県北、イヨボヤの町 | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

先日の3/2(金)から1泊、1日仕事を休んでちょっと北へ、癒しの旅に行ってまいりました~♪

ここ数ヵ月、公私に渡りいろんなことがあってボクもちょっとお疲れモードだったことと、
3月の後半に仕事とは言えボクが1週間海外出張で家を空けてしまうので、
その穴埋めの家族サービスという意味もありました。

それにウチの子は男の子ですが、3/3(土)は「ひな祭り」なので、
普段家の中で息子と奮闘している相方もリフレッシュしないとですしね。

まあ、貯まった楽天ポイントを2月中に使わないと無くなっちゃうから
旅にあてたっていうのも大きいですが。


で、ボクらが今回向かったのは新潟県の北に位置する村上市。

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今回なぜ村上に行く事にしたかと言いますと、3つの理由がありました。

1つ目は、この雪の多い季節に遠くまで行くとなると癒しの旅どころか、
グッタリしてしまうので、近場の温泉地が良かったんです。

村上市には以前もご紹介しました有名な「瀬波温泉」がありますしね。


そして2つ目は、村上市までつながる高速道路「日本海東北自動車道」が、
この冬、3/31(土)まで観光振興のため、ETCを搭載した自動車などに限り土日と祝日が無料になるんですよ。

行きは金曜日なので有料でしたが帰りが無料になるので、せっかくだから利用させてもらいました。

3つ目の理由はまた後ほどお伝えしますね。


で、最初に目指したのは大きな鮭が目印の建物「イヨボヤ会館」です。

「イヨボヤ」とは村上地方で「鮭」を意味する言葉なのですが、
ここ村上市は「鮭の町」と呼ばれるほど鮭漁が盛んで、
秋になるとご家庭でも普通の主婦の方が一本の鮭を丸ごと買い、
自宅で塩引き鮭を作るほどなんだそうですよ。

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というのも遡ること江戸時代、ここ村上藩にとって鮭は大切な収入源だったのですが、
毎年秋になれば大量に獲れていたはずの鮭が年々数を減らしていることに気づきました。

当時は鮭の習性も知らなかったので、なぜ鮭が減ってしまったのか不思議に思っていたのですが、
長年鮭のことを観察し続けてきた「青砥武平次」が鮭には川で生まれ海で育ち、
またその川に産卵のために戻る「母川回帰性」というものがあると気付いたのです。

そして鮭の帰ってくる三面川に鮭の産卵にふさわしい人工の分流「種川」を作り、
鮭の保護と繁殖、放流を行ったところ、再び多くの鮭が川をのぼってくることになり、
再び村上藩は鮭の恩恵を受けられることとなったそうですよ。

実はこの事は世界初なんです!

今では北海道などでもお馴染みの光景になっていますが、
村上は世界で初めて鮭の人口繁殖を行い成功させたスゴいところなんですよ。

まさに村上の人にとって、藩を再び活性化させてくれた鮭は神様みたいなものなんですねぇ。

その神様の稚魚を息子は追いかけ回してよろこんでますが・・・


ここ「イヨボヤ会館」にも12月に人工授精して生れた鮭の稚魚がたくさんいましたが、
この稚魚たちは4月に放流される予定だそうですよ。

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これは「ニゴイ」↑

ちなみに「イヨボヤ会館」には鮭だけでなく、その他の淡水魚なども展示されていてちょっとした水族館です。

さらにこの施設のスゴイところが、その鮭が産卵をする「種川」に隣接していて、
地下1階には鮭をはじめとしたそこに住む生物の自然の生態が間近で観察出来る
「生態観察室」があるってことなんです。

そこに行くまでは長い長い通路を歩いていくのですが、
退屈しない様に人が通るのを感知してブラックライトが灯り、
海から川をのぼる鮭の絵が浮かび上がる様な仕掛けがしてありました。

息子がその絵が出るたびに立ち止まって眺めているので、なかなか前に進みませんが。

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行きついた先にはガラス窓があり、一見水槽の様にも見えますが、向こうには雪に染まった山々の景色と、
川面には鴨の親子がスイスイ、さらには水中と川底も見えるんです。

思ったよりも「種川」は小さくて浅い川でしたが、ここは紛れもない外でした。


人工の川だけど自然の一部を覗いているって事なので、
雨だったこの日は残念なことに川の中は濁っていてよく見えませんでしたけどね。

きっと産卵時季の10月~12月で、水の濁りの無い時期はスゴイ迫力のある光景に出合えるんでしょうね。

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また、最上階の3階には三面川や隣接する美しい川や池が設けられている公園
「サーモンパーク」などが一望できる「展望室」があり、

