寒九の水で仕込んだ「菅名岳」 | 馬の会長日記

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「馬の会」の会長“のみ”の気まぐれ日記。
競馬はもちろん、前に住んでいた新潟のこと、
今住んでいる埼玉のこと、趣味の旅行に、
アルビレックス新潟、グルメなどなど
その時思ったことを気ままに更新してま~す。

先日、新潟の名産・特産ならとりあえずはココで探すという
「新潟ふるさと村」に行った時のことです。


ココではたまにお酒の試飲ができることがあり、
この日もある新潟の酒蔵がやってました。

案の定『これ飲んでみ』って声をかけられたのですが、
車で来たボクは「いや、車なんで・・・」と断ったら

『じゃ、これ飲んでみた』って別のお猪口を差し出された。

「いや、いや、飲酒運転になっちゃうから、
5年以下の懲役、または100万円以下の罰金、25点減点の免許取り消しだから。
ピーポーくんに怒られちゃうから!」

・・・って思ったけど、酒蔵のおじさんの一言に足が止まった。

『これ、仕込み水だから、飲んでみた?』




ここで余談ですが、ボクのまわりの新潟の人は例えば
「飲んで見れば?」ということを「飲んでみた?」と言います。

「試してみれば?」「やってみれば?」は「やってみた?」なのです。


新潟に来たばっかりの頃ボクは、これを過去形だと思って、
こんな会話をしました・・・


上司『やってみた?』

ボク「いいえ、やってません」

上司『だから、やってみた?って』

ボク「いや、まだやっていません」

上司『だから、やっみれてぇ』


・・・もう今では会話ができるようになっています。


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寒九の水で仕込んだ「菅名岳」


ご存知の通り、日本酒の成分はほとんど水分です。
お米や製法なども大切ですが、最も重要なものは水となります。

日本酒の味はこの「仕込み水」で8割左右されると言われています。

この近藤酒造「菅名岳」は新潟県でも水の清いというところで名高い
五泉市の菅名岳から湧き出る水を「仕込み水」としてつかっているのです。

菅名岳にはブナの原生林やカツラの巨木が植生し、
古くからの手付かずの自然が多くあります。

そして、その豊かな自然の中には、五泉市の水源となる清水が
いたる所から涌き出ているのです。

中でも1時間ほど登った所にある「どっぱら清水」が有名で、
その名のとおり山の斜面に開いた穴から水が涌き出ていて、
1月の中旬頃、 寒の入りから9日目(寒九)に
雪の積もる「菅名岳」中腹まで登り、この涌き出る水を汲んでくるのです。

なぜ、わざわざこんな雪深い季節に山を登って水を汲みに行くかといいますと、
「一年で一番水が澄む日」とされているそうです。

その通称「寒九の水」は超軟水です。

その昔、カルシウムやマグネシウムの量が少ない「軟水」は酒の発酵が緩やかで、
冷蔵設備がない時代には酒造りに適していないと言われていました。

しかし設備の整った今は逆に、味、匂い、色の変化が盛んな「硬水」より、
ゆっくり発酵を進ませる「軟水」のほうが、
淡麗な味わいを引き出す新潟の酒との相性がいいということがわかりました。


それを「仕込み水」に使っているこのお酒が美味しくない訳はない!と

思わず衝動買いをしてしまいました。

家に帰って飲んでみると、気のせいかも知れませんが、

スーーーと身体に染み込んでいく感じがあったような気がしました。


自分で飲むのも良しですが、そんなウンチクと共に
県外の方への贈答酒としていかがでしょうか?

お酒はウンチクも大切ですからね。




・・・またもや、日本酒のお話でした。