でナハトの印象が多少良くなることを願います(^▽^;)



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

結局、ナハトと行動することになったが既に後悔し始めていた。


クラルテは深いため息をつく。


先ほどまで街灯があった街と違い、今いる場所は暗い森の中。


どうやったら遠く離れていた街から森に来るのだろう。


ナハトについてきたが、コイツかなりの方向音痴だ。


「あれ~?さっきこの道通った気がする。」


「...4回目だ。」


「ごめんね☆そんな睨まないでよ。」


正直、人間より五感が優れているので森を抜けることは


簡単だが、昼間嫌な夢を見たり、ナハトの相手をしたりで


クラルテは寝不足で疲れている。


だったら、ナハトも森を抜けるのは簡単なのでは?と思うのだが


いくつものにおいを嗅ぎ分けたりすることが苦手らしい。


つまり、頭がすっからかんなのだ。


そんなことを考えていたら少し遠くから女の人の悲鳴が聞こえた。


「あ!人の声だ!仕方ないけど、道を聞きに行こうよ。」


クラルテはあまり人間と関わりたくないが


迷子なのだからしょうがない。


...ってか、悲鳴をあげてる人に道なんて聞けるのか?


少し走ると女の人が数人の男に捕まりそうになっていた。


助ける気なんてまったくなかったが、女の人の姿をとらえた瞬間


クラルテは動き出していた。


男たちは急に現れたクラルテに反応できず、銃の餌食になる。


クラルテとほぼ同時に動いたナハトは女の人を抱え、遠くへ移動した。


そう、女の人はクラルテの母、ナハトの姉であるユーベルに


とてもよく似ていたのだ。

   ・

   ・

   ・

「助けていただき、ありがとうございます。」


深々と女の人は頭を下げている。


「頭をあげてくださいよ。たまたま通りかかっただけですから!」


「......。」


クラルテはじぃーっと女の人を観察していた。


やはり、母であるユーベルと瓜二つなのである。


違うところといえば、ユーベルは青い瞳なのに対し


この人は緑の瞳という所ぐらいだろうか。


ナハトは人間の女の人が大好きな姉に似ているので


デレデレしている。緩んだ顔を引っ叩いてやりたい。


「ところで、こんな森に来るなんて何か用事ですか?」


その言葉で本来の目的を思い出した。


「あ!そういえばオレ達迷子だったんだっけ。

 旅(?)の途中だったんだけど...。」


「お前のせいでな。」


「そうだったんですか。明日の朝、森の外まで案内しますよ。

 なので、今晩泊まっていってくださいな。

 助けていただいたお礼です。」


この女の人は外見だけでなく、優しいところも似ているので


本当はユーベルなのではないのかとすら思えてくる。


「ありがたいなぁ~♡泊めてもらおうよ。」


先ほど、人狩りをしようと言っていたナハトはどこへ行ったのやら。


しかし、クラルテも疲れていたし


母に似ているこの人を殺せる気がしなかった。


「...うん。」


「なら、家まで案内します。

 あ、そうだ。お名前を聞いてませんでしたね。」


「オレはナハトです。」


「...クラルテ。」


「私はセレーネです。お2人は兄妹ですか?」


「まぁ、そんなとこです。」


歳も(たぶん)そこそこ近いので兄妹に見えるのだろう。


「私は夫と暮らしているのですが、しばらく仕事に行っていて

 1人で寂しかったんです。...あ、ここです。」


そこにはこじんまりとした家があった。


ほとんど人の通らない森の奥に建っている。


それでも、庭はきれいに作られていて人が生活していることが分かる。


「何で、こんな森の奥に?」


「夫の仕事上、森の奥の方が良かったので...。」


「そうなんですか。」


セレーネが言いにくそうだったので、あまり深くまで


聞かないことにした。


ぐぅ~


クラルテのお腹が鳴ってしまった。2週間ぐらい何も食べていない。


「フフッ、早く準備するわね。」


「お願いします...///」


家に上げてもらい、セレーネはキッチンへと向かった。



▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲


絵描くのも好きなので,そのうちマイキャラたちの


イラストでも描いてみたいです。



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

