続きです。

 

 

 

 

 

若きピアニスト4名の、超豪華なガラ・コンサートが終わった後、一度地下鉄に乗って仙台駅に戻りました。

 

 

地下鉄の一日乗車券、土日は平日よりさらに安くなるのでお得なんです。

 

 

この二日間で、仙台駅と旭ヶ丘駅を4往復。まるで通勤してるみたい(^▽^;)

 

 

日頃は自動改札にPASMOをピッ、と当てるのに慣れてる私。

 

コンサートのあとで一日乗車券を改札機に入れるつもりが、間違えてコンサートの半券を入れようとしてました😂

 

 

 

 

仙台駅のお土産屋さんで家と職場にお土産を買って、地下のスーパーで夕ご飯のお弁当と明日の朝ご飯のパンを買いました。

 

ホテルに戻って一息ついて、再び地下鉄に乗って、牛田くんの今期最後の演奏会へ。

 

 

 

 

昨日は真夏の暑さだったのに、今日は長袖がちょうどいい。

 

旭ヶ丘駅を降りたら、予報通り雨が降り、外はすっかり暗くなってました。

 

 

 

人の気配がないので、時間を間違えたのかとちょっと心配に。

 

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よかった。大丈夫でした。

 

 

 

会場は、昨日の津田さんがリサイタルを行った、2階のシアターホールです。

 

 

 

ファンからのお花が飾られていたようですが、気が付きませんでした。

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(牛田くんXより)

 

 

 

 

 

 

プログラム

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公演番号33

9月30日(土)20時15分~21時

《牛田智大 ベートーヴェンを弾く》

日立システムズホール仙台(シアターホール)

 

♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第23番「熱情」

♪ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第31番

 

 

 

 

 

 

日立システムズホール仙台 シアターホール(494席)

(画像お借りしました)

 

 

 

 

 

 

実際には、舞台正面は一面スクリーンのようなグレーの壁で、その両サイドは黒いカーテン。

 

舞台の天井から、「仙台クラシックフェスティバル2023」の看板が吊り下がり、

 

客席はコンクリートの壁。グレーのカーペット。

 

座席は、音楽ホールにしては珍しい、ペンキで塗ったみたいなブルーでした。

 

 

あまり奥行きのない舞台に置かれているのはスタンウェイ。

 

黒いボディが艶々と光って、なんとも綺麗です。

 

 

どっしりとした四本足の座面の低い見慣れた椅子を見て、なんだか安心しました。

 

 

舞台の左側には白い四角い台が置かれ、深緑色のガラスの花瓶に、すすきや百合、赤のミニバラなど、大ぶりで秋らしいアレンジが飾られていました。

 

(仙台クラシックフェスティバル(せんくら)Xより)

 

 

 

 

地元のクラシックファンの方も多いのでしょうね。

 

客席はおしゃべりする人でザワザワと賑やかです。

 

 

照明の調整が微妙に変わり、それを察知して客席は静かになりましたが

 

それでもザワザワした一部のおしゃべりが聞こえてきました。

 

最近の牛田くんのコンサート、開演直前に息苦しくなるほど静まりかえることが多くって

 

もちろん素晴らしいことなんですが、たまにはこんな雰囲気も悪くないな、なんて思いました。

 

 

白っぽい木の色の舞台の床が、照明に明るく照らされると

 

その光を反射して、持ち上げられたピアノの蓋に金色の弦や赤いフエルトがくっきりと浮かび上がりました。

 

 

 

 

 

 

舞台には扉がなく、黒いカーテンの袖から牛田くんが登場しました。

 

 

あ、タキシードの蝶ネクタイをはずしてノータイです。

 

白いシャツの衿は開衿で、くつろいだ雰囲気が素敵です。

 

 

椅子の向こう側でお辞儀をすると、椅子に座って、まず左足をペダルに置き

 

左手、右手、と順番に袖口に手をやって

 

 

弾き始めました。

 

 

 

 

 

あっ、「熱情」だ!

 

 

プログラムにも書いてあったはずなのに

 

もう、すっかり31番→23番と思い込んでいました。

 

 

うわあ、最後の最後に、順番変えてきたんだ~(≧▽≦)

 

なんか嬉しい。この順番の方が、個人的にしっくりくる気がしてたから。

 

 

 

音色がピチピチと活きがよく、一音一音、まるで命が跳ねているみたいでした。

 

 

昨日、この同じ会場で、津田裕也さんが弾く「熱情」を聴きました。

 

もちろん、津田さんの演奏も素晴らしかったけれど

 

やはり、牛田くんの演奏は、何枚もの隠し扉を持っているような深みを感じます。

 

 

だからもっと聴きたくなる。

 

奥へ奥へといざなわれ、探究の旅を続けたくなる。

 

 

 

 

 

第二楽章。

 

 

今期のリサイタルで、私は「熱情」の第二楽章を、なぜか素直に受け止めることが出来ませんでした。

 

優しいメロディの奥にある、孤独や怒り、不安定な心。

 

そういうものが透けて見えるような気がして、どうしてもそっちの方をクローズアップしてしまうんです。

 

 

けれど、今日の第二楽章は、初めて素直に聴くことが出来ました。

 

 

聖母マリアの柔らかな眼差しの元で祈りを捧げるような音色を聴きながら

 

なぜ今まで私はあんなふうに感じてきたのだろうと、自分でも不思議でした。

 

 

最後の最後になって、やっとたどり着いたような安らぎの場所。

 

 

癒やされる…。

 

 

この1ヶ月のリサイタルを、無事に牛田くんが駆け抜けて

 

最後まで素晴らしい演奏を聴かせてくれていることにホッとしたのと

 

