6年ぶりに行ってくることができました。

 

 

 

 

2022年9月30日(金)~10月2日(日)

仙台クラシックフェスティバル2022

 

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杜の都仙台で、毎年街をあげて開催されているクラシックの祭典

 

「せんくら」こと「仙台クラシックフェスティバル」。

 

 

コロナの影響で3年ぶりの開催となります。

 

 

 

 

 

 

 

牛田くんが出演するのは2012年、2013年、2016年に続き今回で4回目。

 

 

 

 

 

2016年の記事

 

 

 

 

 

 

 

3日間で68ものコンサートがある今年のせんくら。

 

それでもいつもより少ないな、と思ったら

 

今年から会場が2つになったのですね。

 

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牛田くんが演奏するコンサートは全日1つずつありました。

 

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チケット料金は3パターンあり

 

①一般:1300円 U-18:700円

②一般:1800円 U-18:1000円

③一般:2500円 U-18:1500円

 

と、リーズナブル。

 

 

一流の音楽家達の演奏が、こんなにお手軽に聴けるなんて

 

なんて贅沢なんでしょう笑い泣き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初日の出演コンサートは、なんとプログラムナンバー1番!

 

 

公演番号1

9月30日(金)10時30分~11時30分

牛田智大 ピアノ・リサイタル

日立システムズホール仙台(コンサートホール)

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我らが牛田くんがトップバッター!笑い泣き

 

 

この祭典の大きな目玉であることは間違いありません。

 

 

 

 

 

 

が、しかし

 

 

 

 

開始時間午前10時半。

 

 

は、早い…あせる

 

 

 

 

朝6時台に家を出ました鳥

 

 

家を出てから、今日が平日であることを思い出しました汗

 

 

早起きに加え、大きな荷物持って都心に向かう通勤ラッシュに乗るなんて

 

 

ハードル高い…えーん

 

 

 

 

 

しかも、

 

 

 

 

東京駅に向かおうと思ったら

 

中央線で人身事故があったそうで

 

電車が30分以上の遅れ。

 

 

 

 

 

え…滝汗

 

 

 

 

 

 

まだ半分寝ぼけてる頭をフル回転させて別の経路を使い

 

ギリギリ新幹線に間に合いましたあせるあせるあせる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

着きましたよ!杜の都仙台。

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いいお天気です。

 

 

 

 

 

 

前回私がここに来たのは2018年2月。

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駅構内の大きなスクリーンには

 

平昌オリンピックで優勝した瞬間の羽生選手の姿がライブで映し出され

 

歓喜に沸く人混みの中で

 

隣にいた見知らぬ人と手を取り合って一緒に泣いたことを覚えています。

 

 

 

その時の記事

 

 

 

 

 

 

 

 

会場の日立システムズホールは地下鉄南北線の「旭ヶ丘」という駅にあります。

 

 

整然と十字に走る仙台の地下鉄。

 

 

 

 

 

地下鉄の駅のあちこちに、せんくらのパンフレットが置かれていました。

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旭ヶ丘に近付くと、地下鉄の窓から見える暗い視界に いきなり飛び込んでくる鮮やかな緑と秋の光。

 

 

 

そう、思い出した。このホールは、森の隣にあります。

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日立システムズホール仙台

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コンサートホール以外にも

 

パフォーマンス広場(200席)、シアターホール(494席)、交流ホール(250席)

 

で、コンサートが行われていました。

 

 

 

ほとんどのコンサートが早くも完売です。

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ホワイエにはパネルの展示や、グッズ販売もありました。

 

 

 

 

 

 

 

コンサートホール(796席)

(画像お借りしました)

 

 

白い天井、レンガの壁

 

一見、コンクリート打ちっぱなしのように見える下方の壁は

 

近くで見ると細かな石が埋め込んでありました。

 

 

舞台中央にはスタンウェイ。

 

前面には大きな白い羽根をあしらった花が飾られ

 

天井から下がる「仙台クラシックフェスティバル2022」の看板。

 

後方のひな壇には、午後のコンサートのためでしょうか。椅子や譜面台が置いてありました。

 

 

あ、ピアノの奥にはハンドマイクを置いた台が。

 