その後、ナハトと一悶着(子供のケンカのような)があった。


現在やっと落ち着きナハトがクラルテの母について


教えてくれることになった。


「姉貴とオレはそこそこ上の身分だから仕事で人間界に行くことがよくあったんだ。それで、姉貴が人間界を気に入っちゃって住みたいって言い出したんだよ。」


母だったら姫ぐらいでもおかしくはないと思ったが、


コイツが上の身分って…と心の中で思う。


「...何か、今ひどいこと思ったよね?まぁ、いいや。」


「.....。」


「そして、父ちゃんがオレと同じくらい姉貴が好きだったからめっちゃ反対してたんだけど、姉貴の初めてのわがままだからって結局許しちゃったんだよね。」


「...お母さんはいろんな人に愛されていたんだな。」


「うん...。あとは、手紙とかで連絡をとってて、結婚したっていう手紙がきたときは父ちゃんが人間界に乗り込もうと暴れてたよ。だけど、子供が生まれたってときは1回帰ってきてオレたちに子供の顔を見せてくれた。その時だけだよ、クラルテちゃんに会ったのは。」


「.....。」


「もう少ししゃべろうよ。」


2人の間に風がビュッと通り抜けた。この辺りは月の明かりしかなく、


ほとんど真っ暗である。隣の顔もあまりはっきりと見えない。


しかし、クラルテの輝く髪は月あかりでさえも反射し、キラキラと風でなびいている。


2人は少し前から近づいてくる気配を感じていた。


「...またか。」


「クラルテちゃんのお客さん?オレが始末しようか?新しい武器を手に入れたんだ♪」


「別にいいけど...。」


『見つけたぞ‼指名手配犯クラルテ!捕まえるのはこの俺だぁぁああ‼‼』


欲にくらんだ濁った眼でこちらを確認し、走ってくる。手には斧と網だ。


あんなもので捕まえられる訳がない。


「ナハト参上☆」


あきらかにふざけながらクラルテと男の間に入った。


手に持っているものは手裏剣...手裏剣⁈


「にんにん!」


そう言って2・3個投げた手裏剣は綺麗に男の首に刺さった。


血が噴き出す。もう、どうやったって男は助からないだろう。


「何で...手裏剣?」


気になったことを聞いてみた。


「日本に遊びに行ったときにお土産でおもちゃの手裏剣を買ったんだ♪それを改造させたの。」


「おもちゃを改造させるって...。」


「武器とかを作るのは得意だよ!」


コイツ意外とすごいのかも。…いや、それはないな とクラルテは思う。


「...クラルテちゃん思ってること口にでてるよ。」


どうやら呟いていたらしい。


「ねぇ、オレたちで人狩りしようよ!父ちゃんと母ちゃんは姉貴が死んだショックで体を壊しちゃったから、代わりにオレたちが動こうぜ!」


「まぁ、いいけど...。」


「...いいって顔してないよ。めっちゃ顔が嫌がってるよ。」


「.....。」


「いざって時はこの王子様がクラルテちゃんを助けてあげる♡」


「私は弱くないから、いざって時はこない。というか、自分で王子様って言うとか...。」


「そんな、かわいそうなものを見る目なんてしないでよ!!」




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久しぶりに小説更新させてもらいました(^-^)/


どれだけ時間がかかっても絶対終わらせはしますんで,


気長にお待ちください(^▽^;)



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

「一人で夜歩いてると、あぶないよぉ~」


その声は後ろの方から聞こえた。


人間相手だったら、とっくに気が付いたはず。


「オレみたいなのに...殺されちゃうよ!」


突然、殺気を当てられる。反射的に


その男から離れ、隠し持っている銃を相手に向けた。


「あれ?もしかしてキミ、人間じゃないの?」


男の殺気がなくなったのを感じ、


銃をしまい、ナイフを取り出す。


そのナイフで自分の腕に傷をつけた。


血が出るが、傷はあっという間に治る。


それを見て男はニコニコと効果音が付きそうなほどの


笑みを浮かべた。


…こういう奴が一番苦手だとクラルテは思う。


「なんだ、同じ種族だったんだね。いきなり、襲い掛かってごめんね☆」


思いっきり最後に星がついている話し方で


ウザさが増した。


「…誰だ、貴様」


男に殺気を向けるが、まったく動じる様子はない。


「オレ?オレは~…ってキミ、クラルテちゃんでしょ!


