行ってきました。
2026年6月20日(土)14時開演
東京交響楽団(指揮:原田慶太楼/ピアノ:牛田智大)
ハーモニーホールふくい(福井)
さあ、とうとうラヴェル初披露ですよ、牛田くん!(≧∇≦)
パリに拠点を移してから、初のフランス作品です。
が、しかし、
コバケンのチャイ5とダニー・ボーイにすっかり魅了され
予定外のフェスティバルホールに行ったりコンサートレポ書いたりしてたら
予習する時間がなかった…![]()
もうずいぶん前、牛田くんがこの曲を演奏するという情報が出たばかりの頃に
夕飯を作りながら1度だけ聴いてみたのですが
その時の印象として憶えているのは
何楽章だったか忘れたけどゴジラ🦖のテーマに似てる!ということだけ。
この日、天気は朝からガッツリ雨![]()
早起きして、朝6時台に家を出ました。
私、福井に行くのは3年前のリサイタル以来、人生で2回目です。
行きの北陸新幹線「かがやき」は満席でしたが
赤いシートがゆったり広々とした印象でした。
長野 → 富山 → 金沢 → 福井 …
忘れてたけど、福井って遠かったのね…(^^;)
新幹線の中で、付け焼刃の予習をしました。
チャイ5は打楽器がティンパニーだけだったけど
この曲はいろんな楽器が使われるらしい。
私の親友のニックネームと同じ名前の「タムタム」って何?
へー、銅鑼の仲間かあ…。
全楽章通して約20分?
第3楽章なんて、たったの3分?!
みじかっ!![]()
鞭の音から始まる…?
む、ムチ…?![]()
ゴジラっぽいイメージだけでもインパクトあったのに
なんかいろいろ斬新(^^;)
そもそも、なんで「第1番」とか「第2番」とかじゃなくて、「ト長調」って呼ぶの?
ラヴェルが作曲したピアノ協奏曲って1曲だけ?
…と思って調べてみたら、同時期にもう1曲作ってます。
『左手のための協奏曲』。
第一次世界大戦で右腕を失ったピアニスト、パウル・ヴィトゲンシュタイン のために書かれたもので、
全楽章長調の「ト長調」とは対照的な暗くて重苦しい曲らしい。
ついでにラヴェルという人物像についてもお勉強してみました。
若い頃から挫折を味わったり、交通事故に遭ったり、結構大変だったのね。
晩年は、文字が書けなくなったり、記憶障害や失語症を発症し
頭の中では作品が出来上がっているのに、それを表現する手段がなく
脳の手術をしてそのまま亡くなったというのは、なんとも痛ましい…![]()
ちなみにこういう人。
あら、スマートなイケオジ。
…無知って、いちいち新鮮でいいッスね(///∇//)
到着しました、福井駅。
改札を出ると、視界に飛び込んでくる骨の恐竜。
さすが、恐竜王国!
レゴブロック製の恐竜。
名物、焼き鯖寿しの自動販売機。
前来たときはかにめしでした。
駅前の恐竜に会いに行ってみよう♪
東口のトリケラトプスの親子
西口の壁画
福井で生息していたというフクイティタン
フクイラプトルとフクイサウルス
ほかにもいっぱいいましたが、雨脚が強くて諦めました。
アスファルトに水たまりが出来てます。
お土産屋さんを見ていたら、こんな愉快なメガネ型の堅パンが。
福井はメガネの生産地としても有名ですもんね![]()
博識なファン友さんによると、新幹線が開通するまでの福井駅は閑散としていたそう。
新幹線のおかげで大発展したんですね。
福井に来たらぜひとも食べたかった、新鮮なお刺身でお昼ごはん。
美味~!
