せんくら2日目です。
仙台は本日も快晴!
今日の牛田くんは、他の3名のピアニストとの共演です。
2016年10月1日(土)14:45~15:45
菓匠三全コンサート
《「ピアニスト・サミット」~豪華4人のピアニスト勢揃い!一期一会の“ピアノの祭典”》
《 プログラム 》
牛田智大 ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
及川浩治 リスト:ダンテを読んで ~ソナタ風幻想曲
上原彩子/仲道郁代 モーツァルト/グリーグ:ピアノ・ソナタ ハ長調 K.545
本当に豪華な顔ぶれのピアニスト・サミットです。
トップバッターで登場した牛田くん。
今日はベストに赤地に紺と白の細いストライプが入ったネクタイ姿。
牛田くんのベスト姿を見ると、なんだかホッとして嬉しくなります。
舞台に牛田くんが登場すると、会場に清々しい一脈の風が舞い込んだような気がしました。
笑顔でお辞儀をしてピアノの前へ。
指を鍵盤に置き、鳴り出したトリル。
「さあ、これから、楽しい時間が始まりますよ~!」と鈴を鳴らしてみんなを呼び寄せているかのよう。
牧場で羊飼いが鳴らすベル。
何か素敵な予感に耳を澄ませ、集まり群がる私たちは羊(いや、牛か?)。
最初から、強い打鍵で元気よく始まったラプソディ・イン・ブルー。
あれ?
なんか今までのラプソディ・イン・ブルーと全く違う!
何がどう違うのか、素人の私にはわからなくてもどかしいのですが(^_^;)。
ジャズ要素がより強くなったと言えばいいのか、それとも・・・なんだろう?
例えていうならディズニーランドのハニーハントやロジャー・ラビットのようなアトラクション。
次はどんな扉が開いて、どんな世界が待っているのか全く予測がつかない。
いや、ゆっくり上りつめて、突然疾走する、行先の見えないジェットコースター?
まるでおもちゃ箱をひっくり返したよう。
だけど箱からこぼれれているのは幼稚なおもちゃではなく、大人のエッセンス満載の素敵なジャズの世界。
ああ、アメリカだ!
人々がグラスを傾け、タバコの煙をくゆらせている夜の小洒落た酒場。
そんなお店の中でピアノを弾いているような牛田くんの姿。
ピアノの中から「乾杯」とグラスを重ねる音、ライターに火を点ける音、ガヤガヤしたおしゃべりが聴こえてくる。
その指は自由自在に都会の喧騒、そして奔放なアメリカンドリームを奏でます。
・・・この人、本当に16歳なんだろうか…?(・_・;)
指を開き、叩きつけるような奏法でたくさんの和音を操り生み出される音の万華鏡。
もう圧巻!
い、息、どこで吸えばいい…?
あまりの迫力に、呼吸のし方さえ忘れそう。
元気いっぱいに力をこめて鍵盤を叩くことで、牛田くん自身も発散してる。
そんな印象も受けました。
先輩ピアニスト達が控えている前での堂々たる演奏。
ニューバージョンのラプソディ・イン・ブルーを彼は見事に弾き切りました!