あ、でもさすがに覚えてないか~」


「…何のことだ?」


何のことか分からないことや、親しげな話し方に、


さっきしまった銃をまた出そうかと銃に手をかけた。


「ちょっ⁈ちょっと‼そんな殺気立たないでよ!


短気な子は嫌われるぞぉ~。


…オレはキミのお母さん、ユーベルの弟、


つまりキミの叔父のナハトだよ」


最初言われたことにイラッとしたが、


その後の言葉が衝撃的すぎた。


「お母さんの...」


「そう、小さいころに1回だけ会ってるよ」


「お母さんの弟がこんなちゃらんぽらんだなんて


ありえない‼」


「ひどっ!何で久しぶりに会って、そんな事言うの?


何で?オレ泣いちゃうよ?」


「勝手に泣いてろ」


…少女が大人を泣かしているおかしな光景になった。


「ところで何故いきなり襲ってきた?」


泣き真似をしていたナハトは顔をあげた。


「姉貴を殺した人間たちに復讐だよ!


優しくて可愛くて人間さえも大好きだった姉貴が


人間に裏切られ、殺されたんだよ!


だから復讐してやると思った!クラルテちゃんもそうでしょっ!」


二十歳以上に見えるのに子供のように大声で言った。


「…シスコンか」


「…クラルテちゃんだってマザコンでしょ」


「その呼び方やめろ。キモイ」


「ちゃん付けしただけでしょ。ひど~い」


ナハトはもうクラルテの冷たい態度に慣れたらしい。


「叔父さんはこれからどうするんだ?」


「叔父さんなんてやめてよ。年とってるみたいじゃん。


ね?クーちゃんって呼んであげるから」


「クーちゃんって…。最初の呼び方でいい、叔父さん」


「話聞いてる⁉」



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さて、ナハトさんが登場しました。


コントみたいな掛け合いって


好きなんですよね(*^ . ^*)



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

クラルテはまだ明るい公園へと足を向けた。


公園では、5歳にもなっていないような


子供達が元気よく遊んでいる。


ベンチに腰を下ろし、その様子を見ていると、


子供達のそれぞれの母親が迎えに来た。


「もうそろそろ、帰ろうね」


手をつないで帰ろうとしている親子を見て


小さい時の記憶を思い出す。


『クラルテ、帰りましょ』


大好きな優しい母の顔...それを奪った奴ら...


『ハンターの者です。ご協力ありがとうございます』


『何するのっ‼離してっ‼』


大金を貰っている父...私と母を捨てた男...


『お母さんは人間じゃなくて...悪魔なの...』


暗い牢の中、告げられた言葉...


『クラルテは逃げてっ‼...こんなお母さんで...ごめんね』


最後の母の言葉...。


そこでハッとした。いつの間にか寝ていたらしく、


夕方になっている。


「何で、昔のことをいまごろ...」




クラルテには帰る場所はない。


とりあえず、公園を出て、どこに向かうわけでもなく


ただ歩いていた。


ところどころにある掲示板には、


指名手配犯のポスターがはられている。


その中には、クラルテの顔もあった。


母が処刑された日、怒りで暴走したクラルテは


たくさんの人を殺した。父も殺した。


その日、クラルテは悪魔の力を覚醒させ、人間を捨てた。


人々は賞金の高さに目がくらみ、襲ってくることがあった。


子供だからと油断していたようだが、すべて返り討ちにされている。



細い路地裏に差し掛かったところで、声がかけられた。


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今回はここまでです。


中途半端なのはわかっています(^_^;)


長すぎたのもわかっています(^_^;)


まだ続きます。



では,サヨナラ:*:・( ̄∀ ̄)・:*: