行ってきました。
2026年6月17日19時開演
読売交響楽団 第44回 大阪定期演奏会
フェスティバルホール(大阪)
行ってきちゃったんですよ、結局。
今回、大阪は行くつもりなかったのに
14日の横浜、16日のサントリーホールに足を運んだら
牛田愛はもちろんなんですが
コバケン愛が止まらなくなってしまって…(///∇//)
今年10月にもお二人の共演はありますが
私はもう、どうにもこうにもコバケンさんと読響が奏でるチャイ5の虜になってしまったんです。
この1ヶ月半ほど、なぜか内へ内へとベクトルが向いて
人と連絡を取ることもあまりなく
断捨離や読書にいそしんでいたワタクシに
再び牛田くんのコンサートが火をつけました。
直前でしたが、かろうじて3階席に10枚ほどチケットが残ってました。
夜公演なので、日帰りは厳しい![]()
調べてみたら、会場付近にホテルはたくさんある。
それでも自分の気持ち&体力とちゃんと相談しようと、ギリギリまで予約を入れずにいたところ
なんと、私が目を付けたホテル、直前の割引で3千円台にお値下げしてました!![]()
当日の朝の空もご覧の通りピッカピカ![]()
大阪の牛田くんの演奏会と言えば、これまでザ・シンフォニーホールがほとんどでした。
今回初めてのフェスティバルホール。
写真で見るとかなり素敵です。
一体どんなところなんでしょう?
新大阪駅に着くと、改札まで関西在住のファン友さんが迎えに来てくれました。
今回私が大阪行きを決めたもう一つの理由は
前からフェスティバルホール行きを決めていた彼女に会いたかったから。
急遽私が行くことになったと知って大喜びしてくれたファン友C子、
あいかわらず方向音痴で、今回もなぜか行ったことのない私が案内することに🤣
着きました。ホールのある大阪市北区中之島。
中之島は、2つの川に挟まれた細長い中洲です。
さっそくレアなポスト発見!
オフィス街で、大きなビルやレトロな建物がたくさんあるという中之島。
日本銀行大阪支店旧館
うわ、素敵!建物好きの血が騒ぎます![]()
大阪市中央公会堂
ちょっと東京駅に似ています。
今でもイベントやコンサートに使われているのだそう。
中之島図書館
三井住友銀行大阪本店
大同生命大阪本社ビル
すご~い!![]()
なんか大阪のイメージが覆ったわ!
広々として、洗練された街。
東京とちょっと違うな、と思うのは
ビルがどれもどっしりと大きくて、十分な敷地の上に建っているということ。
私、来る前はこんなわちゃわちゃした感じをイメージしてました(笑)
あ、ありましたよ。フェスティバルホール。
ホールの上は高いビル。
まだ時間があったので、これまた素敵なダイビル本館のお店でお茶することに。
なんか、こんな建物たくさんある街を歩けただけでも来た甲斐あったわ![]()
レトロな喫茶店でいただいたスペシャルなスイーツ![]()
開場時間も過ぎたので、ホールに向かいました。
高い柱が並ぶビルの脇を通ってホールの入口へ。
どひゃあ~!![]()
赤い絨毯の敷き詰められた階段を上り
近未来に続くような、長ーいエスカレーターを上ってホールの入口フロアへ。
ここにも敷き詰められた赤い絨毯。
ポスターにも使われている情熱の赤。
さらにエスカレーターをあがって客席へ。
フェスティバルホール(2700席)
(画僧お借りしました。集合体恐怖症の方、大丈夫ですか?(^^;))
す・すすすす…
素敵ぃ~!![]()
![]()
(私は平気です)
広々とした敷地面積をふんだんに使ったホールの座席は2700席!
普通、大ホールの席数って1500~2000席ほどですから、この大きさは異例です。
階段やロビーの絨毯と同じく、シートの色は薔薇のような深紅。
女性スタッフの制服のジャケットも目の覚めるような赤色です。
繊細な彫刻が施されたような木の壁の凸凹は、3階席のすぐ横まで続いています。
そして、なんですか?このオペラハウスで貴族が座るような特別なBOX席は!