特にえび。甘くてとろけそうでした♡
福井駅前から、路面電車の福武線に乗って会場へ。
到着しました。福井県立音楽堂。
三角お屋根のデザインは、雪国、福井の民家をイメージしたものだそう。
エントランスのドーム型の天井が素敵。
ハーモニーホールふくい(福井県音楽堂)大ホール(1456席)
(画像お借りしました)
素敵~!![]()
私、大ホールに入るのは今回が初めてです。
上品さとぬくもりを感じるシューボックスタイプのホール。
舞台前方には大きなパイプオルガン。
ソフトな色調の木の壁と床、曲線を描いたピンク色のシート。
前方に円形のシャンデリア、後方には天井から吊り下がる6基のシャンデリア。
2階席がぐるりとホール全体を取り囲んでおり
明るく親しみやすい雰囲気です。
今日も客席はほぼ満席。
P席には、白い夏服を着た高校生の姿がたくさんありました。
舞台の上には黒い椅子と譜面台が並び
ピアノはハープの隣にありました。
オルガン、シロフォン、トライアングル…
たくさんの楽器が並んでいます。
プログラム
♪J・ウィリアムズ:「スター・ウォーズ」組曲から
Ⅰ.スター・ウォーズ メイン・タイトル
Ⅱ.帝国のテーマ(ダースベーダーのテーマ)
Ⅲ.王座の間とエンド・タイトル
♪ラベル:ピアノ協奏曲 ト長調
第1楽章 アレグラメンテ
第2楽章 アダージョ・アッサイ
第3楽章 プレスト
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
プロムナード
Ⅰ.こびと
プロムナード
Ⅱ.古城
プロムナード
Ⅲ.テュイルリー宮殿の前庭
プロムナード
Ⅳ.ビドロ
プロムナード
Ⅴ.殻をつけた雛の踊り
Ⅵ.サミュエル・ゴールデンベルクとシュミュイレ
Ⅶ.リモージュの市場
Ⅷ.カタコンブ/死者とともに死者の言葉で
Ⅸ.バーバ・ヤガーの小屋(鶏の足の上に立つ魔女の小屋)
Ⅹ.キエフの大門
冒頭から「組曲」で3曲も?
あ、そうか。協奏曲が短めだもんね。
プログラムには、こんな注意事項の紙もはさんでありました。
水を連想させる、ちょっと不思議なメロディが流れ、アナウンスがあったあと
団員が舞台に登場しました。
メガネをかけた細身の男性コンマス、シュッとしていて素敵でした。
音合わせをする姿もなんだか優雅で品があります。
客席が暗くなり、虹色に輝いていた天井のシャンデリアがオレンジ色に変わりました。
待ってました!原田マエストロ。
黒いスタンドカラーのシャツと黒いパンツ。
牛田くんとの共演は今回で3回目になりますが
わたくし、初めてこの方の指揮を見た2024年1月の和歌山で
オケにダイブしそうな勢いある指揮にすっかり魅了され
この方の指揮を見るのを、とっても楽しみにしていたんです♪
↓そのときの記事
すごっ!
笑いながらタクトを振っている。
聴こえないけど歌ってる。
大きく開けた口から歯が見える。
指揮がキレッキレ!
ピカピカのエナメルの靴。
満ち溢れるエネルギーを持て余すように
身体全体が躍動してる。
なぜかアレを思い出す。
アレよ、アレ。名前なんだっけ?
あ、分かった。フラワーロック🤣
タクトを持った右腕なんて
骨がないのかと思うほどハイスピードで柔軟な動き。
想像以上のエネルギーと
ダイナミックで楽しそうなその様子に
思わず口許がほころんでしまう。
イカん、目が奪われて音楽が入ってこない…(^^;)
一曲目が終わると思わず拍手が起こり
マエストロは客席を振り返って
「まだあります!」と(笑)
2曲目のダースベーダーのテーマに入ると、表情がキリッとやや厳しくなりましたが
エネルギッシュなのは相変わらず。
「パパパパパ…」と、楽しそうに歌っています。
耳をすませばここまで聴こえてきそう。
やっぱりどことなくラン・ランと似てるなあ…。
圧倒されてる間に、スター・ウォーズ組曲が終わってました(^^;)
そのまま協奏曲に入るかと思いきや、ハンドマイクを手にしたマエストロが話し始めました。
「皆さん、こんにちは。
今日は雨で湿気もあって暑いですね。
東京だと雨が降るとお客さんが4割来なくなるんですが、今日は満席、素晴らしい!
