名護屋城に滞在する秀吉は、
表面上は淀の懐妊を喜ばしく思うものの、
自らに子種が無いことを
心得えてる。
豊臣政権を秀次に譲り、
唐入りに専念するつもりでいる。
亡き信長公の遺志を継ぎ、
国内を安寧に導きつつも、
海の外からの脅威への
対処が必要である。
まだ豊臣は盤石では無い、
世襲する後継者がまだ若輩である故に。
その折に、淀がニ度目の懐妊などとは、
些か信じられぬ事実である。
(織田家を取り込む為に、
多少の野心には目をつぶるものの)
天下簒奪と、後味の悪い政権踏襲である。
単に一代限りでは間に合わない。
南蛮の海外進出できる
航海術は脅威である。
明や朝鮮は、それらへの対処や対応は出来てない。
遠い欧州から大挙として船団が現れる前に、
明や朝鮮は押さえておかねばならない。
太閤検地や刀狩への反発が
全国に波及すれば、再び群雄割拠である。
信長が本願寺と和睦する最終的な理由は
取り込みであった。
同じ様に、織田家を潰す事よりも
取り込みを選んだ証として、
淀を側室に招きいれた。
浅井家を滅亡に追い込む重役を担い躍進し、
お市の方が報復を兼ねて輿入れした
柴田家を滅ぼし、
主家への大恩を忘却するかの如く
天下人への立誠出世、
許される訳が無い。
(一度ならず二度までも)
秀吉は、淀の本心が見えた気がする。
(まだ、男子が生まれるとは限らぬ・・・)
秀長、利休、そして産みの親の大政所を
失った秀吉は、この先の不安が根づき始める。
続く🌷