前記事の続きです。
知多の終演後、名古屋に移動して
ファン友さんと名古屋メシのお店で早めの夕ご飯を食べて別れました。
時間的にも、このまま名古屋のホテルに泊まるのが理想的でしたが
週末の名古屋のホテル、どこも高い!![]()
せんくらの時の仙台といい勝負![]()
なので、この日のうちに移動して
岸和田近くのホテルに泊まることにしました。
あとで、名古屋在住のファン友さんに教えてもらって分かったことですが、
名古屋のホテルのこの高騰、現在開催されている、アジアパラリンピックの影響なんだって。
約2時間かけて、ホテルに移動。
近未来みたいなホテルは、広くて清潔。
夜景が見渡せるビアガーデンがあると聞いて行ってみました。
うわ、素敵♪
ビアグラス型のテーブルライトがガラスに反射して、街灯のよう。
正面に見える、金色のお月さま。
テラスの床が、ちょっとピアノの鍵盤みたい。
気候もちょうどよく、幻想的な光景に、しばし日常を忘れます。
この後行った大浴場も最高でした。
翌朝も、お風呂やサウナにたっぷり入りました。
心地よすぎて、3~4時間くらいいられそう(〃▽〃)
名古屋の相場の3分の1のお値段だし、今回のホテル選び、大正解でした![]()
時間に余裕もあったので、ゆっくり目にチェックアウト。
しっかり休んだし、サウナで整えたし、聴く準備もバッチリです。
今から向かうのは、こちらの演奏会。
2026年10月18日(日)14時開演
前田妃奈&牛田智大 デュオ・リサイタル
南海浪切ホール 大ホール(大阪)
牛田くんが、この会場でコンサートを行うのは、3年目のソロリサイタルに続いて今回で2回目です。
↓その時の記事
今日も秋晴れのいい天気。羽毛のような雲がかっこいい。
駅に向かって歩いていたら、踊りの衣装を着た人たちとすれ違いました。
賑やかな広場の方に行ってみると…
どうやらよさこい祭りらしい。
今日は、お祭り日和だしコンサート日和![]()
到着しました、南海岸和田駅。
駅舎の天井には、だんじり祭りのステンドグラス。
駅前の、この商店街を突っ切って、まっすぐまっすぐ行けばいいのよね。
岸和田には、こんなイケてる岸和田城もあるんだって。
おっと、私の好物、マンホール(〃▽〃)
描かれてるのは、岸和田城と市の花のバラ。
カラーもありました。
小さめのこちらにも、バラの花。
真ん中の「不」みたいなのは、岸和田の市章。
駅から歩いて約15分。着きました、南海浪切ホール。
ホールの前に小さな神社があるんですよね。
今回も、演奏会の成功を神様にお願いしました。
奥に見えるのが本日の会場。
今回もありました。長い長~い垂れ幕。
ロビー入り口に、躍動感あふれるカラフルな紙の馬。
立体紙切り師・辻笙(つじ・しょう)さんが制作した「馬」のアート作品。
「物事が“うま”くいくように」という願いが込められているんだって!
ポスターの隣には、練習風景の動画が流れ、CDの販売もありました。
CD購入者の中から抽選で、サイン色紙が当たるらしい。
南海浪切ホール 大ホール(1552席)
(画像お借りしました)
オレンジ色の木と、赤いシートが明るく華やかな印象のホールです。
舞台中央に置かれたピアノ。
…んっ?!
