時々ドキドキときめきの朱鷺 | 馬の会長日記

馬の会長日記

「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

先日の「海の日」を含む7/17(日)18(月)に家族3人1泊で、
いつも眺めているけどなかなか訪れる事のなかった島「佐渡」の旅に行ってきました。

旅はいよいよ佳境となってきました。

相方の車で佐渡の自然や歴史、美味しいもんを堪能し、
これまで行った事のなかった島の最北端、「大野亀」や「二ツ亀」を見たあと、
再び佐渡に降り立った地、「両津港」を目指しました。

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「佐渡一周線」と呼ばれる海岸線「県道45号」を時計回りに走りましたが、
自然が豊かで険しく狭い道だった西側に比べ、
東側は整備されあまり趣はなかったけど割と走りやすい道でした。

それでも、息子がずっとチャイルドシートに貼り付けになっていたので、
途中休み休み車を走らせます。

長いお付き合いの方はご存知かと思いますが、
これまでのボクらの旅はいつもハードスケジュールのギリギリの行動で
何度も冷や汗かくようなトラブルが起こっていました。

でも、今回は息子もいたので時間をたっぷりとって余裕のある行動をしてましたよ。

やっと学習しましたねぇ。

で、「両津港」に着いてもし帰りのフェリーの時間まで余裕が出来たなら、
もう一ヶ所だけ行けたらいいなぁと思っていた場所があったんです。


佐渡といえばやっぱり・・・朱鷺に会いたい。

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おかげさまで時間も出来たので行ってきましたよ、トキの森公園『トキ資料展示館』。

朱鷺は新潟県の鳥であり、国の特別天然記念物でもあり、国際的には「国際保護鳥」、
「ワシントン条約」によっても保護されているのですが、
残念ながら日本の野生の朱鷺は絶滅してしまった鳥ですね。

「トキの森公園」に隣接する「佐渡トキ保護センター」では朱鷺を野生に戻すために、
人の手によっての飼育繁殖やヒナを育てていますが、一般公開はされていなく、
唯一確実に日本で朱鷺に会えるところが、ここ「トキ資料展示館」なんですよ。

ここへは入場料ということでなく、「野生復帰に向けた協力費」として
大人(200円)、小・中学生(100円)で入館できます。

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この資料館では基本的な朱鷺の生態から、絶滅までのこと、保護や人口繁殖、そして野生復帰への歩み、
などに関するパネルや映像、音声資料、はく製、骨格標本、などが展示してあります。

朱鷺についてたくさん勉強しましたよ。

朱鷺は日本の国鳥はキジですが、学名が「ニッポニア・ニッポン」の朱鷺は
日本を象徴する鳥とも言われていますが、20世紀初頭には日本全域だけでなく、

中国、ロシア、朝鮮半島、台湾、日本など、東アジア一帯に広く分布していて、
決して珍しい鳥ではなかったそうです。

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それどころか田畑を踏み荒らす害鳥であった朱鷺は江戸時代には駆除されることもあったそうです。

明治に入ると、日本でも肉食の習慣が広まると同時に肉食用として、
またはその美しい羽毛をとるため乱獲されるようになったために数が激減。

さらに、近代化で住みにくい環境になってきたことと、
化学農薬が使用で餌になるドジョウやタニシなどが減少してしまったことが、
絶滅へ拍車をかけたんだそうです。

現在、野生の朱鷺が生息しているのは、中国陝西省洋県付近のみということです。

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これが、日本の野生で生まれた最後の1羽となった「キン」のはく製です。

「キン」は2003年10月10日36歳で死亡。

これで、日本の野生の朱鷺はいなくなってしまった訳です。

人間の都合で邪魔者にされたり、保護されたりと悲しいことですね。

人は失ってから初めて大切なものに気付いたりします・・・



と言っても、少なくなってきている種であることは間違いないのですが、
「日本の朱鷺」「中国の朱鷺」というのも人間の勝手な都合。

まったく同一種である中国産の朱鷺を用いて人工繁殖を行っているため、
朱鷺の住みやすい環境を整え、野生に帰すことに成功すれば、

また昔のまんま、日本の大空をあの朱鷺色の羽を広げて飛ぶ日は夢ではないのです。


そして、資料館を出ると野生に戻る日を待っている本物の朱鷺たちに出会えるんですねぇ。

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出会えるって言っても朱鷺がいるゲージまでは50mほど離れているので肉眼では見にくいッス。