実は、私たち東京交響楽団は、ここハーモニーホールふくいでの演奏は今日が初めてです。
素晴らしいホールですね!こんな素晴らしいホールを持っている皆さんこそがブラボーです。
しかし、福井のお客さんは若いですねえ。いつもはP席にはお年寄りが座っていることが多いのに
どこの高校?誰か一人答えて。男子!」
P席の客席から
「福井高校です」
という男子生徒の返事がありました。
マエストロ、めっちゃ喋るやん…(^^;)
あまりにいっぱい喋るので、内容全部覚えるのは不可能でしたが、そのあともこんな感じのお話をされました。
・ジョン・ウィリアムズとは初めて会ったときに仲良くなってアイスクリームを食べに連れて行ってもらった。
・今日のプログラムはラヴェルつながり。軍隊に入ったり、最愛の母を失くして失意の中にいたラヴェルは、その後アメリカに行った。そこで出会ったガーシュウィンの音楽からインスピレーションを得て作曲されたのがピアノ協奏曲ト長調。
「今日のソリストは牛田智大さんですが、なんと、彼がラヴェルの協奏曲を弾くのは初めてだそうです。
『君の弾いたことのないコンチェルトは何?』と、ウッシーに訊いてみたところ、『ラヴェルを弾いたことがないのでぜひ弾かせてください』というので、この曲を共演することになりました。今日はウッシーも初、私たちもこのホールが初ということで、初&初で行きたいと思います。
ラヴェルの協奏曲は、その後日本でアイドルを誕生させました。誰だと思います?」
ピアノのところに行って、第三楽章の、あの三音を弾きました。
そう、ゴジラのテーマ。
「そうです、ゴジラです!芥川さん…じゃなくて伊福部さんがパクったんですよ(笑)」
私の気のせいじゃなかったんだ…(^^;)
(ときに、ゴジラって恐竜とは違うんですよね…?)
・「展覧会の絵」は、ムソルグスキーが友人の建築士ハルトマンの追悼のために開催された絵画展の絵からインスピレーションを得て作った曲。もともとはピアノの独奏曲だが、何百人もの手によってオーケストラ用に編曲されている。今日演奏するのはその中でもラヴェルの編曲によるもの。絵画と絵画の間を歩くような感覚で聴いてください。
つまり今日は、
アメリカに縁の深い原田マエストロと、アメリカの映画音楽
アメリカ音楽にインスパイアされたラヴェルのピアノ協奏曲と
ラヴェルが編曲した「展覧会の絵」
という、「アメリカ&ラヴェル」という共通テーマに基づいたプログラムなんですね。
なるほどー。
しかし…
脂の乗り切ったマエストロの
ギラギラの指揮とノリノリのトークに
少々胸やけが…(^^;)
ハープの横に位置していたピアノが舞台中央に移動して
注目の中、ウッシーが登場しました。
おっと、本日もメガネ姿です。
メガネ
の産地、福井に敬意を表しているのでしょうか?
…いえ、関係ないと思います(〃▽〃)
初披露、緊張してるかな?
頑張れ、牛田くん!
予習した通り、ピシッ!という鞭の音で始まりました。
私のところから見える牛田くんは、身体が斜めになって、あんまり見たことがない構え。
上へ下へと鍵盤を撫でるようなグリッサンド。
軽快なテンポで奏でる、小気味よいオーケストラ。
鉄琴とトライアングルの音色が効いてます。
水槽のなかで光が屈折し、ちょっと歪んで見えるような不思議な音楽。
敢えて秩序から外れていくような
やや不協和音のような
ジャズっぽくもあり、どこか和っぽくもあり
初めての私には、なんというか、つかみどころがない…。
牛田くんの指が軽快に動いているけれど
オーケストラ越しに聴く私の場所からは、あまりしっかりピアノの音が聴こえないのと
様々な楽器、マエストロの表情や動き
いろんな情報がありすぎて
なんか、あんまり入ってこない…。
ちょっと不思議な音楽。
まな板の上で
透明なイカを料理しようとすると
にゅるりと滑って逃げ出すような…。
不思議なピアノの余韻のバトンを引き継ぐハープ。
ショパンの時とはまったく違う響きのトリルを右手で奏でながら
さざ波を背景に旋律を奏でる左手は一人二役?
ちょっと魔法を見ているみたい。
長調だけど
底抜けに明るいかと言えばそうではなくて
ひねりの効いたおしゃれな感じ。
徐々に大きくなって、シンバルの音が聴こえ
ボワン!という感じで第一楽章が終わりました。
黒っぽいタオルで手のひらを拭う牛田くん。
第二楽章は、長いピアノの独奏から始まりました。
ゆったりとした三拍子。
どこか懐かしく
海や大地、風などの自然を連想するというよりは
もっと日常的な感覚。
ふと、保育園の頃のことを思い出しました。
オルガンで先生が弾いていた曲が
「乙女の祈り」だったのか「エリーゼのために」だったのか忘れたけれど
母がいつも弾いている曲で
それを聴いたら、急に母が恋しくなって
おうちに帰りたいと泣いて先生を困らせたこと。
情熱に溺れることも
感情の吐露もない。
おしゃれで、ちょっと皮肉っぽい音楽は
なかなか本音を見せてくれません。
割れた鏡の欠片に映る光のような
繊細で複雑な乱反射。
蛇口から流れる細い水の筋のように
静かに絶え間なく続く音楽。
昼下がりの白い壁で
揺れる光の影のような
長い長いトリル。
第二楽章が終わりました。
突然、勢いよく走り出す、軽快な第三楽章の始まりは
ちょっとグリーグのコンチェルトの第三楽章を思い出しました。
来た来た。ゴジラの登場だ。
あ、また聴こえた。これも鞭の音?