フェスティバルホール、スゲ~!![]()
この壁の凸凹は、単なる飾りではなく音響反射板。
カナダ産の米栂(カナダツガ)という木が使用されており、ステージの床は神奈川県産ヒノキ、こげ茶色の客席床はインドネシア産のローズウッドというこだわりよう。
ちなみにこのホール、実は1958年(昭和33年)に開館した歴史あるホール。
老朽化のため2008年に一旦閉館し、2012年に中之島フェスティバルタワー内にて再オープンした二代目ホールなのだそう。
「天から音が降り注ぐ」という謳い文句の音響は、残響が満席時で1.8秒。
日本のクラシックファンの間でもかなり評価が高いらしいです。
広々としたステージの上には、巨大な積み木で作ったようなひな壇が設けられ
椅子や楽器が並べられていました。
オペラグラスで覗き込んでみると、ピアノのロゴはスタンウェイ。
椅子は背もたれのあるタイプです。
本日の様子はテレビ放映されるそうで、
舞台の端3か所に、高さ1メートルもありそうな大きな台が置かれ
その上にカメラと撮影用スタッフがスタンバイしてました。
(放送情報、のちほどお伝えします)
プログラム
さっき初めて気付いたのですが、名誉顧問のところに高円宮久子殿下のお名前がありました。
♪ショパン:ピアノ協奏曲第2番 ヘ短調 作品21
~ ~ ~ 休憩 ~ ~ ~
♪チャイコフスキー:交響曲 第5番 ホ短調 作品64
開演時間になると、ブザーやチャイムではなく、
キャンプ場で迎えた朝のような、鳥のさえずりが響き渡りました。
オーケストラが登場しました。
3階席から見下ろすと、おもちゃの楽団を眺めているみたい。
全体が、俯瞰的によく見えます。
舞台手前から、ピアノ、指揮台、弦楽器、木管楽器、金管楽器。
一番後ろのひな壇中央に、どーんと構えるティンパニー。
あいている椅子がいくつかあって、数えてみたら20席ほどありました。
チューニングが終わって客席の照明が暗くなると、私のいる3階席はほぼ真っ暗に。
すぐ上の天井が迫ってくるようでした。
大きな積み木のような、カメラの乗った台の前を通って牛田くんが登場しました。
黒いスーツとTシャツ。
そして今日も丸いフレームのメガネです。
横浜、東京、大阪と今回は全公演メガネ。
これからはメガネマンとしてやっていこうと決めたのでしょうか?
(メガネマンて…)
マエストロも登場しました。
今日もオーケストラに向かって、よろしくお願いしますというように頭を下げました。
ショパン:ピアノ協奏曲第2番
高音から低音へと駆け降りるピアノの澄んだ音色は
崖からほとばしる滝のようでした。
音が綺麗。
こんなに離れた場所で聴いているのに、輪郭がぼやけない。
壁一面の音響反射板の効果でしょうか。
音のしぶきが運ぶマイナスイオンを浴びているようで、深呼吸したくなる。
もどかしいほどの情熱を持て余すようなピアノが
大きくうねって盛り上がり、ドスンと地面に着地すると
弦楽器の砂埃が舞い上がる。
第一楽章が終わると、会場から聴こえる咳やため息。
聴衆が我に返って身動きする「気配」のようなものが聴こえてきました。
紺色のタオルで手のひらを拭う牛田くん。
回を追うごとに、呼吸のように自然になっていくマエストロとのアイコンタクト。
夜明けのような第二楽章の冒頭は
フルートの音色なしには語れません。
物語の序章のように
ピアノがレースのカーテンを開くように始まりました。
今度はゆったりと低音から高音へ。
なんて心地よい音色…。
遥か下の舞台から、湯気のように
いや、香りのように立ちのぼる。
脳みそのシワに沁み込んで
細胞が全部ふやけそう。
今ここにいる私たちみんな
アルファー波がいっぱい出てるに違いない。
音には人を心地よくさせる周波数というのがあって
それが174Hzとか、528Hzとか言われているけれど
これは一体何Hzになるのかな。
生活の中には、聴くと心地よくなる音というのが確かにあって、
小川のせせらぎ
鳥のさえずり
水琴窟
予定のない日に家の中で聴く雨の音。
そして、牛田くんのピアノの音色。
どうして牛田くんは、こんなに心地よい音色が出せるんだろう。
極上のトリルなんてもう、脳みそが溶けてしまいそう。
やがて短調に変化する音楽。
弦の摩擦の雲の中、ゴロゴロと轟く雷鳴のようなピアノ。
唸るように、怒ったように 一人で何かを語ってる。
「そうだそうだ!」と合いの手を入れるように
指で弦をはじくコントラバス。
オケ全体を見渡せる場所で聴くと
音がどこから生まれているのかが見える。
様々な楽器の音色が調和して
音楽が組み立てられていくのが分かる。
影のように手を差し出して踊るファゴット。
絹のリボンのようにしなやかなクラリネット。