トークがあるんでしょうか…?(〃∇〃)

 

 

 

 

 

 

プログラム

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♪ J.S.バッバ/ブゾーニ編:コラール前奏曲「主よ、われ汝に呼ばわる」

 

♪ シューベルト:ピアノ・ソナタ 第13番

 

♪ シューマン:ピアノ・ソナタ 第1番

 

 

 

 

やった!来年まで聴けないかも、と思ってたソナタが聴けます笑い泣き

 

 

ブラームスがないのが残念だけど、時間の都合上、仕方がないですね。

 

 

 

 

 

 

扉が開き、牛田くんが登場しました。

 

 

黒い蝶ネクタイのタキシード。

 

手には黒っぽいタオル。

 

 

前髪が随分白っぽく見えます。

 

 

もうこの髪色は見慣れているはずなのに

 

何年もサイドの流れる黒髪を見慣れていたせいか

 

登場した瞬間、なぜかいつもちょっとドキっとするんです。

 

 

穏やかな表情で ゆったりした物腰で

 

挨拶する牛田くんは

 

既に円熟というか貫禄があって

 

同じような髪をしていた坂本龍一さんにちょっと似てました。

 

 

 

 

椅子に座ると 上着のボタンをはずし

 

確認するように片方ずつ袖口に手をやって

 

そっと左手を鍵盤へ。

 

 

 

 

バッハのコラール前奏曲。

 

 

憂いを含んだ悲しげな音色は

 

建設工事の前に土地の神に祈りを捧げる地鎮祭のように

 

これから始まる祭典の許可をもらう祈りにも聴こえ

 

 

長引く紛争を憂う平和への祈りにも聴こえました。

 

 

 

そういえば、6年前のせんくらで、牛田くんが最初に弾いた曲もバッハだったなあ。。。

 

 

 

 

弾き終わり、立ち上がって挨拶をすると、またピアノの前に座りました。

 

 

 

 

 

 

シューベルトでは一転して軽やかに。

 

さっきまでの悲しげな音色が嘘みたい。

 

 

水色の空に、フワフワと白い羽毛が舞っているようでした。

 

 

 

ああ、春です。

 

シューベルトのソナタは春。

 

音色がピチピチしています。

 

 

こんな夢見るような音楽を紡ぎ出す指を

 

魔法の杖を見るように不思議な気持ちで眺めていました。

 

 

 

舞台に飾られた花と白い羽は、この音楽にピッタリなんだけど

 

ペダルを踏む足元が隠れちゃうのはちょっと残念だなあ…。

 

 

 

 

 

寄り添ってくれるような

 

でも、少し悲しそうな第2楽章は

 

包み込むような包容力があって

 

夕焼けの空のようでした。

 

 

 

 

 

第3楽章は、若々しく。

 

笑いながら駆け回るような音色は

 

コロコロと転がって

 

口の中で溶けていく卵ボーロのよう。

 

 

 

なんて心地いい音色…。

 

 

 

可愛らしいもの、素敵なもの、好きなものばかりを集めたオルゴール箱みたい。

 

 

 

ブラームスにばかり気を取られていたけれど

 

しみじみといいなあ、シューベルト。

 

 

 

 

 

 

 

濁流に呑み込まれるように始まったシューマン。

 

 

第1楽章の冒頭を聴くと

 

赤土のような色の、グラナダの建物を思い出します。

 

 

水彩画を習っていたとき、カレンダーの写真を見ながら描いた風景。

 

夕陽を映してさらに濃いオレンジに染まるレンガの色。

 

 

 

牛田くんのピアノの一音一音は

 

バッターが、バッドの芯で球を捉えた時みたいな

 

手応えと快感を感じます。

 

 

だからこんなに伸びやかなのかな。

 

 

 

前屈みになって演奏する牛田くんの前髪が

 

時々ピアノに着くくらい白熱してました。

 

 

 

 

 

右手と左手がクロスして始まり

 

クロスして終わる第2楽章。

 

目にも耳にも、なんて美しく優しいのでしょう。

 

 

 

白い砂浜…。

 

静かに寄せては返す波…。

 

打ち上げられた流木…。

 

 