立ち上がり、正面を向いたとき見えたのは、すべてを出し切った後の清々しい笑顔。
13歳のあなたの演奏を初めて聴いた時も、見た目と演奏とのギャップに目と耳からの情報が一致せず混乱したけれど、
それは今も変わらない。16歳の、まだ少年っぽさを残して微笑む高校生が生み出したこの成熟した音楽。
にっこり笑ってお辞儀をし、袖に入って行った牛田くん。
先輩ピアニストから賞賛を受けているのでしょう。赤いドレスの女性(仲道さん)に向かって、深々と頭を下げている後ろ姿が見えました。
ああ、この演奏を聴いただけでも、2000円の価値がある気がする。
鳴りやまない拍手に応えて姿を現し、ピアノから少し離れたところで胸に手を当てご挨拶。
舞台に消えていく後ろ姿を名残り惜しく見守りました。
スタンウェイのピアノはそのままに、ピアノの椅子だけが交換されました。
ピアニストさんそれぞれ、お気に入りの椅子があるのですね。
次に登場した及川浩治さん。
タキシードに紫色の腹巻のような帯のようなもの(なんていうんですか?コレ)が目立ってました。
この紫腹巻き(勝手に呼び名つけてもーた)、及川さんのトレードマークのようですね。
牛田くんとはうってかわって、貫禄のある姿。
茶色に染めた髪がモフモフと風もないのにそよいでいて、この方の醸し出す雰囲気から、大変失礼ながら「ライオン・キング」の悪役、ライオンのスカーを思い出しました。
椅子に座ると、」コホン、と乾いた咳払いをして、共犯者を見るような表情で客席に顔を向けました。
客席からは笑いが起こります。
牛田色に染まった会場の空気を、自分の色に変えさせる。こんなテクニックも大人です。
そして、そこからがすごかった。
リストの超絶技巧。
その指の動きの速いこと!
素早く鍵盤の上を指が動き回りながらも、軽々しくならず、その音色の深く重厚なこと!
世界で一番の難曲と言われている「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番」を得意とするだけあって、まるで音の魔術師です。
すごい気迫と集中力。
スカー及川さん、弾きながら唸るように、呻くように、低い吐息を漏らしています。
ただ圧倒され、あっけにとられているうちに演奏が終わりました。
「ブラボー!」
女性の大きな声が飛びました。
大拍手の中、及川さんが姿を消し、舞台右端に置かれていた長いグランドピアノが中央に運ばれて、2台のピアノはパズルをはめ込んだようにピタリと向かい合わせに設置されました。
右側のピアノには、後ろ脚二本を少し高めにした椅子が。
仲道郁代さん。いつもこの椅子で演奏されるのです(って、一回しか見てないけど(^_^;))
登場したのは白いドレスを着た上原彩子さんと、赤いドレスを着た仲道郁代さん。
やっぱり女性のピアニストが舞台に立つと、その場が明るく、花が咲いたようになりますね。
上原さんのピアノを聴くのは今日が初めて。
ピアノの椅子の向こう側にもうひとつ椅子が置かれ、制服を着た高校生の女の子が二人登場しました。
どうやら譜面をめくる係のようです。
彼女たちの朴訥とした雰囲気に、とても好感が持てました。
上原さんと仲道さん、挨拶をして椅子に座ると視線を合わせ、まず上原さんがモーツァルトのピアノ・ソナタを弾き始めました。
うわあ。これ、さっきまでと同じピアノ?
力強く男性的だった、牛田くんや及川さんと比べて、まろやかで艶のある女性らしい音色。
でも、しっかり芯がある。
この人のピアノ、好き♡
上原さんの演奏に相の手を入れるように仲道さんが弾くのはグリーグの曲(らしい)。
仲道さんは、見た目も柔らかくなごみ系ですが、彼女のピアノも外見と同じく優しく柔らかい。
昨年行ったリサイタルでは、なぜかコーンクリームスープを連想しました。
二人の作曲家の曲が、二人のピアニストによって融合し、溶け合い、混ざり合い、1つのハーモニーとなって会場に優しく響き渡ります。
ただもう、うっとり。至福の時間でした。
女性2人の息の合った演奏が終わり、舞台から姿を消したあと、再び舞台に登場し拍手を浴びました。