なんと珍しい、ベーゼンドルファーです。
プログラム
♪フランツ・シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲 ハ長調 D934
♪ジュール・マスネ:タイスの瞑想曲(タイスの幻想曲)
♪エルネスト・ショーソン:詩曲(ポエム) Op.23
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪セルゲイ・プロコフィエフ:5つのメロディ
♪セルゲイ・プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調 Op.94a
曲解説が、とっても分かりやすい!と思ったら
今回も、ホールアンバサダーの原由莉子さんによるものでした。
プログラムに印刷された曲目を眺めながら
タイスの瞑想曲のところに「編曲:牛田智大」と入れないところが、謙虚な牛田くんらしいな、と。
開演時間直前に、袖の方から確認するようなヴァイオリンの音が聴こえました。
登場しました。妃奈ちゃん、そして牛田くん。
今日もニコニコ笑顔の妃奈ちゃんは、チラシの写真でも着ている、シルバーとゴールドのモザイク模様のドレスです。
シューベルト:ヴァイオリンとピアノのための幻想曲
牛田くんのトレモロが始まって
ヴァイオリンを構え、上の方を見上げる妃奈ちゃんの姿が神々しい。
湧き水のようなピアノの音色にヴァイオリンのロングトーンが乗っかると
浄化されたような神聖な空気に、敬虔な気持ちになりました。
アヴェ・マリアみたい…。
イメージするのは、石造りの教会。
ステンドグラスから射す光。
幼子を抱いたマリア像。
ああ、なんて清らかな時間…。
まるで小さなシロフォンのように、軽やかに転がるピアノの音色。
澄み切っているのに、あたたかい。
この、上質で本物の音楽の前に
ごまかしなんて通用しない。
ひざまずいて、懺悔したいような気持ちにかられます。
音楽が躍動する直前のヴァイオリンの高音。
もしかして、私がもっと年を取ったなら、聴き取れなくなるかもしれない(^^;)
スピードをつけて駆けていく、軽快な両者の掛け合い。
挨拶を交わすように何度も呼び合っているけれど
その一つ一つが微妙にトーンが違ってる。
ピアノが変わると、ヴァイオリンも変化する。
まるで鏡に映しているみたい。
ゴールを目指して全速力で伴走するように
ハイスピードで止まらない音楽。
牛田くんのピアノに合わせ、拍子を取るように膝を曲げる妃奈ちゃん。
音楽を心から愛し、楽しんでいるのが伝わってくる。
子守歌を奏でるような挨拶のテーマ。
ゆったりとした旋律が、様々に姿を変えていく。
流れ星のようなピアノの上で
ピチピチ跳ねるピチカート。
ヴァイオリンって凄いね!
弓を引いて出す音と、指ではじいて出す音は
まるで違う楽器みたい。
丁々発止。
刺激し合い、互いに高め合っている。
にこやかで、楽し気で、幸せそうな妃奈ちゃんが演奏する姿は
目にも楽しくて、思わずにっこりしてしまう。
再び牛田くんのトレモロと
ロングトーンで奏でる主題。
でも、ヴァイオリンの音は、最初の時より低めかな?
人生のドラマを見ているみたい。
若い日に見た景色を
同じ場所に立って眺めているけれど
様々な経験を経て見る光景は
あの頃とは少し違う。
目元に刻まれた皺。
髪に混ざる白いもの。
骨ばった指。
あの頃よりも、低い声…。
ああ、そしてとうとう苦悩を突き抜けた!
手に入れた自由。
歓喜の叫び。
爆発するエネルギー。
根底に流れ続ける清らかさに
シューベルトの人生を重ねてしまう。
ゆっくりと助走をつけたあと
一気に駆け抜ける力強いフィナーレ。
鍵盤から指を離した牛田くんと
弓を持った妃奈ちゃん。
2人の腕が、同時に高く上がりました。
ああ、最高!
素晴らしかった。素晴らしかった!
まだ1曲目なのに、もうすでに涙が出そう。
素晴らしいピアニスト!
素晴らしいヴァイオリニスト!