朝の訪れを告げるフルート。
それぞれが、互いの音を引き出して、引き立てて、役割を果たし
完璧な調和を織り上げている。
すごいなあ…。
こんなふうに人間社会も
自分以外の誰かの声にもっと耳をすませれば
互いを尊重し合えたら
きっと世界は平和で満たされるのに。
そんなことを考えながら聴いていたら
物語が終わるよ、と
白いカーテンを引くようにピアノが幕を閉じました。
第三楽章に移る瞬間の「間」はほとんどなく
音の名残が完全に消えた後
マエストロと牛田くんが、「スッ」っと息を合わせました。
三拍子のマズルカのリズムに乗って
くるくる踊る花びらが目に浮かぶ。
何かを吹っ切ったように歌うピアノ。
氷が溶けて 春が来て
嬉しそうに走る小川のように。
コップの表面でぴちぴち弾けるサイダーみたいに
命の力が次々湧いてくる。
一歩一歩土を踏みしめて上った斜面から
振り返って見下ろす故郷の景色。
弓が弦に触れる音は
カサカサと擦れる枯れ葉の囁き。
霧が晴れるようなクラリネット。
神秘の湖を覗き込むピアノ。
ホルンのファンファーレの合図を受けて
サイダーの粒が楽しげに飛び跳ねる。
最後は童心に帰り
グルグルのストローで勢いよくサイダーを飲み干して
「ごちそうさま!」
と、コップを置いたような気分になりました。
ああ、もう最高。大満足!
牛田くんは立ち上がってマエストロのところに行き
手を取り合って両手で握手を交わし
お互いの頭がゴツンとぶつかるのではないかと思うくらい
向かい合って頭を下げる姿が微笑ましかったです。
コンマス、副コンマスとも握手を交わし
客席に挨拶をして舞台袖に消えた牛田くんを
今日もマエストロが舞台の上からおいでおいでをして呼び戻しました。
横浜、東京に続き、アンコールはブラームスのOp.118-2。
水平線の向こうに沈む大きなオレンジ色の夕日。
大地に沈む真っ赤な太陽。
泣きながら眠った幼子の頬をそっと撫でるように
悲しみにくれる乙女の背中を優しくさするように
大きな大きな存在が すべての命を抱き込むような慈愛の響き。
すべてを赦されているようで
何かに守られているようで
メロディは違っても「アヴェ・マリア」を聴いているような
祈りを感じました。
ありがとう。
ありがとう。
牛田くんにしか出せない音色。
最後の音が消えたあとの静寂が
とても美しくて、愛おしかった。
第2ヴァイオリンの男性と椅子を半分こにして、聴いていたマエストロが立ち上がり
牛田くんに向かって「グッジョブ!」と親指を立てて見せました。
挨拶をして袖に入った牛田くんを
マエストロはドアのところまで迎えに行って再び呼び寄せます。
何度もオケやマエストロに手をかざし、拍手を贈る牛田くん。
そのあともまた、拍手がずっと続くので
爽やかに微笑みながら、小走りで登場してくれました。
照明が明るくなって休憩に入っても
客席からは自動発生的な拍手が起きました。
休憩時間に、ホール内を探索してみました。
1階席前のホワイエ。素敵!プラネタリウムみたい。
1階のドアから入ってホール全体を見上げたら
3階席から見下ろすのとはまた違う、壮観な光景にため息が出ました。
ベートヴェンとシェークスピアのレリーフ。
放送予定は読売テレビで7月28日深夜。
近畿地区以外の皆さま、TVerで見逃し配信あるそうです。
後半のステージは、さっき空白だった椅子にも団員が座り、大所帯になってなかなか迫力ありました。
2人だったホルンは4人に増えて
4人だったコントラバスは8人に。
ティンパニーの一段下に一列に並んだ金管楽器は全部で11人。
中でも、黄金色のチューバの存在感がひと際目を引きました。
コバケンマエストロが登場し、またオーケストラにお辞儀をしました。
チャイコフスキー:交響曲第5番
もう曲の流れをすっかり覚えてしまいました。
クラリネットから始まる運命の主題。
マエストロのタクトに導かれ
光沢をもってビヨーンと伸びる飴細工のような弦の音色。
第一楽章のおしまいは、コントラバスの陰鬱な低音が幽霊のようでした。
第二楽章の始まりが本当に好き。
愛とか光とか
大いなる何かに触れたような感覚に心が震える。
神聖な気持ちと共に
大地にしっかり根を張るような力強さに胸が奮い立つ。
涙が出そう…。
それぞれの楽器の音色が絡み合い
混ざりあって創られる「交響曲」という偉大な産物。
作曲家って本当にすごい。
常人の私には、想像もつかない。
目を凝らすと、どの楽器が音を奏で
音楽がどんなふうに組み立てられているのかが見える。
目を閉じれば、音の洪水に身を委ね
全身でその響きに浸ることができる。
知らなかった。
3階席って、こんなにも贅沢な場所なんだ!