次に登場した時は、出演者全員が出てくるはずなのですが、男性二人がなかなか姿を現さないんです。
どうやらお互い順番を譲り合っている様子。
「君が先に出なさい。」
「いえ、先輩お先にどうぞ。」
「いや、お客さんは君のことが見たいんだよ、ほら、早く。」
「いえいえ、本当に僕は最後で…。」
そんなやり取りがあった模様。
及川さんに押し出されるようにして、牛田くんが姿を現しました。
会場は和やかな笑いに包まれます。
4人並んで正面に向かって立った時、つくづく牛田くん、背が伸びたなあ、と思いました。
彼、舞台に立ちながら、最初から自分は演奏などしていなかったかのように、他の演奏者に拍手を送り続けているんです。
ンモー、この若さにして、この謙虚さ。人柄の良さ。
演奏だけじゃなく、彼のこんなところが人々を魅了するのだと思います。
挨拶が終わって袖に戻る時も、女性二人を先に行かせ、及川さんとまたもやお先にどうぞと譲り合い、まるでミニコント(笑)。
4人が舞台から姿を消しても消えない拍手に再び姿を現した時も、全く同じようなコントが繰り返され、会場を沸かせました。
そんな和やかな場面も見れて、非常に後味のよかったコンサート。
サイン会もしっかり行われました。
でもこれ、ある意味残酷物語ですね。
白い布の掛けられた長テーブルに4人並んで座っていたのですが、牛田くんの前だけ長蛇の列で、あとはパラパラと…。(詳細はひかえます)
牛田くんのことだから、心苦しく感じてるだろうなあ、と思いつつ、しっかり列に並びました。
今回は着替える時間もなかったのでしょう。演奏時と同じ服装でした。
順番が来た時、思い切って訊いてみました。
「ラプソディ・イン・ブルーを演奏するときは、どんなことを考えているんですか?」
「ジャズ要素の多い曲なので、そのあたりの○○(確か横文字の専門用語だった気がしますが忘れてしまいました(,_,))などを意識して弾くようにしています。」
と、とっても早口で答えてくれました。
サイン書いてる時に私が話しかけたもんだから、こういうことに。
「すみません。失敗しちゃいました。」と牛田くん。
「いえいえ、かえって記念になります。」
牛田くんのミスサイン。これ、かなり貴重ですよね(^^)
混乱させてごめんね、牛田くん。
列の最後に、譜めくりをしていた女子高生2人が並び、それぞれ携帯電話の裏側にサインをしてもらってました(裏山)。
大役を果たしたご褒美だよね。
(やっぱり女子高生、4人の中で牛田くんがいいのね(*^.^*))
で、みなさま。
写真はどうだったか気になりますよね?
実は今回、最初の方で何人か撮影している人がいたのですが、スタッフの方が「写真はご遠慮願いまーす!」と。
ひーーーーん(T_T)
しかしですね、時間がたつにつれ、なし崩し的に撮ってもいいような雰囲気になり、大勢の人がカメラを向けてもスタッフの方、何も言わなくなりました。
(最初はほかの出演者の方に対する配慮だったのかもしれません)
前日の握手、最初の人たちだけしてもらってたけど、途中からダメになった。アレとおんなじ感じですね。
せんくらはフェスティバル。細かい決まりは、あってないようなものなのでしょう。
ワタクシも図々しく撮らせてもらいました(*^.^*)
載せようかどうしようか、とっても悩んだのですが、仙台まで行きたくても行けなかった牛田ファンの皆さまとシェアしたい。
なので思い切って載せちゃいます。
もしも不快に思われる方がいらっしゃいましたら、どうぞご一報ください。
削除覚悟で載せますので。
では、いきます。
うふふ。素敵でしょ?
そして、やっぱり私、ブレなくなったんですのよ(`・∀・´)エッヘン!!
今日のおまけ。
両手でガッツポーズをしているような可愛い牛田くん♡
明日、3日目はオケバージョンの「死の舞踏」初披露。
後ろ髪を引かれつつ、新幹線に乗り東京に向かいました。
以上、せんくら2日目の牛田くんでした。
3日目の「死の舞踏」もすごい迫力だったと聞いております。
牛田くん、3日間お疲れ様でした。
次の大阪。楽しみですね(^^)