挨拶をして、一度袖に消えた二人は
それぞれ手にマイクを持って登場しました。
今日もトークがあるのね?随分早いなあ…。
「皆さん、こんにちは。ヴァイオリニストの前田妃奈です」
「牛田です」
「本当は、しゃべる予定なかったんですけど、疲れちゃってー(笑)
幻想曲、本当は1曲目でやる曲では絶対ないんですけど、どうしても牛田さんのトレモロから始めたくって、『いい?』ってお願いしちゃいました。
25分もあるので、遅れて来た人、終わるまで入れなくてごめんなさい。
でも、難しくて、『どうする?曲変える?』って何度も言いました。」
「このプログラムは、ほとんどが彼女の希望なんですけど…」
と、牛田くんが話すと、あらぬ方向を向いてとぼけて見せる妃奈ちゃんのお茶目な様子に会場から笑いが起こります。
「大変なのは彼女の方なので。彼女が出来なければ出来ないので…」
大きな声で豪快に笑う妃奈ちゃん。
太陽みたいなヴァイオリニストです。
マスネ:タイスの瞑想曲
美しく優しいこの曲が、牛田くんの編曲だと知ってから、さらに愛おしい。
伸びやかなヴァイオリンの旋律を引き立てるように
シンプルで、決して前に出ることのない、せせらぎのようなピアノ。
けれど、この上なく美しい…。
あ、涙腺が…。
この優しい音楽に、このままずっと身を委ねていたい…。
最後は、「アーメン」と聴こえました。
ショーソン:詩曲
やっぱり最初のピアノは不穏な空気。
灰色の布にぽとりと落ちて、滲んで広がる不安のシミ。
乾いたヴァイオリンの音色
寂しい。どうしようもなく寂しい。
胸に広がる寂寥感。
解説には、男女の三角関係の物語だとあるけれど
私の脳裏に浮かぶのは、なぜか乾いてひび割れた土。
日照り。干ばつ。
枯れた草。白い動物の骨。
容赦なく照り付ける、黄色い太陽。
太陽みたいなヴァイオリニストが見せる
険しい表情。鋭い音色。
やがて、自然は猛威を振るう。
嵐 洪水
揺さぶられ、ぱっくりと口を開ける大地。
ピアノだけの演奏になると
切れた弓の糸をむしり取り
ちぎって捨てる姿も迫力がある。
やがて、静かに幕を閉じていく。
これが自然の摂理なんだと
絶望を受け入れるように…。
「ポエム(詩)」というタイトルの曲なのに
白昼夢のような物語を見ていました。
音が消え、数秒の静寂の後
我に返ったように拍手が起こりました。
枚方では、フライング気味の拍手だったので
大阪のお客さんはせっかちなのかしら?と思ったけれど
どうやら私の勘違いだったみたい。
今日の拍手のタイミング
私はとっても心地よい。
休憩が終わると、妃奈ちゃんは片手にヴァイオリン、片手に緑色の表紙のプロコフィエフの楽譜を持って登場しました。
牛田くんの手には2本のハンドマイク。
わー、またトークしてくれるんだ!