私自身、8月9月がプライベートで非常に忙しく、体力的にハードだったこともあり

 

全身の力が抜けるような安堵感を感じました。

 

 

 

 

第3楽章は、熱く激しく力強く

 

時々、タン!タン!とタップダンスのように左脚がリズムを取って床を蹴る音さえも

 

音楽の構成の一部のように感じました。

 

 

 

 

 

「熱情」を弾き終わり

 

集中力を途切れさせることなく、そのまま続けてソナタ31番に入りました。

 

 

優しく優しく、そっと鍵盤を撫でるような白く美しい指。

 

生まれて来た 柔らかで愛に満たされた音色。

 

きっとこんなふうに、りおちゃんやるかちゃんの背中を撫でているんだろうな。

 

 

 

 

そして、

 

あまりにもホっとして癒やされた私は

 

なんということでしょう。急激に睡魔に襲われてしまいました汗

 

 

気付けは夢の世界に行きかけて

 

3つほど、ハッキリと短い場面の夢を見ました。

 

 

 

1つ目は、高校かどこかの教室で

 

クラスメートに貸したノートを返してもらっている場面。

 

ノートの表紙は薄紫でスヌーピーのイラストでした。

 

 

 

 

2つ目は、観覧車に乗る場面。

 

これから乗るオレンジ色の観覧車の扉に向かって、ワクワクしながら近付いていました。

 

 

 

 

ハッと我に返ってこっちの世界に自分を引き戻そうとするのに

 

気を抜けば、すぐにあっちの世界に…。

 

 

 

3つ目は、水色のドラえもんの着ぐるみを着た男が

 

これから出発するジェットコースターの先頭に乗って、嬉しそうに笑ってる場面。

 

歯並びが悪く、ねずみ男に似ていて、ちょっと不快でした。

 

 

 

 

ああ、まさか自分が牛田くんの演奏中に夢を見るなんて…えーん

 

 

それも、ベートーヴェンにもピアノにも、全く関係ないものばかり…えーんえーん

 

 

最終日の最後の曲なのにぃ~えーんえーんえーん

 

 

 

 

ああ、でも

 

最後の最後に、今、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ31番を聴いているんだな。

 

 

何年か前に聴いた時より、ずっとずっと進化し 深みを増して

 

復興とか、絶望からの再生とか、生命の持つ底力とか

 

聴くたびに強いメッセージ性を感じた、牛田くんのベートーヴェンピアノ・ソナタ31番。

 

 

幸せだ…。

 

 

 

自分が泣いていることに気付きました。

 

 

 

 

 

弾き終わると同時に、会場のあちこちから、たくさんのブラボーの声が飛びました。

 

 

 

 

 

立ち上がり、身体を二つに折って深々と長いお辞儀をして、顔を上げた牛田くん。

 

今シーズンのリサイタルで、私が見た中で一番いい表情をしていました。

 

 

 

 

アンコールを弾くために椅子に座る前に

 

一瞬にっこりと微笑みました。

 

 

 

 

交差する右手と左手。

 

 

 

あ…。

 

 

 

 

シューマンピアノ・ソナタ第1番第2楽章。

 

 

思い浮かぶのは、白い砂浜。

 

 

寄せては返す波が

 

今日までの苦しみや悲しみや迷い

 

そんなすべてを洗い流していくように。

 

 

 

辛い記憶は 忘れていいんだよ。

 

今の自分を 愛していいんだよ。

 

 

 

深い低音は熱い愛の囁き。

 

そうだった。この曲は戦地で亡くなる兵士が、故郷の恋人に向けた愛の言葉。

 

 

そして、なぜだか私にとって、牛田くんの幸せを ただ祈りたくなる曲。

 

 

 

こらえきれず、涙が次々溢れてきます。

 

 

ああ、終わるね。牛田くん。

 

 

一番最後に 大好きなこの曲が聴けるなんて

 

なんて幸せなんだろう。

 

 

牛田くんの幸せを祈る曲だと思っていたけれど

 

幸せにしてもらってるのは、いつも私の方なんだよね。

 

 

ありがとう。

 

ありがとう。

 

完走、おめでとう。

 

 

 

「音」が永遠に形になって残るなら

 

私は最後のこの一音を 固めてペンダントヘッドにしたい。

 

 

交差した左手の小指が、名残惜しそうに鍵盤から離れ

 

ペダルを踏んだ脚が上がる瞬間が切なかったです。

 

 

 

 

演奏後の牛田くんの笑顔

 

満開の花のようでした。

 

 

 

 

 

 

 

あー、終わってしまったー泣くうさぎ

 

 

あー、泣いてしまった-泣くうさぎ

 

 

そして、

 

 

寝てしまったーえーんあせるドクロ

 

 

 

 

 

 

1時間と時間が決まった演奏会なので

 

あっさりと会場が明るくなって、みんな退場しましたが

 

 

「よかったね~♡」

 

「左手の低音が最高だった」

 

「アンコールの曲だけでも聴く価値があった」

 

と、ざわめきの中で耳に入る感想が、どれも彼の演奏を絶賛していて

 

とっても嬉しくなりました。

 

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ありがとう、牛田くん!

お疲れさま、牛田くん!

完走おめでとう、牛田くん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

牛田くんXより

 

 

 

 

 

 

ブーケ1  ブーケ1  ブーケ1  ブーケ1  ブーケ1

 

 

コンサート情報です。

 

 

 

 

2024年2月18日(日)16時30分開演

コンチェルト(NHK交響楽団/指揮:パブロ・エラス・カサド)

RaiBoC Hall(市民会館おおみや) 大ホール(埼玉)

♪モーツァルト:ピアノ協奏曲第24番

 

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長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

 

m(_ _)m