でも、ちょっと遠いかな。
2階席くらいがちょうどいいのかも。
だけど十分。十分すぎる!
いつも前方の席で舞台を見上げるようにして聴くことの多かった私にとって
想像もしなかった景色がそこにはありました。
あ、宇宙戦争が始まった。
今度はゴジラの登場だ。
第三楽章は、優雅な舞踏会と運動会の徒競走。
この二つが交互に訪れる。
隣り合うファゴットとクラリネットのお二人が
踊るように体を揺らしながら演奏しています。
そして、一番最後にひょっこり顔を出す運命の主題。
第四楽章は
ヴァイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス
すべての弦楽器が一斉に運命の主題を奏でる瞬間は圧巻でした。
風になって走るような疾走感。
やがて調を変え、どこか威圧的で挑戦的な音楽に
「受けて立つ!」そんな気分になる。
それぞれのパートを指さして
激しくタクトを振るマエストロ。
音楽は熱く盛り上がり
とうとう分厚い壁を突き抜けた!
ああ、確かに歓喜の歌だ。
だけど、穏やかに勝利を噛みしめるように
ゆったりとテンポを落とした音楽は
敵に対してというよりも
自分自身に打ち勝った喜びを叫んでいるみたい。
ああ、今日来てよかった。本当によかった。
チケット、ホテル、新幹線…
それなりにお金はかかったけれど
この心震える体験はやっぱりプライスレス。
このエネルギーを全身で受けて
心洗われ、生きる力をもらう。
50分があっという間でした。
20分くらいに感じました。
うわっと拍手で会場が湧き
飛び交うブラボーの声。
マエストロは今日もオーケストラを存分に讃え
ハンドマイクを手にしました。
今日こうして素晴らしい演奏をすることが出来たことに対する感謝を述べたあと
「アンコールは…コバケンといえばもうお分かりだと思いますが、
私の父が亡くなって煙になったとき、千葉県の柏市の葬儀場で、読響さんと一緒にダニーボーイの指揮をさせていただきました。
余計な話をしたかもしれません。」
と。
こんなトークを聴いただけで、早くも涙腺が緩んでしまった。
マエストロの想いがいっぱい詰まったダニーボーイは、
あったかくて
優しくて
愛しくて…。
私たちそれぞれに家族がいる意味は
きっと無条件に愛することを学ぶため。
自分以外の誰かのことを
心から大切に思うため。
少し曲がった腰で 膝を曲げて
全身全霊でタクトを振るマエストロの細い後ろ姿。
この方の音楽に触れるたび
音楽は愛だと教えてもらいます。
そして、この方自身が愛そのものです。
涙が次々溢れ出してきて
拭うのも惜しくて拍手を贈り続けていたら
首筋まで垂れてきました。
コバケンが愛おしすぎる…(T T)
牛田くんも、このくらいの年になってもピアノを弾いててほしいな。
残念ながら、客席で聴くことはできないけれど。
ああ、本当に来てよかった!
音楽からもらった大きな感動とエネルギー。
感動は、形のない栄養ドリンクだ。
お・ま・け
翌日朝のフェスティバルホールとマンホール
(^-^)ノ~~



