「…ということで、後半ですが、プロコフィエフの紹介をお願いします。」
と、いきなり牛田くんに振りました。
えっ!とギョッとした感じの牛田くん。
ピアノの背もたれに片手を置いて、背を丸めるようにして話します。
「5つのメロディは、元々はヴォカリーズと言って、歌詞のない歌のために作られた曲です。
ソナタ2番は、元々はフルートのために作られた曲です。
当時の作曲家たちは、ヴァイオリンの低音を好みました。
そんなところも楽しんでいただけたらと思います。」
時々助けを求めるように妃奈ちゃんの方に目をやって話す牛田くんは
なんだか苦しそうで、困り果てたおじいさんみたい(笑)
そんな牛田くんを愉快そうに見ている妃奈ちゃんは
かかとを上げたり下げたりしながら余裕の表情です。
牛田くんが話し終わると
「特に私は話すことがないので、後半も楽しんでくださーい♪」
と、あっさり締める妃奈ちゃん。
もう牛田くん、完全に妃奈ちゃんの手のひらで転がされてるじゃん!🤣
5つのメロディは、妃奈ちゃんの音色の美しさを堪能しました。
元々が、ヴァイオリンのために作られた曲でないのが、かえって不思議なくらい。
5曲の中で、私が特に好きなのは、2曲目。
日本的な要素を感じる始まりのピアノ。
指で弦をはじくヴァイオリンの音色は、琴のよう。
思い浮かべるのは、里山の秋。
枯れ葉を踏んで、カサカサ音を立てながら、分け入るように進んでいく。
突然視界が開けた先に
流れる滝。
色鮮やかな紅葉。
金色の世界。
流れる水の上を、すべるように進む、もみじの葉。
最後の曲、ヴァイオリン・ソナタ第2番。
プロコの音楽って、ちょっと独特で皮肉的。
ゆったりと、たゆたうように始まって
リズムを変えて、表情を変えて
気まぐれなのか 意図的なのか
どこに着地するか分からない。
原色に灰色を混ぜてアースカラーにしたような
洗練された世界観。
太陽の下というよりも
月の光が似合いそう。
第四楽章は、子供の指練習みたいに聴こえるところがあって
サン=サーンスの《動物の謝肉祭》の「ピアニスト」を思い出しました。
やがて爆発するエネルギー。
力強い牛田くんの打鍵。
演奏しながら、素早く譜めくりする妃奈ちゃんの髪が踊ります。
もはや何かに取り憑かれたみたい。
暗闇の中を夢中で駆け抜けるように
ゴールに向かってラストスパート!
湧き上がる拍手とブラボーの声。
ああ、凄かった!
同時にゴールテープを切ったアスリートのように
上気した顔で、互いに拍手を贈る二人。
やりきった!という達成感が、輝く表情からうかがえます。
今日の素晴らしい演奏会の一部始終を
言葉で再現できないことが本当に残念です。
仙台、知多、岸和田と
今日のプログラムを聴くのは3回目になるけれど
回を追うごとに磨きがかかってる。
太陽と月のように、タイプの違う二人が
互いの魅力を引き出し合って、化学反応を起こしてる。
二人にしか創り出すことのできない世界。
もっと聴きたかった。
聴くごとに、作品への愛着が深まってきたのに。
3回じゃ足りない…!(ToT)
アンコールは、昨日と同じ、モリコーネの『愛を奏でて』。
そう、牛田くんの編曲です。
優しくて、あったかくて、せつなくて…。
うえ~ん、また聴けて嬉しい!😭
舞台に登場する時も、袖に入る時も
いつも妃奈ちゃんが先でした。
アンコールの時だったか、カーテンコールの時だったか
妃奈ちゃんは、嬉しそうに小さく飛び跳ねて登場しました。
牛田くんは、そんな彼女に、常に光を与えているように見えました。
今日も最後は妃奈ちゃんが舞台前方に立ち
彼女より、かなり後ろに立った牛田くん。
まるで示し合わせたみたいにピッタリのタイミングで
同じ長さで、同じ深さで、お辞儀をしました。
顔を上げた牛田くんの前髪が、目にかぶさっていました。
おめでとう!
縦だけではなく、今度は横方向にも
音楽の幅を広げたんですね。
来てよかった。
本当によかった!
熱気に包まれたホールで拍手を贈りながら
急に母みたいな気持ちになって、涙がこみあげてきてしまった。
嬉しくて
嬉しくて…。
南海浪切ホール Xより
【終演しました🤗】#前田妃奈 &#牛田智大 デュオ・リサイタル
— 南海浪切ホール (@Namikiri_hall) October 21, 2026
お二人のこだわりが詰まったプログラムの熱演!仲の良さが伝わるトークもあり、温かい演奏会となりました😊🎵
少しばかりですが、公演2日前にお誕生日の牛田さんをお祝いしました👏
ご来場の皆さまありがとうございました🙏 pic.twitter.com/zwyidjFjHx

























