バイオレント・サタデー | キネマの天地 ~映画雑食主義~

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(ほぼ)一日一本のペースで映画の感想を書いてます。

バイオレント・サタデー [DVD]/ルトガー・ハウアー,デニス・ホッパー,ジョン・ハート
¥3,990
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内容:『戦争のはらわた』の監督サム・ペキンパーの遺作となった、ロバート・ラドラム原作のハイテクスリラー。CIAからの要請で、スパイ容疑のかかった3人をパーティに招くTVキャスター。監視された邸宅で不審な動きが始まる…。 (Amazonより)


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はい!今週のサム・ペキンパー は、1983年製作「バイオレント・サタデー」です!

ちなみにこの作品がペキンパーの遺作でございます<(_ _)>




スイスのとあるホテルの一室。男と女が抱き合っている。男がシャワーを浴びている間に数人の男たちが侵入し、女を殺害する。そのシーンをTVでモニターしながら、CIA長官ダンフォース(バート・ランカスター)と側近ステニングスが話している。その会話から、男はCIA部員のファセット(ジョン・ハート)、女はその妻で、KGBのスパイだったことがわかる。男たちはKGBの派遣した殺し屋で、この殺人をダンフォースがKGBと取引して承認したことも判明。ファセットは妻の仇を追い求めて、その間にオメガという組織にぶつかる。オメガとKGB部員ミケロヴィッチがつながっていることを力説し、オメガの実態を明らかにする仕事を自分にやらせてほしいとファセットは長官に訴える。長官の承認を得たファセットは、オメガの3人のうち1人を転向させる作戦を始める。3人とは証券市場のエキスパートのジョセフ・コルドーン、外科医のリチャード・トレメイン(デニス・ホッパー)、TVの放送作家バニー・オスターマン(クレイグ・T・ネルソン)で、3人の友人でTVキャスターのジョン・タナー(ルトガー・ハウアー)の家で週末を過ごすことになっていた・・・(goo映画より)



はい、スリラー調のサスペンス映画です。


気鋭のTVキャスター ジョン・タナー(ルトガー・ハウアー)のもとに、ある日CIAの

エージェント ファセット(ジョン・ハート)からコンタクトが入る。
ファセットが言うには、ジョンの大学以来の友人でありこの週末にも会う事になっている

3人の男達、外科医のリチャード(デニス・ホッパー)、証券マンのジョー(クリス・サランドン)

放送作家のバニー(クレイグ・T・ネルソン)がKGBと接触しているという。そして3人のうちの

誰かを2重スパイとして転向させるために協力して欲しいというのだ。

親友たちがソ連のスパイだなどとにわかには信じがたいジョンだったが、CIA長官

ダンフォース(バート・ランカスター)を自身の番組に出演させることを条件に協力を約束する。

 ・・・そして週末が訪れ、3人がそれぞれの妻を伴いジョンの家にやってきた…ってなお話。



で、感想。



・・・うん、巷では『キラー・エリート』 と並ぶ失敗作」と呼ばれているようですが、

ワタシはなかなか楽しめましたよー。少なくとも「キラー・エリート」よりはずっといいかな。



CIAが監視しているとも知らず、ジョンの邸宅に集まった3人の男たち。ジョンはファセットの

指示のもとに罠を仕掛けていくのですが、事態は思わぬ方向へと転がっていき、

やがてペキンパーお得意のカタストロフへと雪崩込みます。

この辺はまぁ「彼」がなぜそんな迂遠な方法をとったのかとか腑に落ちない部分も

確かにあるけれども、予想出来ない展開は単純に楽しめましたよー♪

序盤の山場であるカーチェイスシーンや、「わらの犬」 を彷彿とさせる怒涛のカタストロフも

迫力ありましたし。映像面では紛れも無く「ペキンパー印」の作品であり、その点では

文句ありません。



ただやっぱり、ストーリーに関してはちょっと“らしくない”ですかねぇ。それは本作が元々

作家ロバート・ラドラム(「ボーン・アイデンティティ」の原作者として有名)の小説を

基にしている事が原因かもしれないけど、基本的にシンプルな筋書きを

センチメンタリズムたっぷりに描いていくのが従来の「ペキンパー節」なのに対し、

本作は「驚くべき陰謀」や「意外な展開」といったサスペンスとしての筋書きそのもので

魅せる感じなんですよね。つまりハッキリ言っちゃうと、クライマックスとなるジョン邸での

カタストロフの後に、ストーリーを収拾すべくもうひとつエピソードが用意されているんですが、

それがどうも尻すぼみっつーか蛇足っつーか、クライマックスがあまりに迫力あったせいか

あまり盛り上がらずに終わっちゃうんですよねー。「彼」の動機も理屈の上では

わかるんだけど、どうも心に響かない。この辺がいまいちヒットしなかった所以かなぁと。




総評。

とまぁ難がある事は確かなのですが、しかし前述のとおりバイオレンス描写の迫力は

存分に堪能する事が出来ますので、言われているほど悪い作品じゃ無かったなと。

ってワケで興味のある方はドゾ!!