ああ、どうか牛田くんが

 

ずっとずっと幸せでありますように。

 

 

 

 

 

第3楽章は駆けていく馬のよう。

 

決然と前に進んでいく感じ。

 

打鍵とリズムに合わせて上体が揺れる牛田くんも

 

疾走する馬の背中で風を切る騎手みたい。

 

 

 

 

 

第4楽章は秋。

 

回転しながら落ちていく赤や緑の葉っぱ。

 

 

何度も聴いているうちに、お馴染みになったフレーズがいくつも登場して嬉しくなりましたが

 

最後はやっぱり「シューマン大丈夫かしら?」と思ってしまう。

 

いろんなことを考えてるうちに

 

どっちに進むのか分からなくなって

 

そのうち精神が崩壊してしまうんじゃないかしら…。

 

 

 

少し乱れた前髪の牛田くん。

 

真剣な表情で鍵盤を見つめて演奏する横顔は

 

ちょっとブラック・ジャックみたい。

 

 

 

たくさんの指で同時に打鍵しても

 

素早い動きで鍵盤の上を駆け回っても

 

音の長さや深さがバラつかず、綺麗に揃ってる。

 

 

やっぱりすごい!

 

 

 

約30分あるこの曲が

 

あっという間に終わりました。

 

 

 

 

 

 

 

そして、やっぱりトークがありました。

 

 

右手でハンドマイクを持ち

 

左手をピアノの角に触れて 牛田くんが話した内容は

 

だいたいこんな感じでした。


 

 

皆さま、こんにちは。牛田智大です。

 

今日は仙台クラシックフェスティバルにようこそいらっしゃいました。

 

世界各国から素晴らしい音楽家達があつまるこの祭典に出演させていただき、順番も1番で、とても光栄です。

 

 

本日は、バッハ、シューベルト、シューマンを演奏させていただきました。

 

シューマンの音楽は、シューベルトの音楽にももちろん影響を受けました。

 

シューベルトの音楽は抒情的です。

 

叙情性と通俗性を内包した音楽を、今の不安定な世の中にお届けすることで

 

皆さまにお楽しみいただけたら、と思います。

 

 

 

 

 

牛田くんって、ため息を吐くように話すんですよね…(^^)

 

 

 

 

 

 

 

アンコールはトロイメライ。

 

 

シューマンに対するリスペクトを感じました。

 

たっぷりと、音楽を味わい尽くすような円熟した演奏。

 

 

 

ソナタの時もそうでしたが

 

ロベルト・シューマンという一人の人間について想いを馳せました。

(クララの本をやっと読了したから(〃∇〃) )

 

 

穏やかで おとなしく

 

滅多に怒ることがなく

 

人の中に長所を見つけるのが得意だったというロバート。

 

子供のように純粋で 子煩悩だったというロバート。

 

 

精神病院に収容されてから亡くなるまでの2年4ヶ月もの間

 

最愛のクララに会うことも叶わなかった。

 

 

彼の亡き後、病院で見つかったクララからの手紙は

 

全部大切にピンク色のリボンでひとつに束ねてあったそう。

 

 

 

 

ソナタはクララを愛する 一人の男性として。

 

トロイメライは子供達を愛する 一人の父親として。

 

 

 

デビュー当時から牛田くんが演奏してきたトロイメライ。

 

これからもずっと、演奏し続けて欲しいです。

 

 

 

慈しむような最後の一音が消えないうちに

 

待ちきれないような拍手が会場から起きました。

 

 

 

立ち上がって、にっこりと微笑み

 

膝に両手が着くくらい深々とお辞儀をすると

 

最後ににっこりと両手を合わせて、あの素敵な大人挨拶。

 

 

十代の頃は、

 

「もう弾かないよ。」と言うように

 

最後に舞台を去るときに可愛く両手でバイバイしてくれたけど

 

この素敵なスタイルの挨拶が、それに続くものなのかもしれませんね。

 

 

 

カーテンコールでは右手を胸に当て

 

もう一度両手を合わせて大人挨拶。

 

 

素晴らしい祭典の幕開けとなりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

河北新報より

 

 

 

 

 

 

 

 

 

②へ続く…。