まあ、そう簡単に「国際保護鳥」には近づかせてもらえないでしょう。

もちろん、朱鷺を驚かせないようにフラッシュ撮影も禁止で、
設置されている観察用の双眼鏡で静かに見ます。

「グァ~ グァ~ グァ~」と、カラスの様な思ったほどカワイクない声で鳴きますが、
時々翼を広げた時に見える美しい朱鷺色の羽にはトキメキますよ。

朱鷺にトキメキ・・・

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以前ここに見に来た時は、朱鷺の羽の色が黒く、
「やっぱり中国産の朱鷺で繁殖させても、昔の様なキレイな
朱鷺色の翼を持った朱鷺は復活しないんだなぁ・・・」
なんて、勝手に勘違いしていたのですが。

朱鷺は見る時季によって色が違うって、初めて知りましたよ。

朱鷺は、春から夏にかけての繁殖期には首すじから黒い分泌物が出て、
これを体に塗り付けるため頭から背のあたりが灰黒色になるんだそうですよ。

珍しい習性があるもんですが、ボクが以前見たのはきっとこの時の朱鷺だったんですね。

そして、今回見てるのは非繁殖期の朱鷺で、見た目の全身ほぼ白色。
翼を広げると尾や翼の裏側に美しい朱鷺色が見えるんだそうです。

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現在、人工繁殖させた朱鷺を自然に帰すため訓練をし、2008年の9月から計4回に渡り、
2011年春まで60羽が放鳥されました。

放鳥後には佐渡だけにとどまらず、新潟県の本土側や、長野、富山、石川、福井、山形、秋田、宮城、福島などで
その姿を見られているそうです。

運が良ければ、自然の中を飛ぶ朱鷺に出会える可能性はあるんですねぇ。

もし見かけたら、危害を加えたり、餌をあたえたりしないのはもちろんですが、
野生復帰を成功させるために「野生復帰ステーション」に連絡しましょう。

ただ、現在生存が確認できているのは30羽と半数だけだそうです。

人間の文明が発達した現代では生きにくい環境なのかもしれませんが、
それ以上に一度人間の手で育てられたものは、やっぱり餌も探さなきゃいけないし、
天敵もいる過酷な野生で生きていくのは難しいのかもしれませんね。

人間の手によって失われた種や、失われつつある種・・・

その過ちを教訓として、人は同じ事を繰り返さないようにしていかねばなりませんね。

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そんなことを思いながら、「トキの森公園」の入り口にある売店で、
地元のお母さんたちが自家製の枝豆で作っている名物の「枝豆ソフト」と
今、新潟が力を入れている新ブランド苺の「越後姫ソフト」を味わいました。

勉強して頭を使った後は糖分が欲しくなりますからね。

新潟の濃厚な枝豆の風味が香ってさっぱり。
そして、普通の苺風ソフトの様に甘くなく、自家製らしく酸味の強いリアルな苺味。

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ごちそうさまでしたぁ~♪

トキの森公園「トキ資料展示館」

新潟県佐渡市新穂長畝383-2
電話: 0259-22-4123(トキの森公園)
開館時間:午前8時半~午後5時半(入場締切り 午後5時)
定休日:12月~2月の月曜日(月曜日が祝日の場合翌日火曜日)


さて、2日間に渡り佐渡の旅を満喫してきましたが、ここ「トキ資料展示館」を最後の観光地とし、
あとはフェリーに乗っておウチにかえるだけぇ~

って思ったのに、まさか最後の最後であんなドタバタが待っているとは!?



次回最終回に・・・つづくっちゃ。