オーケストラの向こうで
メガネをかけて、知らない曲を弾いてる牛田くんは
なんだか知らない人みたい…。
今度は木管楽器が奏でるゴジラのテーマ(っぽいやつ)。
鍵盤の上でアクロバティックに動く牛田くんの指。
あっという間に終わってしまった…。
立ち上がり、マエストロとガッチリハグを交わす牛田くん。
こんなところもアメリカン。
「よくやった!」というように、マエストロが彼の肩をポンポン叩いています。
次いで、コンマス、副コンマスと握手。
彼がピアノの前に立ってお辞儀をすると、会場は大きな大きな拍手で沸きました。
やったね、牛田くん!
おめでとう、牛田くん!
けど、私
牛田くんの初出しのとき、いつもだいたいそうなんですが
「人見知り」ならぬ「曲見知り」しているうちに終わってしまった。
ぶっちゃけ、ちょっと置いてけぼりをくらった気分。
ジャジーでシャレオツな、シン・トモハルを味わい尽くせなった…![]()
拍手に応え、牛田くんが舞台袖から登場すると
彼にアンコールを弾くようにと促したマエストロは
ユーモアたっぷりにピアノ椅子の座面の埃を払うようなしぐさをして会場を沸かせました。
ブラームス:Op.118-2。
マエストロは指揮台の隅に腰かけて
超至近距離で聴いています。
照明が明るく感じるな、ということと
こんな至近距離で見つめられたら
やりづらいんじゃないかと私の方が気になって
演奏に没入できませんでした(^^;)
そして、正直に打ち明けると
ついこの前のコバケンの小さな背中を思い出して
なんか恋しくなっちゃった…![]()
カーテンコールで何度も登場した牛田くんは
マエストロやオーケストラに手をかざし
最後は二人並んで握手しました。
客席に向かって腕を回し、「もっと拍手を送れ!」と煽るマエストロ。
暑苦しー(^^;)
休憩後の「展覧会の絵」
冒頭の、プロムナードを奏でるトランペットの音色がとても綺麗でした。
けれど私はなぜか集中力が途切れてしまい
前半・後半共に感性の扉が開きませんでした。
もちろん、演奏が悪かったわけではありません。
受け取る側の私自身、様々な条件が重なって入り込めなかったんです。
聴いていた場所の音響とか
視覚的要因とか
勉強不足とか。
そして多分、魂が震えるほど感動した
先週の読響&コバケンの余韻にまだどっぷりと浸かっていたんです。
脂の乗り切った分厚いサーロインステーキもいいけれど
今の私には、米沢牛のしゃぶしゃぶの方がしっくり来る。
…みたいな?(^^;)
あとは作品の質の違いでしょうか。
先週のショパンとチャイコフスキー。
どちらもロマン派直球ど真ん中。
若くて熱い情熱や、赤裸々な心のひだを感じる作品に
私自身、同化するように入り込んでしまったけれど
感情を封じ込め、洗練されたラヴェルの美学。
耳で絵画を鑑賞するような「展覧会の絵」。
「入り込む」というよりは、作品との適度な距離が必要な気もします。
近づきすぎるのではなく、一歩引いて眺めることで見えてくる作品の美しさ。
まだ未熟者の私には、その魅力をまだ十分に受け取れていないのかもしれません。
牛田くんのラヴェルは、始まったばかり。
きっとこれから聴く機会ががくさんあるでしょう。
楽しみながら、この作品との距離を縮めていきたいと思います(*^.^*)
新幹線までまだ時間があったので、郷土料理と地酒をいただきました。
エヘヘヘ…(///∇//)ヒック
お土産に買った、松岡軒の羽二重餅
お・ま・け
ゴジラのテーマ
🦖 🦖 🦖 🦖 🦖 🦖 🦖
コンサート情報です。
2026年10月17日(土)
知多市勤労文化会館 つつじホール(愛知)
前田妃奈&牛田智大 デュオリサイタル
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventCd=2622969
(^-^)ノ~~



























