無指向性スピーカーのまとめ(2013/6/1) | umedastyleなAV生活

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 依頼された講義の為に書いたもので、無指向性スピーカーに対しての個所をここに転記します
わかりやすい説明になっているでしょうか?

無指向性スピーカーと言うのは一般的なスピーカーシステムが指向性のある物が多いのに対して、指向性が無い、つまり、スピーカーから出た音がスピーカーの周り360度に同じ様に拡がっていくスピーカーを言います
市販されているスピーカーの中にも無指向性スピーカーはありますが、割合から言うと少なく特殊な物になります

モノラルや5.1チャンネルサラウンドと言った物もありますが、CDやレコードには普通2チャンネルのステレオで録音されています
モノラルに対してステレオは2台一組のスピーカーを使い、その場で演奏している様に楽器やボーカル等が、並んでいる様に音を感じる事が出来るようにしています
左右に並んだスピーカーでそれぞれ右、左用の音を再生します
簡単にお話ししますと、それを人が聴いた時、左からしか出ていない音は左に、右からしか出ていない音は右に、両方のスピーカーから同じ様に出ている音は真ん中に定位します
定位と言うのは位置が定まると言うことです
しかし、この様に聴こえるためには、両方のスピーカーの音が人の耳に正しく伝わらなければなりません

一般的な指向性のあるスピーカーでは、ユニットの軸上(真正面)と軸上を外れたところでは、周波数のバランスが変わります
低い音は聴く位置に依る音の変化は少ないのですが、高い周波数になるほど、ユニットの軸上から外れると聴こえにくくなる傾向があります

人が音の出てくる場所を認識するのは左右の耳に入る音の音量差と位相差で感じると言われています
したがって、ステレオ再生において、一番重要な事は、左右のスピーカーから出た音が、人の左右の耳にバランス良く正しく届くと言うことです
その為には、スピーカーに指向性がある場合、リスニングポジションに対して正確にスピーカーの方向を調整しなければなりません
そして、決められたリスニングポジションから外れた場所では、正しい定位感を得るための音量バランスが崩れますから、音は正しく定位しません
オーディオ装置はステレオ再生をしていても、正しいステレオ感は得られないわけです

指向特性が広いスピーカーの場合、そのリスニングポジションも広くなりますが、指向特性が鋭いスピーカーの場合、リスニングポジションも狭くなりますし、そのベストなポジションでさえ、左右の耳の位置で音のバランスが悪ければ、正しい定位感は得られないことになります

無指向性スピーカーの場合、スピーカーの周り、360度、同じ音が放射されます
スピーカーの周りの何処に居ても同じ音が聞こえます
変わるのは、スピーカーからの距離の違いによる音量の差だけ
したがって、無指向性スピーカーを2台使用したステレオ再生では、リスニングルームのどの場所に居ても正しいステレオ感を得る事が出来ます
左右に並べたスピーカーに対して左側に居ると、演奏しているステージの左側、右側に居ると右側、真ん中に居ると、コンサートホールの客席の真ん中に居る様に聴こえるわけです

実際にはスピーカーからリスニングポジションに対してどの角度でも距離の違い以外音が同じであれば良いわけで、360度の無指向性は必要無いわけで、スピーカーを置く位置にも依りますが、スピーカーから聴く人に向かって120度位の一定の指向性があれば良いわけです、むしろ、後ろや横方向に向かう音は余計な音になると思います
しかし、その様な都合の良い指向性を持ったスピーカーを作ることは実際には難しいので、360度一定の音を出す無指向性スピーカーが現実的であろうと思います
ただ、この場合、部屋の壁や天井の音の反射は出来るだけ少ない方が望ましい、今までの実際の経験からして、一般的な住宅の部屋であれば比較的良好な試聴結果が得られることが多かったのですが、話し声が少し響く様な硬い壁の四角い部屋、会議室や教室などでは壁からの反射音が干渉して、逆に定位感が悪くなると言うこともありました

オーディオ装置で、音質、周波数特性、歪、位相特性、全てが良くなければいけませんが
、ステレオ再生において重要な事は聴く人の両方の耳に、左右のスピーカーからの音が、距離の違い以外は周波数特性や位相特性が同じ様に届かなければいけないと言うことです
スピーカーに指向性があって、スピーカーとの角度が違うことで音が変わっていては、理想的なステレオ再生は望む事は出来ません
特に、複数の人が同じ部屋で聴く場合、全ての人に良好なステレオ感を味わってもらうことは出来ません
それが無指向性スピーカーなら、リスニングルームの壁や天井の反射が少ない、スピーカーからある程度の距離をとる(ユニットからの直接音を聞かない)と言うことに注意すれば、リスニングルームの広い範囲で良好なステレオ感を楽しむ事が出来ます