「淀は側室でありましたが、
織田家譲りの気高さは並々ならぬものがあり」
「秀吉の数いる側室の中でも、
特に目立つ存在でありました」
淀君の話しとなると北政所は、
イラついた口調となる。
賢妻であるが故に、
家を危うくさせる存在には
目を光らせていた。
事あるごとに夫である豊臣秀吉には、
淀への警戒感は怠らぬよう伝えていた。
淀の母でるお市の方は
織田信長の実の妹であった。
容姿端麗で美貌の持ち主であり、
若い頃の秀吉は恋い焦がれた。
主君の妹君であるので、
おね(北政所)は深く考えていなかった。
ところが天下人となったとたんに
織田家の血筋を親族に入れると言うやいなや、
よりによって若すぎるお市の方の娘を
側室とする。
おねと秀吉には子は成さず、
信長の息子を養子に迎え入れたりするが
早くに亡くなるのである。
天下人の後継者に
実の子に譲りたい秀吉は
信頼出来るはずの甥を
自害に追い込む。
晩年に出来た淀との間に授かった秀頼は、
周囲から見ても異常な程に溺愛し、
もの心つかぬ内から元服させるなど
かなり焦りを生じてた。
めでたくも待望する後継者が
誕生するが、北政所は素直に
よろこばなかった。
子を成さなかった嫉妬ではなく、
疑問を感じたからである。
「秀吉の実の子では無いでしょ」
衝撃的な話し内容である😅
続く🌷