(私見です。適宜)
GⅠサラでは、4月分から月会費が倍増になる。
【現行】 1,650円 【2024年4月分(6月6日振替)より】 3,300円
サービスは一緒なのに年間19,800円の負担増加になるので、基本良い話ではない。
但、そのレベルの負担よりも、もっと会員的に厳しい負担が実際には隠れている。
それは、成績が頭打ちになって久しい馬の現役続行を延々続けられるリスクである。
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1勝クラスの事例を2つ。
・ピュアブラッド 6歳セ 尾関厩舎
去勢して3歳7月に勝ち上がり。4歳の厳冬期に東京D2,100mの1勝級を勝たせる
チャンスがあったが勝たせ切れなかった。その後5歳春に同コースで3着が1回だけ。
昨年11月に渾身の仕上げでマーカンドを乗せD2,100mを走らせたが、5着が限界。
絶好の展開で5馬身差で負けたのを見て、これはやはり厳しい・・・と冷静に思った。
しかし、陣営は今年になり急遽障害を目指し始め、なぜか北総Fが出て来て延々調整中
(現地では淡々と飛んでいて、障害馬としてやっていけそうな手応えは微妙らしい)。
・クラックオブドーン 4歳セ 中館厩舎
2歳6月に新馬勝ちを飾ってくれたが、その後体質が弱くて2桁着順続き。去勢して
臨んだ先々週の競馬でも、4戦連続での2秒以上の大差負けとなった。
馬的に先行き厳しい。山元Tに戻り、また時間を要するリフレッシュ調整になった。
これら2頭で、それぞれに最低でも年15万~20万位の維持費がかかる。
会員でいる以上、出資者として先行きの見込みが薄い現役続行を続けられていき、
飼葉代を負担されられる。会費増よりも、はるかに大きな支出になる次第である。
(匿名組合出資の一部だけの解約を認めているクラブは少ないから、この一任運用の
状況からもし抜け出したかったら、退会しか出資者には最終の選択肢がない)。
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(ここからはGⅠサラだけの話ではなく、総論で最近思うに)
出資者から無期限に現役馬の飼葉代をコールできる、と勘違いしている一口クラブが
結構多い気がする (成績がそれほど芳しくなく、馬が売れ残るような先に多いかも)。
飼葉代のコールをし続けて厩舎や外厩等の預託先には資金が入り続ける一方、会員に
1勝や賞金を届けるといった本来の目的からは次第に遠くなっていく、つまり出資側を
主語にしていない一任運用が横行しているように見える。
しかし、これらは出資会員の側からすれば、
「負担が増える=『疲れや嫌悪感』を大小強いられている」という事に他ならない。
馬のために、幾ばくかの猶予をあげて頑張ってみるのは、気持ち的には分かる。
但、期限を切らないで延々と会員の資金で一任運用を続ける事は、利益相反でもあり
違和感がある。
例えば同じクラブの馬を買って、同じスタンスで将来的に債務になる可能性が高いと
思えば、そのクラブで新しく馬を持つ事に「夢」よりも「危険性」を感じるだろう。
一口出資金が、(夢も含めた)資産として維持されるか、将来の潜在的借金になるかは、
各々クラブの資質にもかなり依存すると思う。
出資者の側に立った運営を心掛けているかどうか、各会員の側からも個々のクラブに
冷静な目を向けて、内心で評価してみて欲しい。