天皇賞・春は、二頭人気の一角である⑫ドゥレッツァがまさかの大敗となり、
明暗の分かれた決着となった。
戦前予想 軸 ⑫→⑭ ⇔ ⑤、➆、④、⑥、①、⑨、⑩、⑮、⑰、⑪ (軸外れ)
ドゥレッツァの敗因は「熱中症」かもしれないとの事。確かに暑い日ではあったが
真夏の日本海Sを勝っていたので、内心「その点も大丈夫」と思っていたのだが・・・。
ラップを見てみる。
(菊花賞) 最初の5Fはミドル→次の5Fはスロー→最後の5Fはハイ
(天皇賞春) 最初の5Fはミドル→次の5Fもミドル→最後の5Fもミドル
これを見ると真ん中の5Fで今回は息をつけなかったと思われる。テーオーロイヤルの
マークも厳しく、3,000m時点の通過タイムでは菊花賞より0.9秒速かった。
但、菊花賞を3:03:1で完勝した馬が、半年後に少し淀みないペースに巻き込まれて
失速という事は、同馬の古馬になっての成長度は少し物足りないのかもしれない。
底力が問われるレースだったと思う。
熱中症気味だったとは言え、ガチ勝負となったこの辺りからの失速が残念だった。
厳しいと言われる4歳世代だったが、世代No1と目していただけに、ショックだった。
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一方で、菱田騎手は終始ドゥレッツァをマークし、坂下で相手を見て勝負に行った。
この辺り、馬上で極上の景色を見ていたに違いない。強かったと思う。
前で残せたのがステイヤーの⑭テーオーロイヤルと⑥ディープボンド、最後方位から
猛追したのが⑤ブローザホーンと⑰スマートファントムと言う事で、力と力がぶつかる
見応えのある春天となった。
菱田騎手も岡田厩舎もGⅠ初勝利となり、関係者の皆様はおめでとうございました。
(菱田騎手は福島記念でパンサラッサに騎乗し、同馬を開花させた。またルコルセールで
名古屋城S時にベストレースをしており力量はあった。今後も乗り馬に恵まれて欲しい)
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なお①番のサリエラについては、これまでの競馬ではスローの瞬発力勝負が中心。
よって、ここは流れが厳しいそうだ・・・・と戦前に予想していた。
パドックからテンションが高く、スタート後も力んで走っていた感じ。騎手の力では
どうしようもなかっただろう(12着だったがスタートは出てくれたし、途中で外に出し、
坂の下りまで少し見せ場を作ってくれたのは、武豊騎手だったからと思う)。
怪我をせずに帰ってきてくれて良かったと思っている。
来春3月には引退になる。これから1年弱、何とか念願の重賞を狙って欲しい。
他の馬では、僅か424kgの⑤ブローザホーンは強烈な追い込みを見せた。
淀みなかったとはいえ、あの位置から2着は秀逸。但、最後の直線であの位置からに
なってしまったのは、道中もたつく面はあるという事。秋のJC、有馬で注目したい。
以上、天皇賞春の回顧でした。