さらに2階には鮭の一生、鮭の種類、鮭の文化、鮭と自然環境など、
鮭のあらゆることについて楽しく学べる「こどもさかな科学館」もあります。

そこにはカラフルなパネルやジオラマやビデオの上映、クイズ形式のゲームなど、
意味はわかってないと思いますが、息子も夢中になっていましたよ。

「鮭のクイズ。さあ、問題です! ・・・サーモンだいです・・・ククク・・・」

市立とは思えないほど充実している施設ですよぉ。

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村上の人たちは鮭をこよなく愛し、鮭に感謝し、
多彩な料理法で鮭を頭から尻尾まであますことなく味わい尽くします。

「塩焼き」や「塩引き鮭」はもちろん、その「塩引き鮭」を長期陰干ししたものを薄く切り、
酒や味醂をかけた「酒びたし」は有名。

「いくら」を「はらこ」と呼び、熱々ごはんにのせて「はらこ飯」、村上のお正月には欠かせない「飯ずし」、
鮭の内臓をいろいろな野菜で煮た「なわた汁」、「カゲ」と呼ばれる鮭のエラをつかった「カゲたたき」、
雄鮭の腎臓の塩辛「背わたの塩辛」、「どんびこ」と呼ばれる鮭の心臓、白子や軟骨、中骨、などなど・・・

村上の鮭に捨てるところはありません。

と言っても食べるならいいけど、この鮭の鱗で作ったジャケットはどうだろう?

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ボクは「シャケット」と勝手に名付けました。

その他にも鮭の鱗で作った帽子もありましたよ。


初めて村上を訪れた方は町屋を歩くと軒先にたくさんの鮭がぶら下がっている光景にきっと驚くことでしょう。

村上の人にとって11月11日は「ポッキー&プリッツの日」でも「+-+-」で「電池の日」でもなく、
「鮭」という漢字の右側の「圭」の字を「十一十一」と見て、
村上市が制定し全国に広まった「鮭の日」なんですよ。

それほど鮭を愛し、鮭と共に発展してきた村上を語るのに、鮭は欠かせない存在なので、
美味しく食べるだけではなく、ぜひここ「イヨボヤ会館」で村上の「鮭」に対する想いの叫びを感じでください。

「イヨボヤ会館」

新潟県村上市塩町13-34
電話:0254-52-7117
開館時間:9時~16時半
休館日:年末
入館料:大人 600円、小中高校生 300円




さて、村上と鮭の深いかかわりを勉強したあとはちょっとお茶でもしましょうか。

向かったのは山居町にあるティータイムギャラリー「ぺこり」。

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以前訪れた事のある「アトリエ ル・クール」の向かいにあるお店です。

「村上スイーツめぐり」という村上市観光協会の企画でオススメしていたので行ってみると、
木を中心に使った内装と、手作り雑貨なども売っていてあたたかい雰囲気が迎えてくれました。

お客さんも常連さんが多いのか? お店のマスターっぽい人と気兼ねなく話をしていてとってもアットホーム。

そのお店の優しい空気感そのままに、料理やケーキは地産地消と手作りにこだわっているそうで、
平日のランチタイムには500円のワンコインランチが人気で
カウンターが8席、4人掛けテーブルが5つ、2人掛けテーブルが3つと、
けっこう席はありますがいつもお昼は満席だそうです。

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そしてボクらがたのんだのは「手作りケーキセット」。
有機栽培コーヒーが付いて700円です。

「村上スイーツめぐり」ではもう一つの村上名物「村上茶」を使った
米粉の「緑茶シフォンケーキ」だったのですが、息子も食べるのでカフェインは避けて、
トチの実を使った「マロニエシフォン」にしました。

しかし、一口あげるとこれが美味しすぎたのか? 次から次へとおねだりするんですよ。

シフォンと言えどもあんまり甘いもんを与え過ぎちゃダメだろうし、
だいいちボクの食べるモンが無くなっちゃうじゃないか。

ボクも息子の気をそらすのに必死でしたが、最近イヤイヤ期に突入したっぽい息子は
一度ワガママを言い始めると止まらなくなってしまいます。

他のお客さんもいるし困った・・・

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そんな時、お店のマスターらしき人が息子に風船を目の前で膨らませてくれ、
デンデン太鼓を手渡してくれましたよ。

それから、お店の中をあやしながら抱っこしてくれて、
初めて会う人には緊張してしまう息子を見事泣きやませ、さらには息子の笑い声が響きました。

マスターらしき人は『自分にも孫がいるから、こういうのは得意でよくやるんだ』と
おっしゃってましたが、お見事なテクニック。

おかげ様でボクらはゆっくりとティータイムを過ごせ、お店中もなごやかな雰囲気となりました♪

このあたたかい雰囲気は店内の装飾や手作り料理へのこだわりだけではなく、
マスターっぽい人のお人柄からくるものなのかもしれませんね。

ティータイムギャラリー「ぺこり」

新潟県村上市山居町1-3-8 ホットビル1F
電話:0254-52-2424
営業:火~土/10時~19時(LO18時半)、日・月・祝/10時~17時(LO16時半)


・・・つづく。